時代設定
設定についてのみです。飛ばしてもらって問題ありません。
ある時、大陸に一つの国家が生まれた。反乱でも,革命でも,内乱でも,都市の発展による建国でもない。そうする以外の選択肢がなかった。その国の名は大陸統一国家「アルマテサ王国」。
大陸には多くの種族が各々暮らしていた。魔導のエルフ、鍜治のドワーフ、錬金術の小人、戦士の獣人、科学のヒューマン、そして動物とは異なる敵性生物、魔物である。
人類は魔物とうまく共存していた。魔物から取れる資源、魔石によって大きく魔導技術が進んでいたからである。地を走る魔導車に、空を往く魔導船、海もまた然り。遠くの友人と話す通信機に、家族団欒で画面に映るコメディを楽しむほどに文明は発展していた。細々とした問題はあったが比較的平穏だった大陸に突然の災害が襲った。
大陸統一歴より二十年前。突如魔物が巨大化する事件が起こる。巨大化した魔物ギガントに従来の兵器、戦車や銃器は通用しなかった。ギガントは通常の魔物を伴って多くの国々を飲み込んでいく。
たった五年で大陸の半分がギガントに飲み込まれ、ようやく人々は人類の危機を理解した。そこで生まれたのが大陸同盟アルマテサである。アルマテサはギガントとの最前線に防衛線を築くと同時に対ギガント兵器の開発を始めた。
同盟発足より五年、五つの種族の協力によって最初の対ギガント兵器が完成した。それが人型兵器「魔導機兵」であった。
最初に生み出された無人型魔導機兵は戦場に投入され、ギガントに有効打を与えることに成功した。今まで戦車砲の一斉砲撃でギガントの侵入を防いできた戦線に希望をもたらした。
だが無人型には欠点があった。ギガントの機動力についていけず、また知能が低くその都度指示を与える必要があることだ。
だが無人機兵ガーディーが作った時間とギガントのコアによって更なる機兵開発が進められた。
八年後に完成したそれこそ今の主力兵器 搭乗型魔導機兵の原型 魔導機神シリーズだった。機神の完成を機に同盟は国へと結束していた。
多くのギガントを退け、種族分け隔て無く人類を救い続けたヒューマンの女傑マリアーヌを建国王とし、統一国家アルマテサは誕生した。
女王となった後も、彼女は自ら機神に搭乗し戦った。後の機神十家と呼ばれる仲間と共に数多の戦を駆け抜けたのだ。
彼女が機神をもって前線を進める中、ギガントの中で異彩を放つ者がいた。オーガスギガントと名付けられたそれは、体長10mを超えない奴らの中で15mを超える大きさだった。
激闘の末、オーガスギガントは討伐された。それ以来、ギガントの活動は縮小し大氾濫は徐々に収束に向かった。ギガント発生の謎を残して。
この物語はこのギガント大氾濫から335年後の物語である。