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短編

過ごした一時

掲載日:2018/11/03

お待たせしました。

「懐かしい再会」の続きです。

意味が分からない方は、前作とあらすじを読む事をおすすめします





 あの人と合流した後、私達は約一時間かけて沢山の場所を見て、聞いて回った。

 今までの歴史を聞いた。

 くじ引きも引いた。

 タイムスリップしてしまったかの様な錯覚を起こす場所も教えてもらった。

 変な場所も教えてもらった。

 少し暑かったのも相まってか、あの人と食べたアイスも美味しかった。

 私の知らない場所は新鮮で、あの人の説明する数々の場所は飽きさせない楽しみがあった。

 その際、足が既に限界を迎えつつあったのは端に置いておく。

 あの人と過ごす時間は楽しかった。

 楽しかったとしか言い様が無い。

 ちなみに、この時姉は一人観光とお土産を買っていたらしい。






 一通りの観光スポットは見て回ったらしく、気が付けば再会した場所に戻っていた。

 夜ご飯は近くのバーでお酒とおつまみだった。

 自然と、あの人と話す会話は進んだ。

 最近の話や過去の話。

 あの人の元同僚の話や好きな人の話。

 そして極め付けは、あの人を好きになった人の話。

 あの人はどうやら好意を持たれていると自覚していたらしい。


 え、自覚してんの?


 とは思ったが、言わないでおいた。

 流石に言えなかった。

 うん、無理。

 私はあの人の関係を険悪にしたい訳じゃない。

 私はあの人との縁を大切なものにしたいから。




 一通りの話も終えて、お腹もいっぱいになったのでそろそろ帰ろうと、姉に連絡して待ち合わせていた場所に戻る。

 ………………30分経過しても姉が来ない。

 姉も一人で、ぶらぶらと酔わない程度に居酒屋を回っていたらしいがまさか迷子になるとは……。

 そうして、姉に電話をしてあの人と共に移動する。

 しかし、姉は迷子の基本たる「その場から動かない」を決して実行してくれず、姉を散々探す羽目に……。

 私が久しぶりに姉に振り回された瞬間だった。






 その後、姉に我儘を言って私はタワーに登った。

 勿論、姉は最初は断る。

 私の我儘は姉にとっては地獄に落とされる様な一言であると知っていた。

 それでも姉と行きたかったのだ。

 …………欲しいお土産もあったし。

 結局、姉と一緒に行くことは出来た。

 後に、姉の高所恐怖症に拍車がかかったのは言うまでも無い。





 駅前、窮屈なヒールと筋肉痛になった足を引きずって、姉のアパートに帰る為に歩く。


「満足出来た?」


 ふと、姉が口を開く。

 コレで満足してなかったら怒るよと言わんばかりな雰囲気を纏って。

 普通に怖い。


「うん、ありがとう

会いたい人にも久しぶりに会えたし、凄く濃い一日になったよ」


 おそるおそる返すも、姉が呆れ気味に言った一言で両断される。


「良かったね、私も一人とはいえ観光出来て楽しかったよ」


 ついでにコレ持ち帰ってね、とお土産袋を掲げる姉。

 上手く返答しようも無い。

 コレは完全に皮肉だぁー!


「一人になっちゃったのは悪いと思ってるけど、そっちも楽しめた様で良かった」


 本当に、そこだけは申し訳なかった……。

 でも本当に、濃い一日だった。

 この一日を忘れたくないと思った。



        fin

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良い一日が過ごせて良かったですね(*^-^*) 前作からの感情の動きがリアルに伝わってきました。
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