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駄文

作者: 長井瑞希

近年稀に見る駄作。本当に暇な人向け?

「つ、付き合ってください!」

「……ごめんっ」

「あっ……」

 呆然としているであろう女の子を後ろに置き去りにして逃げる。

 かわいかった。性格も悪くない。むしろよくできた娘だと評判だ。

 でも……。

「ボクは、女だーー!!」

 同性と付き合うことは、ボクにはできなかったんだ。


「なんで、同性にモテてしまうのだろう……」

 ……いやまぁ、理由は明確なのだけれど。

 自分を客観的にみれば、どこからどうみようとイケメンにしか見えないのだ。

「……でもまぁ、夢の為だし、なぁ……」

 唯一女っぽい部分があるとすれば、この長い髪だろう。

 必要最低限の手入れはしているものの、同年代の女の子がやるようなおしゃれのための手入れはしていない。作業の邪魔になるし、いつもポニーテールという、代わり映えしない髪型。

 胸は……どうなんだろう。普通のそれより大きいのか小さいのか……。

 いずれにしても、ボクにとってはいらないものばかりだ。

 にもかかわらず、髪を伸ばしていたりするのは、雇い主がそうしろと言ったからだ。

 さて、ここらでボクの夢を紹介しておこう。ボクの夢はズバリ、執事になることだ。

 小さいころから今の雇い主と交流があったボクは、メイドや執事といった使用人も間近で見てきた。

 執事のことを意識し始めたのは、中学校に上がる前のこと。

 掃除から料理に至るまで、すべてを器用にこなす執事に、ボクは一目惚れしたのだ。

 それからのボクは、執事になるために頑張った。それは、周りの人間がドン引きしていつの間にか友達がいなくなっているくらいに凄かった……らしい。

 というのも、雇い主がそんなボクを見ていられなくなって声をかけてはじめて気づくくらいに、当時のボクは周りが見えていなかったのだ。

 で、なぜボクが同性に告白されたのか。イケメンに見えるのも確かにその一因ーー実際今は執事服を着ているーーだ。

 でも、それが最大の理由かと問われれば答えは否である。

 ここで、ボクの雇い主について少し紹介しよう。

 困ったことに、ボクと雇い主はいわゆる幼なじみで、それゆえか無茶ぶりをよくする。

 例えば、この現状もそうだ。

 ボクは執事になりたくて、雇ってくれと言ったのに、あろうことか自分と同じ学校に通ったら考えてやると、そういったのだ。

 雇い主の性別は女。そして彼女の通っている学校とは……女子校だったのだ。

 女子校。執事とは対極に位置するものだ。けれど、雇い主には逆らえず、こうして執事服で通って、結果同性にモテるという奇妙な現象が起きている。

 確かに執事になりたいとは言ったし執事は男の人が多いけど、別に完全に男になったわけでもない。むしろそうだったら怖い。

 ボクは普通に男の人が好きなはず。ノーマル。百合ではない。……きっと。

 っと、話が脱線してしまったかな?

 というわけで、まぁ執事は素晴らしいものだということだ。

 今はまだ、一人前の執事とは言えないけれど、いつしか誰からも執事と認められる、そんな真の執事になりたいと、ボクは思う。


 続かない。

風呂敷がたためなくなったいい例だと思う。次こそは完璧な男装執事を……!

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