問題発生!
どうも、一人貝です。結構無理やりな展開になってしまいました・・・
「う・・・俺たちはどこに飛ばされたんだ?」
浮遊感がなくなるや否や、俺は急いで辺りを見回す。すると、どうにも俺は一度ここに来た記憶があるようだ。
ここは・・・
「最初に転移した時の広場か?」
そうだ、確かにここは俺たちが最初に転移した時に着いた広場だ。
しかも、どんどん他のプレイヤーたちも転移してくる。
「いったいどうなってるんだ?」
「わからない・・・でも、これだけ大規模にプレイヤーを転移させるんだ、今から何かをします、ってことじゃないか?」
運よく近くに飛ばされた隼人がそう答える。
そして、転移の波が止むと、空から何やら声が聞こえてきた。
『はじめまして、二万人のMJOプレイヤーの皆様』
一気に辺りがざわつき始める。
『私は・・・まあこのゲームのGMです。皆さんは先ほど、原因不明のノイズを感じたと思います。それは、先ほど大規模な停電が起きたためのものです。まあ私が起こしたことなんですがね』
何なんだ?一体こいつは何が言いたい?
『まあ、結局のところ何が言いたいかと言いますと、その停電により、ドレスギアの電源が落ちたのです。するとどうなるか・・・答えは一つ、皆さんの意識はゲーム世界に閉じ込められます』
辺りがより一層ざわつく。
「ふざけんな!そもそもこういうゲーム機には予備電源ってのが積んであったりするもんだろ!」
確かにそうだ。普通ならそういったものが積んであるはずだ。
しかし、GMの答えは違った。
『残念ながら、積んでないんですよ、予備電源。まあこれも私がしたことなんですがね』
なんだと!?
辺りを見ると、驚いているのは俺だけではないようだ。
『今あなたたちの意識はこのゲームの中にあります。しかも、むりやりこのゲームを外したり壊したりした場合、当然意識はドレスギアの中に閉じ込められたままですし、そのようなことが行われた場合は、すぐにあなたたちの意識はメモリーから消去されます』
「じゃ、じゃあ俺たちは一生このゲームに閉じ込められたままなのかよ!」
また誰かがGMに向かって叫ぶ。
『いえ、そういうわけではありませんよ?私が用意する脱出用クエストを全てクリアすれば意識の回路を繋ぎ直しましょう。ただし、当然あなたたちにもリスクは負ってもらいますよ。あなたたちがこのゲームで死んだ場合、ドレスギアの中のメモリーからあなた方の意識を全て消去しますその場合、あなた達は、死にはしませんが、永遠に植物状態の、死んだも同然の余生を過ごしてもらいます』
「なんだよ・・・何でなんだよ!」
「そ、そんな・・・」
「いやぁぁぁーーー!」
「今年受験なのに・・・」
周囲からいろいろな声が聞こえてくる。
正直に言うと、俺も絶望している。だが、それと同じくらいの期待もしている。あんなつまらない世界で生きるよりも、全然面白そうだ。
『それでは失礼します。また何かありましたら私からお伝えさせていただきますよ』
その言葉を最後にGMの声が消えた。声が消えた後には、二万人のMJOプレイヤーの絶望した顔のみが残っていた。いや、俺と、あと隣の隼人も楽しそうな顔をしているから一万九千九百九十八人か・・・
「どうする、零矢」
「決まってんだろ・・・俺たちでこの世界を《攻略》してやろうぜ!」
「やっぱりそう言うと思ってたよ。そうだな、俺たちでこの世界を《攻略》するんだ!」
そう決意を固めると、俺たちは装備を整え、誰より早くこの町を出た。
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