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桜の舞い散る季節にまた  作者: 邪王真眼
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プロローグ

  桜が満開に咲く清々しいほど晴れた春の日の事。

  一人、ヒラヒラと舞い散る花を中、俺は、桜の木に全ての体重を預け、特に何を考えるわけでもなく、ただ、人を待っている。

  人は意識のある間、何をするにしても何かを頭の中で思い描いたり、想像したりしながら生きてゆくものだと思う。

  だが、俺の頭の中は完全に無だった。

  あるのは、圧倒的喪失感、虚無感、そして..... 全てを失ったことによる爽快感だろうか。

  だって、マイナスの感情しか湧かないはずのこの現状を今の俺は、気持ちがいいと感じてしまっている。

  そう、例えるならば、清々しいほどに晴れたこの空のように。

  やっぱり、人間は意識がある間はどんな状況下に置いても何かを考えてしまうようだ。

  ほら、現に今も俺はそんな事を考えながら舞い散る桜を見つめている。

「まぁ、だからなんだって話なんだけどな」

  自嘲気味にただ、桜の木が同間隔で並んでいるだけの病院へと続く通路の端で誰にともなく呟く。

  そんな、俺の体の調子はと言うと、全く問題ない。

  .....ように錯覚させられる。

  自分でも、分かっている。

  いや、たった今無理矢理にでも分からせられたんだ。

  そう、俺は.....

「お待たせ! ごめんね?」

  爽やかな透き通った声と共に、俺の思考は切り替えられる。

「いや、そうでも無いさ。それにしても桜が綺麗だよな」

  俺は彼女の方を向く。

  彼女は楽観的な性格で、罪悪感を感じるタイプでは無いのは分かっていたが、一応、話を逸らす。

「うん。そうだねぇ。ここまで綺麗なのは初めて見たかも」

  感慨深そうに呟く。

  そう言う、彼女はどこか寂しげで、見ていられない。

  だが、俺は軽く追い討ちをかけることにした。

  .....こんな表情の彼女を見るのは最後にしなきゃいけないから。だからこそ、ここで最大限落としておく。

「あぁ、こんな綺麗なのを見れるのは最初で最後かもしれないな」

  かなり、意地悪な言葉だっただろう。

「いやいや、大袈裟すぎだよ」

  そういい微笑む彼女のそれは完全に作り笑いだ。

「そうだな」

「うん。きっと来年も見れるよ。......きっと」

  俺は何も答えることなくただ、微笑み返すと、俺達は舞い散る桜に見送られ、病院を後にする。


  そう、これは残りの人生で彼女に、精一杯の幸せを与える為に奔走する俺の物語。


  <予定残り寿命あと364日>

 

  その事をまだ彼女は知らない。

この物語はメイン作の『落ちた死神が世界を統べるまで』をパソコンに入力し終わるまでの場繋ぎで書いてるものなので、短め且つ薄い内容になっております。

また、パソコンに入力し終わり次第メイン作の方も復帰しますのでご了承ください。

なお、その場合はメイン作の方を優先的に書いていこうと思っていますがこちらも書き続けて行こうとは思っています。


今回はプロローグということで短めでしたが、後書き、長々と綴りすみませんでした。


感想、誤字脱字報告、改善点等あればバンバン送って頂きたいです

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