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どこにでもあるそんなお話  作者: まっひー
29/33

3 波乱の一日

美桜ちゃん視点です!


言葉の使い方間違いなどの指摘はコメントで!

「シロト…貴様だ」


は?


待って、状況が全然理解できない


続いてアイシャさんは能力が弱いなど言っている


頭が真っ白になる 生贄? なんで?なんでシロ君なの? 


皆でシロ君を嵌めようとしている


分かってる、当然噂なんて嘘だ


私はそれを否定するがアイシャさんによって流されてしまう 天野先輩も反対しているが私と同じく皆、聞いてくれない


っ!こいつら…!!


私がこいつらを皆殺しにしてやろうかと思ったその瞬間


「アッハハハハハハハハハハ!!」


シロ君の壊れたような笑い声が聞こえる


「全部思い出した」


そしてシロ君は深淵のように深く、黒い渦が巻いた目で私を見る


その瞬間、私は理解する この人はシロ君なんだと


そこからシロ君の雰囲気が変わった


…いや、元の雰囲気に戻ったというのが正しい 


懐かしい孤児院でのあの雰囲気だ


そしてシロ君は素早く動き村田を人質に取る


かつて私を取り押さえた時の記憶が蘇る


そしてシロ君は美桜と呼び捨てで私に命令する


嬉しいっ


私は歩いてシロ君の下へと向かう


皆が驚いた目で私を凝視しているがそんなものは関係ない


そしてシロ君は私に剣を渡す


分かってるこれでシロ君を命に換えてでも守るよ


さらにシロ君は私を操っていると言っている


なんで?そんな事言う必要があるの? 私が自分の意思でシロ君に従ってるのに…


えぇ…でも演技した方がいいのかな…


雄二が矢を飛ばして来た 


こいつ空気読めないなぁ そんなに村田を殺したいのかな?


私はなんなくそれを剣で打ち落とす


シロ君は躊躇いもなく村田を殺す


うふふ、やっぱりシロ君だぁ


私は恍惚とした目でシロ君を見つめる


しかしその瞬間シロ君が私を抱き寄せた


顔が赤くなりそうになるのを必死で堪える、堪えるというより自分を落ち着かせる 


シロ君のナイフが私の首に当たる


身体がゾクゾクする


その後シロ君はゆっくり下がっていき、大きな窓の前で止まると私を抱える


本当にドキドキしてしまう シロ君に聞こえてないだろうか?


私は腕をシロ君の首に絡める


そしてシロ君は窓から飛び降りた


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


シロ君は街で人を意味も無く殺しまくっている


果物屋のおじさんもどこかの母親とその息子も……


私も殺したくなったけど、シロ君に駄目だと言われた 


シロ君の命令は私の中では絶対、なので私は我慢する


ドンドン人を殺して返り血を浴びていくシロ君…かっこいいなぁ


シロ君から目が話せない


結局シロ君は39人の人を殺して王国を出た


しばらく道を走っていると 前に馬車が走っていた


「なあ美桜」


「なに?シロ君」


「あの馬車に乗せて貰おうと思うんだけど」


「うん、そうしよっか じゃあ私が運転手を殺すね」


どうやって殺そう?男が馬車を運転してるならニコニコしていれば簡単に殺せそうだな 


女なら…フフっ、普通に殺せばいいか


と、私が想像を広げているとシロ君が


「早い早い、決断力の塊かよ 別に殺さなくても冒険者とかを偽ればいけるって」


そういう事で殺さない事になった


シロ君の役に立てると思ったのになぁ… 


馬車の運転手は人が良さそうでとても騙し易そうな人だった


運転手のおじさんの話に愛想笑いをしながら適当に合わせる 話の流れで私達を冒険者と思い込んでいるおじさんは私達のランクというものを聞いてきた


当然ランクなんて知らない


すると突然シロ君が私に話を振って来た


えぇ!?どうしよう…


とりあえず秘密☆と言って置いたが、おじさんはしつこく聞いてきた


マジでしつこい……ムカつくなぁ


そんな時シロ君から合図で殺してもいいと許しを得た


ただ殺すのでは役に立てない せめて私は情報を得てから殺す事にした



おじさんを殺した後、盗んだ服で身体の血を拭いてそこからペルンへと私達は徒歩で向かった


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ペルンに入る為に私達は門へと続く列に並ぶ

行列はどんどん減っていき、遂に私達が検問を受ける番になった


門番の男は私の身体をジロジロといやらしい目で見てくる 


シロ君はそんな男を睨んでいる


私の為に睨んでくれてるのかな?そうだといいなぁ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「オラッ!」


「カハッ、」


当然、男がシロ君を殴り倒した


大変っ!シロ君の所へ行かないと!


