「分岐」中編
お疲れ様です^^ お疲れの中のこの小説を読もうと選んでくれて、ありがとうございます!絶対に後悔はさせないつもりです!
この小説で貴方に気づきや学びを与えれたら、本当に満足です。ごゆっくりお読み下さい(*^^*)
彼女の声が頭に響いた。
その声が静かに真っ暗な空間だけを残し、消えていく。
するとすぐに頭の中に映像が流れる。
大きな球体がまばらに集まる異様な光景が視界の全てに映される。その球体の中に宇宙の星々がその中で静止していた。そしてその球体の中に吸い込まれるように、視界が球体に近づいていく。まるでそこだけ拡大してるように見える、近づいていくスピードがはやいんだ。そして突然、その視界は球体全体を見下ろす地点に移動した。全体を見せてきてから映像が変わった。
そして次に目にしたのが、地球だった
二つの地球だ。それもまた、数秒見せた後
場面は切り替わった。
次は新聞のようなものが机に開かれ置かれている、その新聞のちょうど真上からの視点だ。その新聞には一つのページが、開かれていた。まるで読めと言われているかのようだ。
その新聞は独特な文字で埋め尽くされているのが確認できた、写真のようなものが貼られていて、文字以外は、新聞とまんま同じ。
その文字に違和感を感じたが、なんだっただろうか。何処かで似てるものを見た事があるような気がする。
そしてまた場面は変わるが、前と少し違った。
映像はパニックに陥る人々と何かに祈っている描写が今度は流れてきと思うと、すぐに映画のフィルムのようなものに変わる、祈り、騒ぎ、悩み、それぞれの生活がそのフィルムに写されている。
とても長いフィルムだ、そのフィルムは一本や二本ではなく、数えきれないほどの数存在していた。その数えきれない数の中から2本のフィルムに映像はクローズアップされた。そこに違和感を感じた。一本のフィルムが途中で違うフィルムと繋がっていたからだ。
異様だった。フィルムは続いているのに、フィルムが枝分かれして、枝分かれしたフィルムが、他のフィルムに繋がっているのだ。
例えるなら梯子のようだ。だが珍しい事ではないようだ、他のフィルムも分岐して繋がっていったりしているし、ずっと奥のフィルムもそうらしい。
そのフィルムも至って普通の生活だ。
だが微妙に違和感がある、何故祈ってる描写が多いんだろうか?
見せられる殆どが祈りや悩みを抱えて生活してる描写が多い、笑顔な人のものがないんだ。 ないんじゃない まったくないのだ。
おかしい なんだ 何が起きたんだ
そして突然映像が動き出す、視界が後ろに引っ張られた、しかもかなりのスピードでだ。そのまま後ろに吸い上げられる
吸い上げられた先に見えたのはフィルムの全体像だ。
まぁ、そうだろうとは思ってはいたが
フィルムの一本一本が束になって一つの柱を作っていた、それが、また梯子のように分かれては繋がりを奥まで繰り返している。小さいフィルムと同じ構造だ。何処で終わりなのか見てみたい気持ちはあるが、あまりの膨大さに躊躇せざるおえない。
そんな膨大な広さを誇るが、俺がさっき何処にいたのかは後ろ下がりで見せられていたので分かった。
ちょうど枝分かれしている、付け根付近だ
そう認識し終えたときちょうど良いタイミングで、映像がまた変わった……
あぁ……
フィルムだった部分なのか、どうかは分からない、でも、共通点が二つある、束になっていることと、梯子状に分岐していることだ。
その映像は、思考を置き去りにするほど美しく奇妙だ。怖さと偉大さを両方感じさせられる。
宇宙空間そのものが、重なっているとは。
その見せられる映像に何も考えられずにいた。
流れてくる映像にここまで、感情が持っていかれるとは。いつものように考える力が戻ってくる、それと同時だ。
一つの宇宙に入っていく。
うおぉ。
