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かつて花だった乙女たちは願いのために華麗に舞う  作者: 紫雲 橙
【水】

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13/13

「さて、これで参加者はすべてそろった。今回も、また始まる。この戦いに終わりなどは存在しない。最後に花弁をつかむものが現れ世界が再構築されるまで続いていく。今回もオレはどこにつく気もないのだがな」

「それでも契約はするんだね」

「当たり前。なぜなら、戦華乙女は契約しないと力を得られないからな」

「そうなんだ。まあ、タンポポが気のすむまでいてあげるよ」

「うちの主は自由で助かるよ。おかげでオレも自由に動ける」


 栗色の長い髪で少々外はねがあり黒色のスーツを着たものと、黒く長い髪をハーフアップにし、白いシャツの上から黄緑色のカーディガンを羽織り黒色のスカートを履いた女性がそこにはいる。

 その二人は、ある山の上で街を見下ろしている。

 正確にいうのであれば、一人と戦華乙女である。


「私は別に興味がないだけだよ。何に対してもそんなに興味がないだけ。だからあなたが勝っても負けてもどうでもいい」

「オレは勝ち負けに参加するわけではないけれどな。誰が勝とうが負けようがオレは続くのだから」

 

タンポポと呼ばれたものが愁いを帯びた表情をしている。

 中立という役を持った彼女は均衡を保ち続けるため変わらない。

 彼女だけは何度も虹花戦争に参加しなければならない。彼女だけは、戦華乙女として生まれた瞬間から運命が決まっていた。彼女はその運命から逃れられない。

 前回の虹花戦争の終わりも彼女は覚えているのだ。自分がいつ倒れたのかも、その時の状況全て彼女の脳裏にこびりついている。

 そして、彼女はいつも別の人間と契約する。前の主のことを忘れることはないまま彼女は積もらせていく。

 

「ふーん、まあいいよ。好きにしとけばそれでいい。私の邪魔しないならそれでいいよ」

「うちの主はいつも何かに追われてるね」

「私は私でやりたいことがあるだけ。夢とかじゃないけどね」

「主のやりたいことを尊重するのもオレの仕事だ。何があっても守ってみせよう」

「それで勝手にくたばるとかしないでよ。関わった以上、あなたがいなくなったら私の中でもやもやが残るんだから」

「あれ、何に対しても興味ないのでは?」


 タンポポがからかうように笑って見せる。

 何にも興味がないと言っていた主が自分のことでは動揺しそうなことが嬉しかったのだ。

 そんなタンポポの言葉に女性はなんてことないように、タンポポの眼を見て表情を変えずにただ一言。


「それとこれとは別。契約というのを結んだのだから気にするでしょ」

「今回の主は一番最初の人に似ているなあ。オレはその人のことを真似しているだけに過ぎないが、主は本当に彼みたいだ」

「そうなんだ?まあ、そういうのは後で聞くとして......なんか面倒そうなの来たからどうにかしてね」

「それがオレの仕事なのだからもちろんするよ」

 

 タンポポはそう言って深呼吸をし、目を細めた。

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