決意の朝
その日の夜も私は前世の赤ちゃんの夢を見た。
「どこ、どこ...」
彼女は私のことを探し回ってた。やっぱり私がなんとかしないと。
翌朝、良い香りで目が覚めた。レイラがスープをいれてくれていたのだ。
朝日が空気の澄んだエジプトの街を照らし、まるで街全体が黄金の光を放っているようだった。中東の香りに素晴らしい景色。とても爽快な朝。
うまくいかないかもしれないという心配もあったが、助けになれるかもしれないという充実感の方がまさっていた。
支度を済ませて三人で博物館へ向かう。入場券を受け取り、あの絵の元へ。
良かった、まだあった。三人で絵の前に並んだ。そしてレイラが口を開いた。
「私たちはここでお役御免。あとはあなたがやるのよ」
ジャスティンも続いた。
「大丈夫、君は一人じゃない」
私は「ありがとう」と言い、一歩前に踏み出した。そして絵を見て一度息を深く吸い込み、話しかけた。
「この花、あなたのために持ってきたのよ。あなたが私の赤ちゃんだったって本当?私のことを探していたって本当?...でももう大丈夫、私ここにいるから」
そう言うと、私は急に激しい吐き気を模様して倒れこんだ。瞼を強く閉じ、頭を両手でおさえた。あまりの気分の悪さに嗚咽した。




