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TransSexual  作者: 風花
2/22

1.オッドアイ


「フリージア。とっても似合うわぁ」


母の嬉しそうな顔は見ていてそりぁ心を打たれるがね。


「あ、ありがとうお母さま……」


鏡の前の俺の顔は引きつっていた。

なんでかって?そりゃぁ、似合わねぇとは言わないがな。


鏡の中にいる俺は美少女とは程遠いいからね。

白いドレスに華やかな花飾りは愛らしいだろう。

組み合わせはばっちりだ。俺だってそこは異論はないんだがなぁ。


普通の顔ってのはどうしてこー……華やかさに欠けるのか。


母の麗しくも美しい容貌を見てこっそりため息をついた。


フリージアちゃん。俺にも君の気持は痛いほどわかるよ。


この母から生まれたのが自分っていうだけで憂鬱な気持ちになるわな。


俺は男だからフリージアちゃんも悪くないってわかるんだけどなぁ。

世界がまだ家の中しかないフリージアちゃんは辛かっただろうに。


少女だった数年間の彼女を思い出してほろりと涙が出そうだ。


安心してくれフリージアちゃん。

君は美人でも可愛くもないけどブスではないからね。


平凡って素敵だぜ?顔は整っているから小綺麗だし。


案外、母上のような容姿の方が後から苦労するぜ。


鏡に映った自分を見ながら俺はそう投げかける。

ウキウキの母は知ってか知らずか上機嫌に話し出す。


「これで殿方はイチコロよぉうふふふ」


母よ。おい待てこら。まだ7歳だから俺。

殿方イチコロする気もねぇししねぇからな?な?


「お母さま、やっぱり私……」

「大丈夫よっ貴方は可愛い可憐な淑女よ!」


ぎゅっと母は俺を元気づけるように抱きしめた。

大きなおっぱいが当たって苦しいです。やめてください。


俺の中で眠るフリージアちゃんが嫉妬の炎を燃やすからやめれや。


ぐっと母の体を押せば口を尖らせた少女のような母がいた。


「……わかったわ。行くから」

「うふふそうよね?初めての社交界だもの緊張してるだけよね」


そうなのだ。なんと庶民の俺が社交界デューするらしい。

お貴族様ってマジで社交界とかあるのな夢物語だと思ってたわ。


ダンスに上等な音楽、大人の交流会。

どれも俺には似合わないし行きたくねぇ。


しかしなんと俺ことフリージア・エディフィールドは第9階位の貴族だったのだ。


ちなみに一番上が王族でその下が第12階位の筆頭貴族。

そこから第1階位までの貴族を『時の12階位』と呼ぶらしい。


建国の王を支えた12人の英雄の子孫から構築されているよう。

わぁすっごーい。よくわからんけど。


とにかく偉いお貴族様のご息女だったらしいぜ俺。

病気がちでかつ虚弱体質だったから社交界なんて無理無理。


それが元気になったから、じゃデビューねってか。


嫌じゃ。仮病を今からでも発動させたい。


……それで一回デビュー遅らせたら家族が死ぬほど心配したのでやらないです。


俺も人の子。ものすごい罪悪感が込み上げました。はい。


白いドレスに身を包み、頭には花の飾りがついたティアラが光る。

あぁ嫌だと無理やり教わったダンスが頭の中で踊り出していた。


「お姉さま。準備ができたの?」


甲高い声と共に無邪気でありながら知性を伴った女の子の声が響く。

俺はざわつくフリージアちゃんの記憶を押し込めて振り返った。


「シンシア。この通り終わっているわ」


振り返ればそこには目を背けたくなるらしい1歳年下の妹が立っていた。


母によく似た顔は二人が姉妹だと気づく人はいるのだろうか。

っと感じるくらい似ていないし、何よりも妹は美しい。


こりゃ暗い性格にもなるわなぁ~フリージアちゃん。


内心そう思いつつ眩しい妹はほほ笑んだ。


「素敵っ似合ってるわ」


心からの笑みと飛び跳ねる仕草は愛らしくも微笑ましい。

25歳男子たる俺は保護者のような気持ちで受け止めるのであった。


「ありがとう」


だから嫉妬に狂うフリージアちゃんよ落ち着け。

君、意外と自己の評価高いだろ。敵わないからね諦めろ。


ジクジクする胸の痛みを取っ払い俺はにっこりと笑った。

そんな俺を見たシンシアはまたも嬉しそうに顔を綻ばせた。


あ~可愛い。いいわぁ美少女の全力の嬉し顔。


「さて準備も出来たし、二人とも行きましょうね」

「はいお母さま!」

「あらあらシンシアはそんなに楽しみなのねぇうふふ」


年相応に天真爛漫な天使……じゃないシンシアちゃんは上機嫌だ。

俺は憂鬱だよ。何が楽しくてダンスしなきゃいけないんだ。


母と妹そして無駄にイケメンの親父殿と俺は社交界へと向かった。




宮殿しゅごい。


がくがくと震えるこの足は武者震いの類か?


