メイドロボ
「メイドロボに起こされたい。旦那様、起きて!と」
「はい」
「ついでに、中々起きなかったらエロく起こされたいかな」
「なるほど」
「熱を測ってくれたり、俺の事を心配してくれて、たまに厳しく叱ってくれたり」
「ふむふむ」
「後はドジっ娘がいいかもしれない」
「ドジ……どういう意味なんですかね」
「たまに失敗しながらごめんなさいご主人様ぁ、みたいな感じかな」
「なるほどなるほど。解りました、お任せください」
無粋なフォルムに必要な機能だけを詰め込んだ機能美に特化した機械が完成した。
覚醒機械が動作している。ベッドに仕組まれた電流装置が作動する。
少しずつ電流を強めて起こすのだ。
ベッド自身もモーター音と共にゆさゆさと揺れる。
「旦那様起きて!旦那様起きて!」
電流を段々強くするが、起きそうな気配は無い。
装置からの声は声優からメイドらしいメイドの声が選ばれている。
「旦那様起きて!旦那様起きて!早くしないとえっちな悪戯しちゃうよぉ!」
覚醒機械からTCP/IPでイベントが飛ぶ。受信した性欲処理機械が稼動を始める。
そっと主の寝巻きのパジャマを剥ぎ取り、主へ稼動するオナホアタッチメントを装着する。
ゼリー状のローション液を混ぜ込み、主の下半身へと向かう。
数十分動き続けた結果、体液を確認して、オナホ機械はすっと下がった。
「お食事の用意が出来ていますよ」
可愛らしい声優の声が流れる。30分経過後、ロボットは全く食べていない主に
「もう、好き嫌いは許しません!」と発声して、お仕置きロボットを起動させる。
ペチーン、ペチーン。
お尻をリズミカルに叩く機械。別のセンサーが旦那様の体温に異常を感知した。
「きゃっ、旦那様、熱があるじゃないですか!すぐ病院へ搬送します!」
搬送エレベータで医者の元へと届けられる。
「……」
医者が嫌そうな顔で搬送されてきた死体を見やる。
下半身からは真っ赤な血が流れていた。
「感電死しておるな」
「きゃー、私ってば、本当にドジ!死なない程度の電流の加減を間違えちゃった、てへぺろー」
「……」
無骨なメイドロボは、「旦那様を暖めてください!37度くらいに!」と言った。
体温検知センサーは三十四度から三十七度の間だから、と。
医者は死体を大型電子レンジの中に入れてスイッチを入れる。
五分ほど動いて、ホカホカになった死体が三十七度程度まで下がった所で、できたよ、と伝えると
メイドロボは、嬉しそうにありがとうございました!とお礼を言った。
ウィンウィンと稼動しホカホカの死体を機械内部へ積み込む。
「お大事に」
嬉しそうにロボットが出て行くのを、医者はじっと眺めていた。