プロローグ
これからよろしくお願いします。
「なあ、黒軍ってかっけぇと思わねえか?」
黒い髪をした少年はもう何度目か分からない問いかけをした。
「そう?僕は白軍の方が断然かっこいいと思うけど。なんか高貴な雰囲気があるっていうか」
白い髪をした少年は目を輝かせそう言い返した。
「あっそ、じゃあ俺とは違う道を行くってわけだ。せっかく俺が総長になったらお前を参謀長にしてやろうと思ったのによ」
黒髪の少年はまったくだぜとと身振りでジェスチャーした。
「君が隊長?笑わせないでよ。君がなれるのはせいぜいガキ大将くらいさ」
白髪の少年ははぁーと大げさにため息をついた。
「なんだとお前、やんのかゴラァ」
黒髪の少年は白髪の少年を威圧するように目の前に仁王立ちする。
「別にいいけど。君と僕の差がまた開いちゃうけどね」
白髪の少年も負けじと立ち上がり同じく仁王立ちした。
「この前ぼっこぼこにされたやつがよく言うぜ」
「何言ってんの。あれは僕が負けてばかりのきみがかわいそうだから加減してあげただけっていうのに」
「上等だよ。俺が勝ちこししてやる」
黒髪の少年は幾度もの死闘でボロボロになった剣を鞘から引き抜き白髪の少年に切っ先を向けた。
「今日はちょっと手を抜けそうにないから死なせちゃったらごめんねぇー」
白髪の少年も鞘から剣を引き抜くと相手の方に切っ先を向けて構えた。
瞬間、二人は一斉に間合いをつめ同時に振り下ろした剣は耳障りな金属音を立てて激突した。
黒髪の少年はクレイン、白髪の少年はハクア。
二人は934戦目を開始した。