圧倒的な高級感と圧倒的な緊張感は俺を嫌でもへこませる。

や~め~てぇ~帰りたくなるぅ。


仮病、いや、でも仮病。いやっ


っと何度も繰り返し浮かぶ言葉を振り払い俺は母についていく。

優雅に旦那と腕組んで会場入りする母は強し。


そして優雅に淑女たる先にデビュー済みの妹シンシアも立派に振舞っている。


あ、俺?


やめろよ聞くなよ。失禁しなかっただけ褒めろや。


不審者よろしく。俺様はキョロキョロ、ビクビク。

んぁー!!庶民なの俺っ貴族じゃないのぉおお助けてえええええ。


俺は悲しくも第9階位のご令嬢。

逃げ出すこと叶わず、挙動不審な不審者は会場入りしたのでした。


よおぉし恥をかきにきたぞ☆


ざわつく会場はまだパーリィー前らしい。

若干のリラックスタイムにほっとしながら両親はさっそく優良貴族と交流。

妹も仲のいいご令嬢たちの輪へ洒落込み、俺は一人放置されるのである。


やっぱり帰ろうかな。


ぼっち俺。仕方ないよね?


んん?友達??え??なにそれ????


俺の中のフリージア嬢が暴れ馬のごとく狂暴化しそうだか考えないでおくわ。


まっ俺も生前は友達?え?

だからねフリージア。気にすることなんてないんだからねっ


さて暇だ。酒もこの幼女な姿には似合わん。

それに甘いお菓子とかも別に……心躍らないしな。

肉か、いいな肉……まだか肉は……いやまだだよな。


会場を練り歩く俺は不審者のごとく周囲を警戒していた。

どうしたらいいのかわからんっみんなどしてんの?


観察するがだいたい俺と同じくらいの歳の子は親か友達とお喋りしてるわ。


あー……引っ込み思案なフリージアを自立させたくてワザと放置したんだな両親よ。


「ふっ……」


思わず鼻で笑ってしまったぜ。

悲しいかな俺は25歳まで彼女なしの男だったんだ甘く見るなや。

年季の入った人見知り見せてやんよ。


はいっということで逃げてきました!


俺は会場を抜け出し、すぐお隣の豪華な庭に逃げ込んだ。

夜風は冷たいが俺の心の方がずっと冷たいのでなんの問題もなかった。


あぁ星がきれいだなぁ。


あ、お月様は昔から俺のお友達さ……フッ


輝く大きな月はいつの時代も夜を照らし地上に降り注ぐ。

幻想的な庭と相まって、おとぎ話の中にいるような錯覚を起こす。


見上げた夜空に釘付けになり、嫌な現実が少し遠ざかるようだった。


「……いいね」


俺は手を月に伸ばそうとしてハッと人の気配に気が付いた。

ババっと辺りを見渡すとぼんやりと庭の低木の近くに人の形をした塊を発見した。


「……」


なんだか発見してはいけなかったような気がする。

大きさから言って子供のようだ。


うむ。早々に立ち去ったほうが


「ひ……」


ずずっと嗚咽と鼻声の男の子の声が小さく耳に届いた。


……。


……、あ、はい。


俺、7歳とは仮の姿。中身は大人なんでね行きますとも。


一人寂しく庭の隅で泣く子をほっとく無情さは大人な俺は持っていなかった。


しかし普通に接触するのもどうなんだ?

