43 寄り道
鉱物ダンジョンがある街に向かって歩く、およそ徒歩では行けない場所だが、暫くはそこを目的に旅をする事に決めた。
本で調べた結果同じ肉ダンジョンや薬草ダンジョン、鉱物ダンジョン等はこの世界に複数存在し全く同じダンジョンではないらしい。
とても広い世界で大陸がいくつもあり、未攻略なダンジョン未発見なダンジョンが複数あるらしいとの事、数多の冒険者、英雄、国が攻略に挑戦しているが最終階層で行けるダンジョンは非常に少ない、ほぼ公式に出ている記録ではないとされていた。
そんなダンジョンの1つをだった3人で攻略したんだと、考えつつ特に感慨は無い、ほぼマユラとシュリのお陰だ、勿論危険な事などしたくもないし怪我などもしたくはないが興味はあるととぼとぼ考えていれば街の入り口周囲は堅牢な石壁に囲まれ入り口も狭めだ、外部からの侵入を防ぐ為だろう、見えて来たので寄ってみる事にした。
「ようこそ、《コーデュス王国》の首都へこの国は初めての入国ですか?」
「…はい」
「入国料4,000ログです、もうじき陛下の誕生祭があるので人が多く宿等は取り辛いので泊まるのであれば少し歩きますが隣街の《メェン》をお勧めします。馬車も出ていますから
「ありがとうございます」
高い…王国の首都だからだろうか、愛想の良い門番の兵士がわざわざ祭りがあるから宿が取りにくいと教えてくれ、街に足を踏み込んだ。
「賑やか…」
街は活気に溢れている、道も舗装され民も笑顔で豊かなのだと分る。
宿は取りづらいという話し、最初から泊まるつもりもなく森に家を出すつもりだった。
遙か先に高く聳える石壁の堅牢な城が見える、守る事に注着目しデザインや優美さはない無骨な城だった。
至る所に青い布が掲げられているの目に入り、風で靡いていた。
「さあさ、まだ布を持ってない旅人のみなさん如何ですか?《コーデュス王国》の王様の祝いの印さー」
露店では青い布が売られている、街の住民達は腕や頭、腰に青い布を巻き歩いていた。
それを横目に適当に歩いていく、人の多さに乗じて物売りが多い立って紐で括った木の板に商品を乗せた子ども達も沢山いる、賑やかな街だ。
「教会で司祭様がお話ししてくれてるよー行こうー」
「お菓子もらえるよー」
「いこ」
元気に走る子ども達、教会…宗教があるのかと思いつつ本屋や布屋、道具屋等に足を運ぼうかと歩き始めた。
「噴水…」
人の流れに沿って歩いて行くと青い布が吊るされた広場、その先には噴水がある円形の広場に到着した。
円形の石の縁、石像は女性の銅像だろうか精巧な造りで祈りを捧げその周囲の石の花々から水が噴き出していた。
石の縁で腰を掛け食事を楽しむ人々、駆けまわる子ども達、声を張る物売り達暫くぼんやりと噴水を眺めていると服の裾を引かれ振り向くと愛想の良い少女がニコニコしていた。
「おにーさん、パンどう?果物もあるよ!」
「……パン1つとこれを下さい」
「はーいありがとうございます」
少女が肩に紐を回して木箱に入れた葉に載せたパンや乾燥させた果物、ミカンのような形の果物を買い500ログコインを渡しておつりを渡そうとする少女に釣りはいらないと言い空いた噴水の縁に腰を掛けて水面を眺めれば中に白い石が敷き詰められていて綺麗な物だった。
「なんだかテーマパークみたい…」
ぽつりと呟く声は誰にも聞こえない、テーマパーク感が強い国、綺麗な国で人は明るく皆ニコニコしているから余計にそう感じた。
少女から買ったパン、一応鑑定に掛けると固いパン:依存性の高い葉が混ぜられている 食べても害はないと出る……溜息を1つ吐きパンを食べるのを止め葉に包んで乾燥させた果物も全て手製のショルダーバッグにしまった。
この国で食事をするのは止めようと心に決め、またふらふらと歩き出す、街並みも綺麗だし人々は皆笑顔だ、良い国とはこういう国だと思う、依存性が高い葉があったとしても酒やタバコ、コーヒーや栄養ドリンクと言った嗜好品の類なのかもしれない。
「あ、すみません」
「おっと、いやこちらもすまない」
道でぶつかっても互いに謝罪し、誰かが困っていれば誰かが手を差し伸べている光景が視界の端々に映る。
祭りで皆ご機嫌なのかもしれない、街を綺麗にホウキで掃く女性、落ちているゴミも無く、物乞いをする者もいない。
良い匂いが漂うスープを売る屋台、少し離れた場所から鑑定すればスープを売る屋台:スープに入った葉は依存性があります 食べても 害が無いですね この周辺で栽培されている物です と国家ぐるみでの栽培なのか栽培が簡単で味も良くて誰も依存性があるとは思っていないのかもしれない。
「…………」
食べ物が売っている屋台や露店は避け、雑貨等が売られている場所へ向かった。
「いらっしゃい、ゆっくり見て行って。お茶を淹れようか…」
「いえ…これを下さい」
人の良い店主が仇になる場合もある、布の店を見ればにこやかな店主がお茶を用意しようとしてくれるのを手早く布を購入し買い物を終わらせる。
「やあ、いらっしゃい。商人かい?」
「はい、このシャツを下さい」
「ああ、ありがとうね」
次は露店の服屋を眺め厚手のシャツを買う、店主は愛想よく高めだが質の良いシャツを売ってくれる。
「これはオマケさ、腕にまいとくと良い」
「…ありがとうございます」
貰ったオマケは街の入り口で売られていた青い布、店主も腕に巻いていて辺に絡まれるのも面倒だと右腕に布を巻いておく事にした。
露店でも質が良い物が売っている、値段も高いが妥当だと思える。
また暫く歩けば屋台で酒が杯で売られている、1杯500ログ…高いとは思わないが少し目を見開く事が起きている、どう見ても子どもだと思える年頃の少年少女達が酒を大人と一緒に飲んでいたのだ…。