入った瞬間途轍もない速さで宇宙を一直線に走っていく、まるで星が流星のように、視界の周りを通り抜けていく、いや、俺が流れてるんだ。
….…
そのまま何処にいくのか、何処に向かってるのか、分からないでも、大丈夫な気がした。俺は大丈夫だ。根拠なんて全くないけれど、そうも思った。大丈夫だ、きっと……
そして白い光が視界の中心に滲み出てくる、それはだんだん範囲を拡大していく、白い光が視界を埋め尽くし、俺を飲み込んでいく。
そして
舜一……
ルノンセ……
朝方の夕焼けのような空に、寒くてここち良い風が流れてきた。空気の匂いはとても、とても、懐かしく、ほんとうに、冷たく心をすぅーと撫でてくる。
とても心地良い、心地いいのに、切ない
でも 受け入れる事が 本当に 君たちを
想う事になるんだ 痛みから 切なさから
避けたいから 一緒にいるんじゃない
純粋に 君たちを 想いたいんだ
焦茶の髪の毛を靡かせて、涙ぐんでる彼女
必死に堪えるほど 涙がでてくるんだろう
身に染みるほど 分かる そうだよな
大丈夫 内側に 僕や君はいたんだ
「ルノ…ン……また……あえる?」
あえるよ あえるなんて 無責任な
言葉だ でも 今はそれが とても
大切に感じる
「ああ 会えるよ どんな形でもな」
「う…ぅぅ う…ん 出会えて良かった」
出会えて……良かった……
本当に……ルノン 言葉にできません
どうしたら この気持ちを吐き出せるのか
分からないのです
また、また、会いたい 貴方の存在を感じるだけで良いんです。
きっと貴方は存在したんですよね?
ルノン……ルノン……いいえ
私は決めたんです。
静かだ。外の風の音さえ聞こえない かろうじて聞こえるのは、耳鳴りだけだ。耳鳴りの奥に彼女が、離れていくような感覚を覚える、
気づいたら終わってるんだな。
元の部屋だ、広い空間で、微かな日光が心の中の寂しさに気づかせてくれる、気づけばいつも通りの思考、順調なワケのわからなさ、なんだこれ。
誰の声だったんだろうか、今の体感では数秒な気がして映像の中では十分すぎるほどの時間を過ごした気がする。だてに何年かは体感じゃわからないが、とても長い。そんな気がしたのに
頭の中に誰かの伝えたい事その誰かの人生のビジョンそれが断片的に頭に流れてきた、それは、伝えてくるだけではない、その人物の心の痛みが、心の底から溢れてくる。
気づいたらその痛みに集中していた。
ルノン……ってなんなんだろう。
あまりに断片的に流れる映像と情報に
突然黙り込んだ俺に彼女は
「あの……どうしたんですか?」と俺の顔を覗きこみ目を合わせてくる。
「大丈夫ですか?」
「涙が出ていますよ?」え……
その言葉の意味がすぐにわからず、間が10秒ぐらい開き慌てて頬を触る。
「あ……なん、で?」
俺はそのあと、ガキのように泣きじゃくった、ヒクヒク音出しながらだ、情けないと思いつつも涙が止まらなかった。どうじに泣きたい感情に贖えずに、ながしてしまった。
彼女はそんな俺を、慰めてくれた。
「大丈夫。大丈夫ですよ。大変でしたもんね。いきなりこんなところに来て。」
まぁ、今は体もガキらしいが…
俺は慰められて、そのまま、起きたことを全部話した。映像のこと、なんでかその映像と誰かの心に同調するような感覚。
そしたら、一つずつ教えてくれた。
まるでお母さんだ。不甲斐ない、こんな歳にもなって。歳っていっても子供なんだけどね、何も覚えてないのに、なんでそんな感覚があるんだろうな。
だけど俺は彼女の説明を受け入れる事ができない。本当にそうなのか、確証がないんだ。
今は途轍もなくこわい、正直彼女でさえ、俺はどこかで怖がっているんだ。
そういって甘えているのはどうなのか。
俺は欠点だらけだな、彼女に甘えているのに感謝の気持ちさえ出てこないし、どこかで怖がっているのに、甘えて落ち着いている。
なんともいえねぇな。
お疲れ様です^^
お読みいただき本当にありがとうございます^^