生意気にも大人面して話しかけるのも不審者に思われるだろうし。


ならば子供っぽく無邪気に接触しようじゃないか。


すすっと暗殺者のごとくすり足で近寄り、まだ気づいていない小僧の背後をとる。

そして小さな俺の両の手は口元で揃えられ大きく息を吸う。そして……


「わっ!!!!」


「!?」


大きく響き渡った少女の声は以外にも威力を発揮。

相手は振り向いた態勢のまま驚きの表情を浮かべて硬直していた。


目からぽろっと落ちた涙だけが時間が止まっていないことを証明している。


「こんばんはお兄さん。どうして泣いてるの」


コミュ力ぅ……。


自分でも唸るほどの完璧なコミュニケーション能力よ。

相手はそれはもう話したくて仕方なくなるは、


「誰」


「……」


えぇ誰でしょうね俺。

コミュニケーション能力が死滅してた25歳くそ男ですかね。

ってそうじゃなくて現実に戻れよ俺よ。


「フリージア・エディフィールドと申します」


俺はくいっとスカートを摘まみ体を傾ける。

仕切り直しである。何事もなかったかのように振舞うからな覚悟しとけよ。


うずくまったままの少年は俺を見て立ち上がった。


「僕は第11階位ジョバーナー家嫡男ジークフリード・ジョバーナー」


あ、仕切り直しも出来てませんでしたね。


「失礼いたしました。

 私は第9階位エディフィールド家の長女フリージアですわ」


間抜け野郎でしたわ。いや言い訳させてくれよ俺は貴族じゃない以上。


異論は認めん。生粋の庶民には堅苦しい名乗りなんてーものはねぇーの。


互いに挨拶もおわり、気まずい空気が流れた。


おい、どうすんだよ俺。

やっぱ大人な俺を演出したくて声かけたけどやめとけばよかった。


何事も発しない二人の奇妙な時間はぐしぐしと涙を袖で拭くジークフリード少年を見たときに払拭された。


「ん、オッドアイなんですね」

「っ……」


慌てて片目を隠す様子に俺はちょっとびっくりした。

過剰な反応だし、それに察したわ。泣いてた原因それだろ。

ちぎれた眼帯が近くに転がっていたのを漸く俺は発見したのだ。


「見るな」

「はぁ……見るなと言われましても。もう見てしまいましたし」


銀と金のなんとゴージャスなお目目でしょうかね。

別に俺は珍しい現象じゃないと思うんだけどな。


「魔力が豊富でいらっしゃる」

「……なん、?」

「内包する魔力の濃度が濃いほどオッドアイになり易いっと聞きました」


俺が生まれた国は魔法大国だったんでな一杯いたぞ。

ここまでゴージャスな野郎はいなかったけどな。


首を傾げるジークフリード少年は大きなまんまるの目で俺を見た。


「素敵なことじゃありませんか。

 それで気味が悪いとでも言われました?それに眼帯をはぎ取られました?」


ガキ特有のアレだろ。馴染みのないものへの強烈な拒否反応。


おーおー図星か?全くいつの時代もガキはガキよ。


「はぁわかっていたらイジメてなかったでしょうに」


魔力の濃度が高いってことはだ、そりゃ恐ろしいほど強くなるんだよ。

奇跡の力は生まれ持った魔力の資質によって決まるんだからな。


子供の頃は魔法をうまく扱えないだろうが大人になってみろ。


復讐されるぜぇ~魔法使いってのは執念深いヤツ多かったからなぁ~


あーあ。こいつイジメた奴ら可哀そう。


「君は何を言っているの?」

「え?ご両親に聞いていないのですか。

 貴方はとても良質な類まれなる才能をお持ちだと」


はて子供が調子に乗らないように隠していたのか?

それで隠してイジメられたならこの子が可哀そうだろうが。


なにやってんだ両親!


「……才能だって?」

「えぇ神様からのギフトですわよ」


何度言わせるつもりだこの坊や。

常識的なことを何度も聞くんじゃないやい。


そろそろイライラしてた所にジークフリード少年は意を決したように近寄ってきた。


「僕が恐ろしくはないのか」

「……はぁ?」


思わず語尾が上がってしまった。おう失礼失礼。


「恐ろしいとはよくわかりませんが……あ、もしかして」


俺は心の中で『魔眼』を展開。

これは相手の魔力を視覚化する効果のある技の一つである。

誰でも覚えれば、赤子でも無意識でやれる。


ほうほうそれで……ふむふむ。


なるほど。めちゃ濃い魔力を放出しておるわこの野郎。


よくもまぁ常時放出できるな……流石類まれなるギフトの持ち主。


「魔力が漏れ出ているのね。

 その漏れ出た魔力の濃度が高いから他者を威圧するんだわ」


っと親切に言ってやったらまたビックリ顔。

もうなんだよ珍獣でも見るような目つきで俺を見るんじゃない。


「適度に魔力使えば威圧感は消えるでしょ。

 ……いいわ。きっとまだうまくコントロールが出来ないのよね」


渦巻く魔力を眺めてふとお節介を焼きたくなった。


子供の内は両親や師が代わりに消費したり調整したりしてたものだ。

俺は才能はなかったからそれを横目で見てただけだけどなっケッ。


確か『ドレイン』でちょっと吸収すりゃいいんだっけ?


「動かないでね。失敗しても知らないんだから」

「は?な なに?」


戸惑いながらもいい子なのかじっとするジークフリード。

育ちがいいよなぁ俺だったら絶対じっとしてないわ。


俺はジークフリードの胸に手をかざした。


「じゃ、さくっと『ドレイン』」


ぎゅんっと大きな魔力の塊が手に集まってくる。

まぁその魔力は俺には還元されない。

彼のような資質はないので、手のひらに集まり凝縮し……。


カランっと宝珠となり地面に落ちてゆく。

それを拾い上げドレインで獲得した魔力の宝珠をジークフリードに手渡した。


「はい返すわ」

「……今のは魔法?」

「魔法ってほどのものじゃないわ」


これはただの技なんだよ。

魔眼もドレインも体内のエネルギーを消費して起こす力技。

人間が根源的に体内に宿す生体エネルギーを現実世界に投影する技術だ。


奇跡の力。魔法とは全くの別物だ。


「魔法のようだったけれど……」

「じゃぁそういう事にしとくわ」


っと言えばジークフリードは不審者を見るような目で見てきた。

うるせぇ俺はもう疲れたの。説明するのめんどいの!


