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調査団と神のイレギュラー

騎士 リッケル視点


俺はレイド王国のミール辺境伯の騎士だ。

今、辺境伯様からの依頼でここ50年でとても大きくなったアルブランド大森林の一部に踏み込み、調査するように言われたのだ。

「しかし…木が周囲よりでかいでやんすね…ちと先行してきますわ。五分したら帰ってきやすんで」

俺の側で斥候役のハインドがそんな風に驚きつつ、大森林に入っていく。斯く言う俺も驚いているのだが…ってあいつ、俺が許可を出す前に大森林に乗り込みやがった。まぁ良い、どうせ許可出したしな。

因みに、今まで何故調査に来なかったかと言うと、此処が辺境であり、アルブランド大森林自体が大したモンスターや素材がないからである。

こんな事だから我が辺境伯爵領は貧乏なのだ…それに…この大森林を抜けたところで、その先にあるのは人外未踏の大砂漠だ。

ん?何故開拓しないのか?この大森林を開拓しようとした者達はいた。ただ、この大森林、たまにドラゴンが飛んで来るのだ。それも古竜。開拓しようとすれば古竜に襲われる。そんなところに開拓者が来るわけもない。

なんとかしようと辺境伯爵様がSランクハンターに古竜を倒すように依頼をしたが、敢え無く返り討ち。そのSランクハンターは亡くなった…

そんなことがあってからは我が領にハンターが立ち寄ることも極僅かとなってしまった。

そんなことがあったために、辺境伯様はどうも臆病になってしまい、森の一部がどんどん大きくなっていくのに、

「古竜に襲われるから森の調査になど出せん。我が領はもう余裕はないのだ。それに、ここで兵を動かせばバーン公爵が何をして来るかわからん…あのSランクハンターが返り討ちにあってから我が領に嫌がらせして来る…だから我が領を、お主達には守ってもらわんといかんのだ」

と言って調査になど出られなかったのだ。だか、辺境伯様がベーゼ坊ちゃんに代替わりしてから、数年で調査許可が降りた。…ベーゼ坊ちゃんはバーン公爵とは和解したと言っていた。正直怪しいが…俺は坊ちゃんを信じる事にした。

っと、無駄話がすぎたな…それにしても、ハインドがまだ帰って来ない…あいつは優秀な斥候だ。早々にヘマするやつではないはずなのだが…まぁ、まだ3分だ。あと2分待とう。


約束の五分たってもハインドは戻らなかった。これは…ハインドはやられたと考えた方がいいだろう。惜しい奴を無くした。だが、悲しんでばかりではいられない。

「ハインドが帰って来ない。だが、我々はこれよりアルブランド大森林に踏み込む。途中ハインドを見つければ救出を。いくぞ」

「「「「「ハッ」」」」」



おかしい…ここ50年でこんな化け物の巣窟になっているとは…

俺たちは大森林に踏み込んだのだが… そこで見たものは、とてつもなく硬く重い果実を飛ばしてきたり、落としてくる木だったり…歩く巨大な種だったりした。

「ここはいつの間に植物系モンスターの巣窟になっていたのだ…」

「隊長、ここ50年の間ですよ…」

「ははは、でも、良かったじゃないですか。植物系素材の宝庫ですよ。ここは。これで我が領が貧乏だとか言われない様になりますね」

部下達がが軽口を叩けるぶん、まだ余裕の様だ。しかし…ハインドが、この程度でやられるとは思えん…


しばらく歩くと地面からハインドの物と思わしきブーツが落ちていた。

「これは…ハインドの物か?」

「その様ですね…ここから先は気を付けた方がいいでしょう…ハインドがここでやられたとなると……数人は引き返し、ベーゼ坊ちゃんに報告させましょう。全滅は避けるべきです。」

部下の1人が撤退を進言してきた。此奴は確か…タージュだったな。いい判断能力だ。此奴は帰らすか…この先失うのが怖い。

「そうか、なら、タージュ、お前を隊長とした帰還部隊を編成する。五分の休憩だ。ただし、警戒は怠らるなよ。」

「「「「ハッ」」」」


タージュ達を帰らせ、俺たちは先に進む事にした。しかし、気づかぬうちに1人1人部下達が姿を消している。これはどういう事だろうか…なんとも不気味だ…


神視点

「フーンフーンフフフーん

さてさて、あの異世界にミスって送っちゃったドライアドはどうなってるかなー?………え?ナニコレ…僕侵食と支配なんてあのドライアドには付けてないよ…これ、どういう事?しかもエラーが起こってる…膨大な耐久力を木の一本一本が共有してる…これじゃ、この森を壊すことがほぼ不可能になってる…それに植物改造のスキルがパッシブ化してるし…あれ?これは…促成栽培とリンクしてパッシブ化してるのか…これは僕のミスだな…こいつに関しては僕はミスを連発してる気がする……いいや、これはこれで面白い。そういや、ドライアドの元いた世界にはダンジョン系の物語とかあったなー。破壊がほぼ不可能で、モンスターが次々襲いかかってくるってやつ。破壊がほぼ不可能ってのが今まで出来なかったけどこういう風にすれば出来るのかー。なら、ちょっと弄ってダンジョン機能なんて作るかー」


こうして神はダンジョン機能のシステムを創り出したのであった。


再び騎士リッケル視点


……ついに俺1人になってしまった…

くそ…それに…植物系モンスターが次々襲いかかってくる。これでは…

俺は 雑念を振り払う様に剣を振るう。しかし、急に体が動かなくなった…何故だ…よく見ると鎧に小さな穴が空いていた。その穴から緑色の液体…おそらく毒…が溢れている。

…くそ、意識が霞む…そんな俺が…こ…んな…とこ、ろで…


騎士リッケルが最後に見た景色は、自分の体が音もなく地面に呑まれていくものであった。

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