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架空の書き物  作者: 如月瑠宮
とある怪異に纏わる人々の記
7/9

【始まりの御伽話】

 怪異の始まりと言われているのは一人の女神である。女神は親切心から怪我をしていた人間を癒し、村へと帰してやった。村人達は甚く感謝し、女神に供物を奉げたという。話し相手になる年若い女性を奉げた。尤も、それは多くの話にあるような生贄として命を奪うようなやり方ではなく、一年間言葉の通りに話し相手になっていたらしい。彼女らは巫女と呼ばれて大切にされた。役割からか良家の娘の拍付けになっていたようだ。

 穏やかに続けられたそれが変化したのは始まりの時を知っている者が居なくなってからだった。供物は生贄に変化した。切欠は些細な事である。

 もっと、富が欲しい。強欲な願いを叶える術として生贄を奉げれば良いのではないかと思ったのだ。丁度両親を亡くした娘が居た。御影綾子。怪異を始めた娘である。彼女は女神の元へ息も絶え絶えの状態で奉げられた。生贄を見た女神は穢れてしまった。

 そして、綾子はキサラギヒメに変貌を遂げる。村人達に切り落とされた筈の腕は男よりも逞しく、抉られた目に代わって真っ赤な複眼が現れた。綾子は自分をこんな目に合わせた者達を屠った。蹂躙が終わると綾子は静かになり、彼女の妹によって幽閉されたらしい。

 何とか死を免れた者達には女神からの呪いが降りかかる。


『今後、御影の娘に我が力を与える』

『娘は鬼姫キサラギヒメとなり、愚かなお前達を喰らうだろう』

『御影は我が穢れが祓われるまで滅びぬ』


 恐らく女神は彼らを嫌悪したものの、今までの堅信を覚えていたのだろう。だから、理由を忘れてしまっても必ず穢れを祓えるのだと信じた。そう思いたい。

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