9 現在の世界事情
「勇者様、こちらの都合で勝手に呼び出したにも関わらず 願いを聞いて下さって誠に感謝する」
「いえ、僕たちは困ってる人を助けたいだけですから、それに魔王を倒さなければこの世界から元の世界に帰れませんしね」
「魔王復活の影響でこちら側から呼び出す事はできるのですが、こちらから送りだすのはできないのです 元の世界からこの世界の勇者様達を召喚すれば帰れるのですが勇者様達の元いた世界は魔法という概念が無い模様…
我等も魔王討伐の為に惜しみなく助力致したしますので」
この国の魔導師の中のトップと思われる人物と早風先輩が喋っている こんな状況で困ってる人助けるだけとかよくさらっと言えるな
感心しているとアイシャさんが口を開いた
「とりあえず今日は疲れただろうから城の部屋で休むといい」
アイシャさんの部下の騎士達の案内で俺達は召喚の神殿を魔法陣で移動した 召喚の神殿から転移すると城の謁見の間に出た、窓の外はもう真っ暗だ俺達を召喚完了したのが夕方頃だったらしいからかなり時間が経っている
それから各自、一人部屋に分けられた 直樹らと今日の事を色々話し合おうかと思ったが部屋から出ることは禁止されていたのでおとなしく部屋にいることにした
今日は色々ありすぎてどっと疲れた
なので今日はもう寝るとしよう
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いや、まだやるべき事があった
この能力の実験だ一応俺は魔法壁の能力ということになっている この能力を発動していられる時間など確かめなければいけない事は山積みだ一つ一つ確かめるか…
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「勇者様、起床のお時間です」
侍女の声とともに俺は目を覚ました 侍女は俺を起きた事を確認すると早々と部屋を出て行った
部屋をでると騎士が扉の横に立っており、食堂まで案内してもらった
食堂にはちらほらと生徒達が集まっていた、そして朝食を食べる者、友達と喋べる者様々だった直樹達はまだ来ていないみたいだったので適当に椅子に座り置いてある朝食を食べる
「!…おいしいなこれ」「あ、おいしい」
俺と、同時に喋った声が聞こえた方を向くと席二つ横くらいに クリッとした愛らしい目、整った顔立ちの小柄なポニーテールの少女が座っていた 声の主は河上瑞葉だった
そして、河上瑞葉と目が合った とりあえず何か言った方がいいのか? そう思いとりあえず何か言ってみる
「確かにこれは美味しいな、えーと、河上さんだったっけ」
「あー、昨日のスキルくそ弱い人か」
ぐはっ!この子初対面の人に容赦ないないな…
名前すら覚えられてないし…
「ごめんね、スキル弱くて」
力を込めて言い返した 年下相手になにをむきになってんだか 自分でも思う
「私早く元の世界に戻りたいから精々足引っ張らないで下さいね」
この糞ガキィィ…と思って何て言い返してやろうか考えていると
食堂の扉付近が騒がしくなってきた
そして大勢の生徒と、共に食堂に入って来たのは神木先輩と早風先輩だった取り巻きの中には男子も結構いるのだがほとんどが女子だった
河上はそれを見るなり席を立ち、早風先輩の下へと走って行った
「あー!早風先輩おはようございます!」
「ああ、瑞葉かおはよう、」
そして猫撫で声で元気に挨拶していた
俺の時とは態度が全然違うなおい まあいいかと思い、朝食を再び食べ直そうとフォークを持った時、周りに相模達が座ってきた
「おお、お前らか」
「なーに一人で飯食ってんだよ」
「いや、お前らが遅いから…」
そんな会話をしていると
「えーと、皆さん食べながらでいいので聞いて下さい」
生徒全員が席に座ったのを確認し金髪のひょろっとした男が何やら話し始めた
話の内容は現在のこの世界の現状だった
まず俺達は三つの国が協力しあって召喚されたのだそうだ
ここジュリアート王国とこの国のすぐ隣のオズワルド魔法学園都市とブラックフォレストを挟んで向こう側にあるインクルシュ帝国、この三ヶ国が共同で俺達を召喚したらしい 召喚の方法を帝国が提示し、王国とオズワルド学園が複数の勇者を一度に召喚できるようにしたらしい
ちなみにオズワルド魔法学園都市は元はジュリアート王国の一部だったが これからも王国に協力する という条件付きで独立したのだ
帝国と王国は、闇の勇者の件から同盟関係にある 一応、俺達は王国の戦力だが帝国が魔王軍の侵略を受ければ優先して助けに行くなど正にギブアンドテイクの関係なのだ
話が終わり、朝食を食べ終わった俺達はアイシャさんの下、能力調査行ったこの能力調査の結果で軍隊の組み合わせなどを決めるらしい