クエスト受諾
もうすぐpvが2000を超えそうです。
「私を零矢君たちのパーティに入れてほしいの!」
そう言われた瞬間、俺は一瞬思考が止まった。
「あの、だめかな・・・?」
う、その上目遣いは反則だろ。
「い、いや、ダメとかじゃなくてだな、その・・・君にはもっと他の強いパーティの方がいいと思うんだけど・・・」
「そんなの、私が決めることよ!それに、まだ会ってから全然時間は経ってないけど、私はこのパーティに入りたい・・・ううん、入りたいって思わせる何かを零矢君たちから感じたの!」
そんなこと言われても・・・
「いいじゃねぇか、零矢。ちょうど後方支援系の仲間が欲しかったところだしよ!」
「まあ、隼人がいいって言うならいいか。じゃあ弥生、君とパーティを組ませてもらうよ」
「うん、よろしくね!」
だからその笑顔は反則だろ!
「じゃあ、とりあえずフレンド登録とパーティ申請をして・・・っと。よし、これでOKだな。俺たちは、今日のところはもう街に戻るつもりだけど、弥生はどうするんだ?」
「私も疲れたから街に帰るよ」
「じゃあ帰りますか。ところで弥生はどこの宿に泊まるつもりなんだ?」
「私は『ウインベール』っていう宿屋を予約してるんだけど・・・」
「なんだ、俺たちと同じじゃないか。これなら、明日すぐに出発できそうだな」
その後も俺たちは、弥生のことや俺たちのこと、このゲームのことについて話しながら宿屋に戻った。
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「じゃあ、また明日、八時にこの宿屋の食堂に集合な」
「OK」「わかったわ」
隼人と弥生は了承の返事を返す。
「それじゃ、お休み」
俺は自分の泊まる部屋に入って扉を閉める。
「ふう、さすがに疲れたな」
俺は、早速ベッドに入る。
すると、現実世界での嫌な記憶がよみがえってくる。
「・・・ッツ!」
俺は頭を大きく振ってその記憶を追い出す。しかし、どれだけ頭を振ってもその記憶は出て行ってはくれない。
「寝るか・・・」
俺はそれを追い出すことを諦めてさっさと寝てしまおうと考える。が、やはり眠れない。
結局俺が眠りにつくことができたのは一時間も後の話だ。
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「よし、そろってるな」
俺が起きて下に降りるとすでに二人とも降りてきていた。
「遅いぜ零矢!」
「そうよ」
「そんなこと言われても時間には間にあってるし・・・」
俺が下に降りたのは7時46分。ということは、二人は集合時間の15分以上前に来ていたということだ。
「まあいいわ。早く朝ごはんを食べて冒険に出かけましょ」
「そうだな」
俺たちは四人がけのテーブルにつき、NPCの従業員に朝食の用意を頼む。すると、10秒もかからずおいしそうなパンにスクランブルエッグ、ブラックコーヒーを用意してくれる。
俺たちは、早さについては昨日の夕食で知っていたので、つっこまない。
俺は、とりあえずブラックコーヒーを一口、口に含む。
「ずずっ・・・うん、うまいな」
「パンもうまいぜ!」
「スクランブルエッグもなかなかよ」
俺たちはゲームの中とは思えない、おいしい朝食を心行くまで味わった。
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「とりあえず、今日の分の宿もとったし、行きますか」
俺たちは『ウインベール』を後にし、広場に向かう。
「なあ、零矢。いったい広場なんかに来てどうしたんだ?」
「ああ、今日は〈クエスト〉に挑戦してみようと思ってな」
「あれ、クエストって広場で受けられるの?」
弥生がそう尋ねてくる。
「いや、正確には広場にある〈クエストボード〉からだな」
俺は、説明するより見せた方が早いと、二人を連れて歩き出す。
「これがクエストボードか!」
俺たちの目の前にはかなり巨大な掲示板のようなものがある。これがクエストボードだ。
俺は、とりあえず、俺たちのレベルでもできそうなクエストを探す。
「あ、これなんかいいんじゃないかな」
どうやら、弥生が何かクエストを見つけたようだ。
「どれどれ・・・『マンドラゴラ』10体の討伐か・・・確かにこれならよさそうだな」
俺はそういうと、クエストボードに貼ってある張り紙を一回タッチする。すると、《このクエストを受けますか?》というウィンドウが出てきたので、《YES》を選択する。
「よし、じゃあ行きますか」
俺たちは昨日と同様に初心者の森へ歩いて行った
心理描写って難しいですね・・・