ペンギン三兄弟 〜 35話 作ってないってば の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
チャン「おぉ〜!?」
ある朝、チャンの雄叫びが家中に響きました。
ドン「どしたの?またゴンにおやつ食べられた?」
ゴン「オレ、食べてないよ」
チャン「これ見て!作りかけであきらめてたフェラーリのプラモデルが完成してる!」
ゴン「自分で作ったんじゃないの?」
チャン「おれ、作ってないよ、もしかして、ドンが作った?」
ドン「ぼく作ってないよ」
ゴン「またまたあ〜、絶対ドンが作っただろ」
チャン「ドン、ありがとね、おれじゃ、上手く作れなかったと思うよ」
ドン「ぼく作ってないのに...」
ゴン「ギャアア〜!」
次の日の朝、ゴンの叫び声が家中に響きました。
ドン「どしたの?チャンにおやつ食べられた?」
チャン「おれ食べてないよ」
ゴン「見て見て!作りかけだったノイシュバンシュタイン城のプラモデルが完成してる!」
ドン「おー、すげー、カッコいい」
チャン「そんなこと言って、どうせ、またドンが作っただろ」
ドン「ぼく作ってないよー」
チャン「ゴンがこんな細かいの作れるわけないじゃん」
ゴン「まあね、オレにはムリだったなあ、ドン、ありがとね、完成したノイシュバンシュタイン城が見れてうれしいよ」
ドン「ぼく作ってないってばー」
その夜、三兄弟の家から、ゾロゾロと、
こびとたちが出ていく姿がありました。
こびと①「僕たちががんばって仕事しても、この家じゃだれも気づかないからつまんないね」
こびと②「別の家に引っ越そう」
こびと全員「賛成!」
何日か経ちました。
ドン「おかしいなあ...」
ドンが何やら不思議がっていました。
チャン「どうしたの?おチビちゃん」
ドン「おチビちゃんって言うな!」
ゴン「言っとくけど、おれ、何にも食べてないぞ」
ドン「スカイツリーのプラモデル買って置いといたんだけど、いつまでたっても出来てないんだ」
チャン「そりゃあ、自分で作らないと完成しないよ」
ゴン「置いとけば勝手に出来ちゃうわけじゃないでしょ」
ドン「だってみんなのは、勝手に出来てたじゃん」
チャン「あれは、ドンが作ってくれたんでしょ」
ゴン「そうそう、おれたちに作れって言っても無理だからね」
ドン「ぼく、ぜったい作ってないから」
チャン「じゃあ、あれは、だれが作ったんだ?」
ドン「さあ...?」
3羽の頭の上にハテナマークがたくさん浮かびました。
ドン「しょーがない、自分で作るか」
チャン「オレも手伝う!」
ゴン「おれ見てる〜」
やがて、りっぱなスカイツリーが完成しました。
チャン「やったね」
ドン「いいねえ」
ゴン「カッケー」
ドン「自分で作ると感動するね」
チャン「いまさら何だよ、いっぱい作ったくせに」
ドン「いっぱい作ってないってば」
ゴン「また作ってね」
三兄弟の家には、こびとがいなくても大丈夫みたいです。
おわり