「おっと、嬢ちゃんは俺が食ってやるから安心しな」


どうやらこの男は私が目当てらしい


私のせいでシロ君が怪我を…


早く…早くシロ君の所へ行かないと…


私は近付いて来た男の腕を切り落とす


この男…無用心過ぎる、女といえども剣を持った相手に丸腰で近寄るなど馬鹿にも程がある


「いでええええ!!俺、俺の、俺の手がああ!!」


「うるさいなぁ」


うるさかったので喉を斬って黙らせる


「クガッ、あ、ぁ、」


次にシロ君を取り押さえているゴミを殺しにいく


男の顔は恐怖で引き攣っている


私の事を見ててね、シロ君


私は笑って男の顔面を剣で潰す


力任せに頭蓋骨ごと貫いたので 頭から剣を抜いた拍子に刃先が折れてしまった


折れた剣では時間がかかるな…早くシロ君に謝らないといけないし 


こいつは情報を聞き出してから逃すとしようかな


私が質問すると男はビビって喋りづらい様子だった


うーん、どうしよう? あ、そうだ!


ここは私がシロ君に好かれる為に調べた ギャップ萌え を使う時かも知れない


シロ君以外に使うのは気が引けるけどそれが手っ取り早い これで時間がかかってシロ君に嫌われたら元も子もない


私は先程の様子とは一辺し、ニコリと笑って男の緊張を緩める


―――――――――――――――――――


男は話し終えたので私は男に釘を指した後に逃がしてやった


そしてすぐさまシロ君に謝る


シロ君は大丈夫だと言う


シロ君はやっぱり優しいなぁ


その流れでシロ君のお腹に触っちゃった


シロ君は照れてくれてるかな? 


嫌がられなかったので私は今後ボディタッチを増やしていこうと思った


シロ君が商人から盗んだ商品を私に渡してくれたので私はそれで全身を拭く


身体を拭いているとシロ君がこちらを見ている事に気付いた


恥ずかしい…顔が熱くなるのを感じる


「いやぁ、しばらく見ない内に美人になったなって思ってさ」


「ふえ!?そ、そうかな?」


いきなりシロ君に褒められて変な声が出てしまった 


余計に顔が熱くなる


「なんか、自分の娘が知らない内に成長していた時の父親みたいな気持ちだ 危うく美桜を襲ってしまいそうだ」


襲うっ!? シロ君に襲われる自分を想像してしまい恥ずかしさが頂点に達して頭が真っ白になった


「え?あれ、おーい」


シロ君の声も頭に入らない


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ペルンの街に入り、まずは冒険者登録をする事になった 王国の座学では冒険者ギルドと呼ばれる場所で登録できるのだと習った