話す気もない素振りの俺に諦めたのかジークフリードは壊れた眼帯を拾う。

高級な素材感な眼帯さんはひもが切れただけで本体は無事そう。


ジークフリードはただ眺めてポケットにしまった。


「え?治さないの?」

「……どうやって」

「それくらいなら宝珠で治せるじゃない」


奇跡の源の魔力が詰まった宝珠だぞ?


「使い方も知らないの??えー……仕方ないなぁ」


宝珠ならコントロールの必要もないから簡単なのに。

ま、ここまでお節介を焼いたんだ。最後まで面倒は見てやるよ。


「眼帯だして。で、宝珠の上に置いて」


少し小さなジークフリードの手のひらに宝珠と眼帯を握らせる。

その手に俺は手を重ねた。ぴくっとジークフリードは体が跳ねた。


「?じっとしててよ」

「……わかった」

「じゃぁ願って」

「は?」


きょとーんっと俺を凝視するジークフリード。


「言った通りよ。ただ願うだけ。

 強く、願いを思い浮かべて。宝珠は奇跡の塊」


理屈は必要ない。だってそれが魔法だから。


オッドアイの瞳を覗き込んで頷いてやる。

半信半疑だったジークフリードの瞳に確かな灯を見た。


「強く……だね?」

「えぇ」


めんどくさいから早くせんか。

ジークフリード君はぎゅっと目を瞑った。

その瞬間。握った宝珠が暖かく熱を持ち一瞬の強い光を放った。

閃光はすぐに収まり、俺はさっさと手を離した。


「はい治った。じゃ、もう泣かないよね」

「……君って子は」


宝珠は一回り小さくなり眼帯は綺麗に新品みたく治っていた。

はいはーいよかったねぇっと形ばかりで喜んでやった。


俺の大人の秩序も守れたわけだしな。


ジークフリード何か言いたそうな顔で俺を見ているが気にしない。


「じゃぁ私は戻るわ。いい加減寒くなったし」


俺は仕方なくまたスカートをくいっと両手で上げた。


「ごきげんようジークフリード様」


さぁ帰るべ。もう用はないぜ。

はっはっこれから俺は社交界でびゅ~なんてものがあるんだよ。


貴様に構っている時間はないのだ少年。


くるんと別れの挨拶を雑にこなし。

俺はささーっと庭から走り去っていた。


いやマジで寒い。そうだ俺ってばドレスしか着てないじゃん。

幼女でしかもつい最近まで体弱かったんだから気を付けるべきだった。


鏡でチェックしとけば顔色ぐらいはわかっただろう。


しかしパーティーが始まりそれも叶わず。

緊張でガチガチの俺は逃げ出すこともなく両親に従うのであった。


一方、言いたいことだけ言い放ち消えた少女を見送ったジークフリード少年。

手に残った紫色の宝珠と完璧に復元した眼帯を見下ろした。


「魔法……これが?」


本人は気づいているだろうか?


何をしたのかを。


当たり前のように披露したものが当たり前ではないことに。


魔法は存在するそれは常識。


では、それを行使する者が極端に少ないことを知っているだろうか。


「彼女は、なんだ」


僕の目を素敵だと言った。

神様からのギフトだと、なぜわかるのだろうか。


オッドアイは気味が悪いだろう?

恐ろしく、ただ僕がいるだけで違和感を持たれるくらいだった。


不快感を相手に与える力の正体がずっとわからなかった。

高名な魔術師でさえ僕のこの体質は解明できなかった。


それを彼女はあっさり解き明かす。


「魔力が豊富?使えば威圧感はなくなる?」


初耳である。どれもこれも。

信憑性だって怪しいものだ。だって彼女とは初めて会ったのだし……。


けれど胸に影を落とし続け、存在する意味を見出せなかった僕が。


「ふふ……なんだあの子。くふふっ」


こうして笑って。憑き物が落ちたかのように心は軽い。


さてどうしてやろうか。僕がこっそり泣いてたことを口留めしようか?


それとも君の知識は危険なものだよと教えるべきか?


いずれにしろ……。


「もう一度、会いたい」


はやる気持ちは加速して、自然と身体は動いていた。

熱い灯は胸を焦がして焦燥感にも似た想いが沸き起こる。


ジークフリードは治った眼帯で金の目の方を隠した。

宝珠は大切にポケットにしまって。そして急ぐように庭を飛び出していた。


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