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何かが混ざっている。


 私は私が嫌いだ。私は私以外の何者かになりたかった。


 そう云った事を彼に相談すると、彼は私にペットボトルに入った水を差し出した。そのペットボトルのラベルには【胎天水】と記されている。


 彼は云った。


 「この水は、霊力のある山の湧き水なんだ。君にだけは教えてあげるよ。その湧き水は富士の樹海の奥深くにある。その湧き水は少し特殊でね…。」


 彼は人差し指を、唇に添える。


 「他人の記憶が混ざっている…。と云われている。」


 「他人の記憶?」


 「そう。他人の記憶。何故だが解るかな?その湧き水のある場所は、自殺の名所なんだよ。死体から滲み出た水分が混ざっているんだ。」


 と彼は嗤った。


 それから私の瞳を覗く。


 「何かを得る為には何かを捨てなければならない。もし君が生まれ変わりたいのなら、この水をプレゼントするけど…。どうする?」


 私は彼からペットボトルを奪い取ると…。躊躇する事なく飲み干した。

 

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