今日は休憩!
封印から50年目の夏。
ヨボヨボのジジババが勇者の格好で現れた。
「こ、この悪魔宰相め!この勇者ラディーンが、倒しに来た!覚悟しろ!」
「キャー、素敵ー‼勇者様」
「…へ?あ?『鑑定』」
名前:ラディーン
種族:人間
HP:20/999
MP:5/999
ユニークスキル:復活
(確かに、元勇者だな。瀕死だが。)
(鷲)「どうした?客人か?」
心配してくれたのか、鷲さんが来た。
「ああ、はい。ヨモギ餅残ってましたっけ?」
(鷲)「あるけど、ご老体に餅はまずいだろ。ふんわり煎餅があったと思うぞ。」
「ああ、じゃあ、そうします。」
「おじいちゃん、おばあちゃん、とりあえず、お茶でも如何ですか?」
「悪魔宰相!何を企んでいる?」
無視して、小屋に戻り、お茶の準備をする。
白いふんわり煎餅を棚から取り出し、木皿に盛る。
(鷲)「お邪魔するぜ!」
「どうぞ」
パリポリ、ズズズー。
(鷲)「甘くて旨いな。」
鷲さんとティータイム。
「そうですね。生クリームつけてみます?」
(鷲)「良いな。つけたい。」
「はいはい。どうぞ。」
冷蔵庫から生クリームの入った器を持ってくる。
(鷲)「うん‼旨い!」
「そうですね。美味しいです。」
勇者「それ、儂らにもくれないか?」
「良いですよ?先ほど、そう言ったじゃないですか。」
勇者と多分魔法使いは、ヨボヨボと小屋に入ってきて、椅子に座る。
「はい、おしぼり。」
冷たく冷やしたおしぼりを二人に渡す。
「おお、冷たくて気持ちいい!ユリさん。」
「そうですね、ディーン!」
「お部屋の温度も快適!」
「夏なのに、涼しい!」
賢者(自称)のお陰で、クーラーや扇風機、冷蔵庫等の家電製品が小屋には満載で居心地は最高になっている。驚くのも無理はない。
(鷲)「じゃ、俺は行くよ!新しい娘探すんだ。」
「え?あ、行ってらっしゃい!」
鷲は飛び立った。50年たっても、元気だなぁ。
「「ムシャムシャ…旨い!」」
凄い勢いで元勇者一行は、ふんわり煎餅を食べている。緑茶もごくごく飲んでいる。
「「おかわり!」」
「はいはい。」
煎餅と緑茶のおかわりを出すとまた、ガツガツムシャムシャモード。
「「ごちそうさまでした!」」
「はい、お粗末様です。」
「これは礼だ!」
勇者は、赤色のネックレスを机に置いた。
「復活の首飾りだ。」
「え?」
「じゃ、帰ろうか?ユリさん」
「そうですね、ディーン!」
元勇者一行は帰っていった。