クイーンマンドラゴラ
アッという間に4000PV・・・これは夢なんでしょうか?
そこに現れた花型のモンスターを視認した瞬間、俺たちの脳は非常警報を鳴らす。なぜなら、そこに現れた花型のモンスターは・・・
「く、クイーンマンドラゴラ・・・」
そう、クイーンマンドラゴラだったのだ。俺たちはすでに敵にロックオンされているため、逃走を図るのは難しそうだ。そうなると、おのずと一つしかない解決策に考え至る。
そう《戦闘し、勝利すること》だ。
俺たちはまるで脳が連結しているかのように、同じ考えに至り、そして、それぞれが自分の役割を理解する。
「うぉぉぉぉ!」
まず隼人が槍を持って突っ込んでいく。が、触手に阻まれ、大したダメージを与えられない。しかし、その間に後ろに回り込んでいた俺が剣を振りかぶる。
「《五月雨》!」
五月雨は俺がマンドラゴラを倒し手レベルアップをした時に覚えた技のうちの一つだ。しかしクイーンマンドラゴラとのレベル差では大したダメージは与えられなかったが、確かに目に見えて体力が削れたのがわかる。俺は、何とかなるかも、という根拠もあまりない希望を持った。
しかし、そこにはこちらに向かって触手を振りかぶったクイーンマンドラゴラがいた。技の後の硬直で静止している俺の体を吹っ飛ばす。
ただの攻撃なのに俺の体力が半分以上減っているのがわかる。
「《ヒール》!」
後方支援役の弥生が回復魔法をかける。俺の体力バーは再び安全圏の緑色に戻る。
「へ、へへへ・・・おもしろいじゃねーか!」
「まったくその通りだな!」
俺と隼人が交互に攻撃を浴びせながらクイーンマンドラゴラの攻撃を捌く。それでも捌ききれなかった攻撃で受けたダメージを弥生が回復する。
「なんとかここまできたな・・・」
「ああ・・・」
俺たちは何とかクイーンマンドラゴラの体力バーを赤にするところまではできた。しかし、それとほぼ同時に弥生のMPがほぼなくなってしまったのだ。
(どうする・・・)
俺は何とか一撃でマンドラゴラを倒す策を考えていた。そうしないと誰かが必ずゲームオーバーしてしまう、そんな気がしていたからだ。
(なにか、何か策は・・・な、いや、あるぞ一つだけ策が!)
俺はマンドラゴラの弱点を思い出した。
(確かマンドラゴラの弱点は火、氷のはずだ。だが、これで本当に倒せるのか?・・・いや、迷っている暇はない、今はやるしかないんだ!)
俺は心の中で決心を決め、ある魔法を発動する。
「付属魔法、《炎の誓い》!」
俺がそう言うと、俺の剣に炎の渦が纏わりつき、炎の剣とかした。
「《五月雨》!」
俺は現時点で最強で、最もクイーンマンドラゴラに有効であろう攻撃を畳み込む。
クイーンマンドラゴラの体力は一ドットずつ削れていき・・・・・・やがてHPバーが消滅した。それは、俺がクイーンマンドラゴラを倒したあかしだった。
クイーンマンドラゴラはグギャー!!という咆哮とともにポリゴン片となって消滅する。
(何とか倒せたのか?)
俺は両手を振って喜ぶ・・・様なことはしないで、緊張の糸が切れたからなのか、その場にへたり込む。後ろを見れば二人も同じようにへたり込んでいた。
「や、やったんだよね?」
「ああ、倒したんだよ、俺たちで・・・」
弥生の控えめな問いに俺も同じような控えめな、しかしはっきりと断言するような言葉を選んで答える」
「そっか、倒したんだねあたしたち」
「ああ、そうだとも、おれたちがたおしたんだ!うぉぉぉおおお!」
隼人は興奮しているのか謎の雄たけびを上げる。それを見て俺と弥生は声を上げ笑う。さらにそれにつられた隼人も声をあげて笑った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういえばクイーンマンドラゴラを倒したことでレベルが上がったみたいだな」
俺たちは帰路につきながらドロップアイテムなどについて話していた。ちなみにドロップしたのは《大魔草のダガー》と《力の実》というアイテムだった。大魔草のダガーは短剣使いである弥生にあげた。先ほど装備してみて「すごい!なんかよくわからないけどとにかくすごいよ!」とは彼女の弁である。
さて、話を戻そうか。
「そういえば確かにレベルアップしてたみたいだな。よし、確認してみるか」
そう言い、隼人はメニューから自分のステータスを確認する。
「な、なんじゃこりゃー!」
俺と弥生は隼人のステータス画面を確認する。するとそこには、
hayato:レベル67
という、ゲームに閉じ込められて2日目にしてはあり得ないレベルが表記されていた。
さすがに67はいきすぎたかな(笑)
よろしければ感想やご意見をください。できる限り指摘されたところは直していきたいと思います。