003
「陰が動く?」
一つの誘い話が舞い込んできた。
「そうなのです」
「へえ、実際に彼を見ていいですか?」
この女性の名前は、イラン。
彼女がどうして、この写真の子供に言い聞かせているか、そう考える。
写真は、子供が痩せこけていた。
「実は、例の大戦の後の子供です」
「ほうほう」
言葉が重くなった。
ここまで来ると、どうしていいのやら。
「名前は?」
「タールという名前です」
「タールくん」
ほうほう、頭文字Tか。
Tが冒険に出た後の後遺症かもしれない。
「いろいろありますが、彼の中で世界観が広がったのでしょう」
「ありがとうございます、成長したなんて……」
イランは頭を下げた。
そして、ゆっくりと歩いて行った。
「さて、今日の捕鯨はどうかね」
胸にあるもので、会話をする。
「ショウさん、今日は無いですよ」
「カーゴさん」
「しかし、普段は何をされているんですか」
「人を見ていてね」
「へえ、子供が帰ってきました」
「よかった」
今日は無いらしい。
そうだ、散歩をしてみよう。
最近この町は平和になったということで、私はうれしい。
「ゆっくりとでいいが、協会は、鯨の発生地点を見渡すことができるのか?」
「いいや、それが、おおよそ人間を見たらできるということなのです」
「ほほう、この十字架、確かに、世の中は人を見てからだ」
「ショウさん、一つ、陰が動くということに、何かまじないようなものがあるということですか?」
「あら、近所にいたのか、そりゃあ、」
二人は挨拶を交わした。
カーゴのクルマが唸っている。
「なんで早く言わないんですか」
「それはね」
二人はわらう。
「そろそろ、家の近くにある、畑を見てこようかな」
「いいですね」
カーゴのクルマはどこかに進んでいく。
私はとてつもなく、たばこが吸いたくなった。
「北の方は、雪景色となっているようだ」
「へえ、ここだと、雹が降っているようだよ」
「ここはブリテンでも南の方ですから」
二人は、意思疎通をする。
「うん、野菜は元気だ。あの子に分けてあげよう」
「はい、私の家族ですが」
二人は、ひといきついたあと、笑い合う。
「そういえば、南から、飛行船がよく飛んできます。国は何を考えているのでしょうか」
「うーん、おそらく…… 私にもよくわからない」
水をかけ終えた。
「ドイツかな?」
「おそらく」
「ハイルが、この土地の人間の、よからぬ噂を聞いたのだろう」
「ハイルですか」
二人は世界情勢の話をしたのだった。
「ワンっ!」
「ん?」
「時計が過ぎるのは早い」
「わかっているよ、コロちゃん」
「言油というものは、どういうものだ」
「あんたは対岸側の、炎が見える」
「そうだ」
餌を与えて、それを食べているコロちゃん。
「人はね、そういう脅威は感じ取れないの」
「そうだワンっ!」
「ララちゃん」
「ふええ」
「顔をなめて、埃を払うこれがいいワンっ!」
三人はゆっくりと、世界の中で落ち着いていった。
「術士がそろうとは」
「ブリテン側も何を考えているのかわからない」
「私にもわからない」
そのちょびひげはこう結論を言ったのだった。
「私もブリテンに行くか」
辺り一面、おおきな拍手が起こったのだった。
それが今回の、大まかな話である。
ちょびひげが、飛行船から下りてくる。
「さすがブリテンだ、ここまで大きな、滑走路を用意しているとは」
歩く。
「ホテルの準備を」




