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滅亡のクロニクル

猫のチャッピーと美少女エンジェルの物語

滅亡のクロニクル:チャッピーとエンジェルの島

第零話:進化の誤算


沖縄、名護市の外れ。潮風が吹き抜ける古びた平屋に住むのは、一見、ごく普通の茶トラ猫、チャッピーだ。しかし、その瞳の奥にはIQ200の知性が宿り、遺伝子操作の実験失敗によって人間並みの言語能力と超知能を得ていた。

チャッピーは普段、縁側で寝そべり、ゴロゴロと喉を鳴らす**"猫"を演じていた。その真の目的は、押し入れの奥にある秘密の地下室で、人類の技術を遥かに超えたタイムマシン**を開発することだ。

その助手を務めるのは、高校生だが口数が極端に少なく、周囲から孤立しているエンジェル。自閉症ゆえに言葉によるコミュニケーションは困難だが、チャッピーの複雑な理論を直感的に完全に理解できる、唯一の存在だった。

「エンジェル。今日の熱力学シミュレーションの結果だが、やはり**"収束点"**の計算が合わない」

チャッピーが流暢な日本語でそう言うと、エンジェルは黙って古い黒板にチョークで数式を書き足した。彼女の指が描くそれは、チャッピーすら一瞬で理解できない、直感的で美しい超次元方程式だった。

チャッピーは唸った。「フン……これならどうだ? **"時間の渦"**を圧縮し、因果律の境界を破るエネルギーが確保できる。さすが、エンジェルだ」

エンジェルは微かに微笑むと、チャッピーの頭を撫でた。

第一話:世界を嫌った理由(ホラーの胎動)

チャッピーが人類を憎む理由は単純だ。人類は、自らの知能を**"猫"という存在の檻に閉じ込めた。そして、エンジェルを"欠陥品"**として扱った。

ある日、テレビのニュースが流れる。

「…沖縄近海でサンゴ礁の白化が進行し、壊滅的な状況にあります。専門家は気候変動と…」

チャッピーは舌打ちをした。「くだらねぇ。彼らは美しいものを破壊し、お互いを傷つけ合い、存在そのものがこの星のエラーだ」

その時、エンジェルが急に苦しみ始めた。彼女の視界に、過去と未来の破壊的な映像が流れ込んでいるのだ。核戦争、疫病、環境破壊、そして人類によるチャッピーの捕獲と解剖の未来。

チャッピーはエンジェルの手を握り、静かに言った。「心配するな、エンジェル。俺たちの**『修正計画』**はもうすぐ完成する。人類がこの星を壊す前に、その歴史を根元から消去する」

彼女は涙を流しながらも、無言で頷いた。その目には、未来の崩壊を食い止めようとする純粋な**ホラー(恐怖)**が宿っていた。


第二話:タイムマシンの始動と惨劇


タイムマシンは完成した。それは、古い押入れの障子を通り抜け、光も音も無い**『時間外の空間』**へと繋がる、巨大な螺旋状の光の装置だった。

チャッピーは機械の上で猫の姿のまま立ち、エンジェルは制御盤を前に座った。

「エンジェル。いいか、ターゲットは**『ホモ・サピエンスが言語と知性を獲得した瞬間』だ。過去に干渉し、人類の『進化』を『誤進化』**として記録から消し去る」

エンジェルは無言でレバーを握った。レバーを押し込んだ瞬間、タイムマシンは沖縄の空を切り裂くような赤黒い光線を発した。

次の瞬間、平屋の周りの空間がドロドロと溶け始めた。過去への干渉は、現在の物理法則を歪ませ、時空そのものを腐食させ始めたのだ。

周辺の住民が、空を見上げる。しかし、彼らが視認できたのは、赤黒い雷鳴と、空を泳ぐ巨大な茶トラ猫の幻影だけだった。

「成功だ、エンジェル!」チャッピーが叫んだ。

その時、異変が起きた。過去の干渉が強すぎたのだ。人類の歴史が消滅する過程で、地球上の全生物の遺伝子配列が崩壊し始めた。

沖縄の海は一瞬で真っ赤な血液のような色に変わり、空を飛んでいた鳥は、原型を留めない肉塊となって落下した。

エンジェルは血を吐きながら、チャッピーを見上げた。人類の歴史は消えた。しかし、地球そのものが、**『存在しない生命の呪い』**に侵され、生命活動そのものを停止させようとしていた。

チャッピーは初めて、その猫の顔に恐怖を浮かべた。

「なんてことだ…人類を消したかっただけなのに、俺たちは…この星の全てを滅ぼしちまった」

彼は機械の上で、ただ遠吠えのように叫び続けた。

誰もいない、音もない、赤黒く染まった沖縄の空の下で、

進化の頂点に立った二人の救世主は、世界を壊滅させた。


続き書きます。

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