4 王様の話を聞くのはゲームでは定番です
生徒達は突然現れた者達の代表者と思われる男を見つめるその中には何が起こるのかビクビクしながらも目が離せない様子の者もいる 例えるならクラスの発表の時にそいつが前に立つだけで皆がそいつの話を聞こうとするような感じだあの男はそんなカリスマ性を持ってるのかもしれない
沈黙の中、男が口を開いた
「いやーすまんねーいきなり呼び出しちゃってまず現状がわからないと思うから何が君達に起こったのか説明するね」
ポカンと口を開けて皆驚いている俺も驚いている、めちゃくちゃ恐そうな顔してるのに声色は軽く耳に入りやすい声だったからだ、というか態度が軽い 俺達のそんな気も知らずにその男は饒舌に喋り続ける
「まずここは君達の居た世界じゃない、この世界に名前なんてないんだけど、まあ君達の世界とは全く違う世界だ、魔法を使って君達をこちらに呼び寄せたってわけだよ 召喚の神殿に入るまで、あ、この部屋の事ね、成功してるか不安で夜も眠れなかったんだよ、なんたって失敗したら十年は待たなきゃいけないからね、ちなみに儂がこの国、ジュリアート王国の王、レイサム・ジュリアートである」
さらっと衝撃発言をぶちかますこの国つまり俺達が今いる場所がある国、ジュリアート王国の王様レイサムさん 考える暇もなく話を続ける
「大変申し訳ないのだがこの世界を救ってもらえないだろうか」
は? それがまあ常識のある人なら誰しもがまず思う一言である、しかし非常識な奴が一人いた
「その話詳しく聞かせてください」
唖然とした生徒達の沈黙を破るように発言したのは元いた世界の高校で相模に並ぶイケメンでありそしてなにより山川高校の生徒会長を務める
三年生 神木鳴瀬そのひとだった
ざわめく生徒達、まず召喚されたのは全員、山川高校の生徒だろう だがこの部屋、もとい召喚の神殿に山川高校の生徒全員が入るなどありえない見渡した感じでも数十人しかいない三十人いるかいないかだ、しかも学年問わずバラバラで そしてさらにその中に生徒会長がいたのだ驚くのも無理はない
「ふむ、なにから説明すればいいのやら…まずはこの世界の歴史からざっくり話そうか……」
王様はそう言ってこの世界について語りだした
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