001.これだから引きこもりはやめられん
ただいま膝の上で、絶賛睡眠中のこの男。
たにぐち・まさと
谷口・政人。 17歳.男.引きこもり.趣味は、アニメ鑑賞。
世間ではまだ、批判的な意見も数多くある「オタク」ってやつだ。
そんな男が後に世界を救うことになるなんてまだ誰も知らない。
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それは月曜日に起こった事。
引きこもり不登校の谷口政人にとっても、最も憂鬱な日の始まりだ。
深夜にアニメを見たことがある人には分かるだろう。
毎日のように、深夜にアニメを見る政人は決まって起きる時間は、午後2時だ。
「ほぁ~あ。ん?もう2時か。体感では9時ぐらいなのに。時間の流れって早いなあ」
そう。この男の1日の始まりはだらしない あくび によって始まる。
1日の始まりは、朝、目を覚ますと、真っ先に向かう場所は、洗面所だ。
顔を洗い、歯を磨き終わると、手に取ったものは 化粧水 だ。
化粧水を顔に付け終わったら次に、髪の毛をセットする。
この男は学校にも行ってないくせに、無駄に美意識高い系男子である。
そして、
「んん~ん、今日も僕は美しィ!」
などと、意味の分からない事を言って決めポーズをとるのが日課だ。
哀しいくらいに決まっていないが、今日はいつもと少し違った。
休みの日は1日中パジャマの人は分かるだろう
この男、普段はめんどくさがって1日中パジャマのくせに今日は珍しく着替えている。どこかに出かけるのだろうか?
無論この男服なんて持っていないので、学校のジャージだ。
「行ってきモース!」
誰もいない家の中に気合の入った 行ってきモース が家中に響き渡った。
そして、着いた先は、コンビニエンスストア
「さて何買うか」
店内を周回し始めた不審者M。(政人)ポテチ15個とエナドリ20缶買って、その場から姿を消した。
大多数の人はこう思っただろう。「箱買いした方が安くね?」って、その通りである。
「うひょ~ぉう!」
と意味の分からない寄声を上げながら部屋に戻った。
普段全く外に出ない政人は力尽きていつの間にか寝ていた。
こんなだらしない男が本当に世界を救えるのか