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カシカ2 エジプトの朝  作者: 丸三角死角
15/20

決意の朝

その日の夜も私は前世の赤ちゃんの夢を見た。


「どこ、どこ...」


彼女は私のことを探し回ってた。やっぱり私がなんとかしないと。


翌朝、良い香りで目が覚めた。レイラがスープをいれてくれていたのだ。


朝日が空気の澄んだエジプトの街を照らし、まるで街全体が黄金の光を放っているようだった。中東の香りに素晴らしい景色。とても爽快な朝。


うまくいかないかもしれないという心配もあったが、助けになれるかもしれないという充実感の方がまさっていた。


支度を済ませて三人で博物館へ向かう。入場券を受け取り、あの絵の元へ。


良かった、まだあった。三人で絵の前に並んだ。そしてレイラが口を開いた。


「私たちはここでお役御免。あとはあなたがやるのよ」


ジャスティンも続いた。


「大丈夫、君は一人じゃない」


私は「ありがとう」と言い、一歩前に踏み出した。そして絵を見て一度息を深く吸い込み、話しかけた。


「この花、あなたのために持ってきたのよ。あなたが私の赤ちゃんだったって本当?私のことを探していたって本当?...でももう大丈夫、私ここにいるから」


そう言うと、私は急に激しい吐き気を模様して倒れこんだ。瞼を強く閉じ、頭を両手でおさえた。あまりの気分の悪さに嗚咽した。

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