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渇き
私は渇いている。喉も渇いているし、心も満たされてはいない。薄明かりに照らされた部屋の向こうにウォーターサーバーがある。
【水が飲みたい…。】
フラフラとした足取りでウォーターサーバーへと私は向かう。脱水症状なのだろうか?声が聞こえる気がした。
【?】
何故だろう?ウォーターサーバーから水は出ない。喉が渇いている。水が飲みたい。イライラとした感情が心の奥から湧き出てくる。力任せにウォーターサーバーを叩く。叩くけれども何も変わりはしない。
キッチンへと向かい、蛇口を捻る。
然し、蛇口からも水は出なかった。
喉が渇いている。水が飲みたい…。
キッチンのテーブルに見慣れないペットボトルが置いてある事に気付いた。
ラベルには【胎天水】と描かれている。
ペットボトルを手に取ると蓋を開け…。
貪る様に飲み干した。