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せかあと!  作者: 花織
1/6

(1)

※これは世界のそのあとでの二次創作です


「ねぇ、ユズ!みてこれ!」

「んー?どうしたのこれ?」


食糧探しの中、ナナが何か見つけたようだった。

食糧かな、と駆け寄るとナナが手に持っていたのは到底食べられそうにないおもちゃだった。


「ほら!おもちゃみたいだよ!持って帰ろ!」

「それだけだったら……いっか。いいよー!」


しっかり者のユズと元気いっぱいのナナ。

これはそんな二人の日常を記した物語である。


「じぇんが……?」

「そう書いてあるね。どう遊ぶんだろ。」


二人は幼くして戦火に巻き込まれたために知らないものばかりだ。このおもちゃについても同様だ。


「ほら、この長い方を縦に乗っけて崩した人の負けー!とかかな!」

「パッケージだともっとちゃんと積まれてるけど……?」

「いいじゃんいいじゃん!遊びは自分で考えるものだよユズ!」

「まあいいけど……やる?」

「やろやろ!」


そうして遊ぶことになった。


「んー……と、ほらユズの番だよ!ほらほらー!じゅーきゅー!」

「えっ制限時間つけんの!?……手震えるよー!……ほら乗っけたよ!」

「さっすがユズ!……えいっ!ほらナナうまいでしょー!」

「はいはいうまいうまい。……ほら、乗っけたよ?」

「おー?ナナちゃんに勝とうとするとはなかなかやりますなー?」

「ほらいいから乗せてみー?」

「えーっ?……っとっと!ああー!」


たった五つ目にして崩れるジェンガ。

遊び方がそもそも違うから当然なのだが説明書が入ってなかったこともあり、二人にはそれが正しい遊び方になりそうだった。


「ほらもう一回!ナナちゃんが負けたままでいるわけにはいかないのです!」

「しょうがないなー。……はい。ナナの番だよ。」

「はーい!……よっと!」

「……はい。ちょっと揺れてるね。」

「あー!ナナずらしたー!ずるいぞー!」

「ユズちゃんは勝てばいいのです!」

「ナナのまねしないのー!……ほらのっけたもん!」

「ナナもやるなぁ……ほら、乗っけたよ。」

「えー?もう無理だよー!ぐらぐらしてるもん!」

「棄権するならまた私の勝ちだぞー?」

「それも無理!ふんっ……はい大丈夫……だよね?ほら!できたよー!」

「ナナはやっぱり手先が器用だね。……っと、あー!」


またしても崩れるジェンガ。

勝ったことに大喜びするナナの横でパッケージを見ながら、やっぱり遊び方違うよなーと思うユズだった。


「やっぱりこれこうやって積んでくんじゃない?だってこの数縦に積むのは無理だし。」


箱の絵の通りに積み上げるユズ。

そんな中頭に?を浮かべているナナ。


「確かにこの数積めたら天井超えちゃうね。やってみる?」

「やらないよ。……こうやって積んだ後に途中を引っこ抜いてこう上に載せる……とか?」

「おー!ユズ頭いいー!」

「じゃあこれで遊んでみる?」

「うん!やってみよ!」


ようやく正しい遊び方をし始める二人。

8歳の頃から二人きりだったユズとナナには何もかもが新鮮だった。

次の遊び方でやりながら話す二人。


「最初は簡単過ぎない?」

「そうだけど……だんだんグラグラしてきたよ?」

「うーん、ここ引っこ抜けるかなー?……普通にできるね。」

「そうだね。多分だんだん難しくなるんだと思うよ?」

「あっ!ここ抜こうとしたけどなんか重くて抜けないー!……えいっ!」


下の方を無理やり引っこ抜いた瞬間崩れるジェンガ。

そういう遊びだから当然なのだが。


「またユズの勝ちじゃんー!」

「ナナに鍛えられてるからね!」

「えへへー、それほどでもー!」

「負けても喜ぶのね……。」


ナナは楽しかったらそれでいいというわかりやすい性格のためにユズにすぐ丸め込まれるのだ。

それを見てまあいっかとユズも思う。

二人はずっと喧嘩もしたことがないほど仲が良かった。

偶然が生んだ組み合わせなのだがまるで仲良し姉妹のように見えた。


「もう一回やろ!次はナナが先ね!」

「分かったから積むの待ってて。」

「早くやりたいなー!まだかなまだかなー。」

「そうやって急かさないの。ほらできたからやるよー!」

「わーい!次こそは勝つからね!じゃあスタート!」


笑いの絶えないアットホームな二人であった。

まあ家にいるから「アットホーム」ではあるのだけれど。


「やっぱり最初はつまんないなー。」

「まあそう言わずにさ、やってみようよ。」

「じゃあこうやって縦に積もうっと!」

「おー、難易度上がったね。じゃあ私もこっちに、と。」

「この上に横棒載せたら綺麗じゃない?」

「そうやってみてもいいよー?」

「……ほら!乗ったよー!」

「ならこっち側にも……っと。」

「ナナもやろー。はい!」

「それでここに横棒置いて、また縦に積むとか?」

「それもいいねー。横でもいいけど。」

「はいっ!できたよー。」

「ユズやるなぁ……ほら、まだまだのせられそうだよ。」

「どこまでできるかやってみよっか。……はい、次ナナね。」

「なんかだんだん怖くなってきたよー!?慎重に、っと。」

「じゃあまた縦にしちゃお!ほら!」

「ナナもなかなかやるなぁ……はい。」

「これ抜けるところ無くなってきたね……はいっ!できた!」

「そろそろまずいかもなー。……あっ!」


下の棒を引っこ抜いた途端崩れるジェンガ。

やっとナナの勝ち。


「わーい!ナナちゃん大勝利なのです!」

「意外と楽しいねこれ。」

「ねー!持って帰って良かったー!」

「ね。ふふ、ナナも楽しそうで良かったよ。」

「めっちゃ楽しいよー!またやろ!ほらほら!」


こうしてその日は夜までジェンガで遊んでいた。

そして次の日もまた次の日も。

暫くは二人の間でジェンガブームが続きそうだった。

何故か最初の縦に積む方が多かったのだが、それはまた別のお話。

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