冒険者ギルドは一つの街には必ず一つあるらしい


とりあえず近くにいた男に聞く


「すみません、冒険者ギルドの場所を知りたいのですが」


「あぁ!?それくらい自分で…」


男は乱暴に言い放ちこちらを振り向くと私の顔を見て態度を急変した


「うお!? 冒険者ギルドの場所だっけ?」


「はい、私この街に来たばかりで…良かったら教えてくれませんか?」


「教える!教える!教えるからさ、俺とちょっとでいいから付き合ってくれない?」


「はい、いいですよ?」


勿論こんなゴミについていく気は毛頭ない


「冒険者ギルドはあそこだ、ほら分かり易いだろ?冒険者ギルドは大体、街に入ってすぐにあるんだ」


「ありがとうございますね それでは」


「おい、待て!話と違うじゃねぇか!!」


さすがに露骨過ぎたか…


うるさいなぁ 


シロ君に迷惑がかかるでしょ、シロ君は早くギルドの場所を知りたいんだから


「や、やめて下さい!」


私の声で周囲の人達がこちらを振り向く


シロ君はその様子を見てクスクス笑っている


「おい!この子が嫌がってるじゃないか!」


急に別の男が入ってきた


「お、お前は、くそっ!なんで俺が!」


そういって男は去って行った


「おおー!さっすがはクレイン!」


「キャー!こっち見てクレイン!」


「クレインが助けた女の子可愛くないか?」


「やーめとけ、既にクレインに惚れてるよ」


周りからは歓声が響いている


「クレイン最高だなっ!おい!」


「おお!テメーにも分かるか!?」


何故かシロ君もその場のノリに合わせている


しかも近くのおじさんと意気投合してるし…


「大丈夫かい?お嬢さん、」


なるほど、確かに美形だ モテるのも分かる でも…


私はこういう奴が大っ嫌いだ 


偽善に満ちた行為をする人間が一番ムカつく


人を助けるのが当然なんて甘い考えができるのはそれだけ今まで幸せで甘い人生を送ってきたから言えるのだ


その分どこかで辛い思いをしてる人がいるのかも知らずにね


親に愛され、裕福な家庭で、さぞかし楽しい人生を送ってきたんだろうなぁ


「ありがとうございます!その…なんて御礼をしたらいいか…」


「ははっ、御礼なんて良いよ!困っている人を助けるのは当然だろう?」


本当にムカつくなぁ…


こういう人間は一度どん底まで落ちないと気付かない、今まで自分がいかに幸せに生きて来たのかを


「フフっ、優しいんですね…」


「っ! そんな…当然の事だよ…」


クレインという男は頭を掻いて照れている


「そのっ…俺はクレイン・グレドニーって言うんだけど、良かったらこの後どうかな?」


「「「「「おおー!」」」」」


周りからまた歓声があがる


これ以上私をイラつかせないで欲しい


「すみません…これから行く所があって」


「えぇ!?それはどこだい?君この街の事あまり知らないだろ?僕が案内するよ」


はぁ?マジでウザいこいつ…


シロ君もニヤニヤしてないで助けて欲しい


一発、 俺の女に手を出すな ぐらいこいつに言ってやって欲しいのに


「あ、大丈夫ですよ、行き先は冒険者ギルドなんで」


「君、冒険者なのかい!?」


近くで大声出すな


「いえ、冒険者になりに行くんです フフっ、こう見えて私、剣の腕前は凄いんですよ?」


「僕も冒険者なんだ!良かったら僕とパーティーを組まないか!?」


はぁ?頭逝ってるんじゃないの? 誰がお前なんかと…


ふと私はシロ君を見た


「……」


シロ君は無言で頭を高速で縦に振っていた


えぇ!?パーティーに入れって事!?


「良いんですか?私何も知らないんですよ? 他のパーティーメンバーさんに迷惑をかけるかもしれません…」


「ははっ、大丈夫だよ、僕はソロで冒険者やってるんだ ほら、ソロのクレイン って聞いた事ないかな?」


聞いた事ねぇよ


「えっ、あのクレインさんですか!?」


はぁ…疲れた こんな奴よりシロ君と喋りたい


「僕の名前そんなに有名になったのか ははっ、困っちゃうな… でも絶対に君に後悔はさせないよ、お願いだ僕のパーティーに入ってくれないか?」


シロ君を見る 


「……………………」


目茶苦茶頭振ってる…


シロ君な命令なら仕方ない


「分かりました、私も足引っ張らないよう頑張りますねっ!」


「ああ!君を絶対に守るよ!」


「「「「「おおおお!!」」」」」


歓声があがる こいつどんだけ人気あるんだ?


はぁ…はぁ…はぁーー… チッ、


心の中で溜息を何度もついていると


(悪い時間がない、とりまそいつのパーティーに入ってくれ それとこれからしばらくの間、俺達は他人って事で それじゃ!)


え?今の何? シロ君を見る


「………………」


頭めっちゃ振ってる……


多分、変化させた固有スキルで直接脳に話しかけたのだろう 時間がないのはその為だ


わざわざスキルまで使ったのだ 以外とこのクレインという男は何かを握っているのかもしれない


なら、こいつとはできるだけ親密な仲になっておいた方が良いだろう


こうしてクレインに連れられ私はギルドへと歩いていった


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