35 ミナモ
我が家にて待ち構えていたのは、
故郷に居るはずの幼馴染、
ミナモ。
そして今、俺、居間で、床上に正座。
「何か言いたい事は」
むしろ俺の方が聞きたい事が。
「どうして、何も言わずに、逃げ出したのですか」
それに関しては、返す言葉も無し。
「「……」」
無言にて、ひたすら見つめ合う、ふたり。
居間の窓、外からの視線、
「……」×4
流石はチームモノカ、
困っている人は見過ごせない。
って言うか、
見逃して下さいっ。
そして今、俺、モノカ邸の居間で、床上に正座。
ミナモは、チームモノカ一同と、歓談中。
お互い自己紹介も済ませて、
今は、あれやこれやの近況報告兼糾弾会議。
「つまりミナモさんは、シナギさんの本意を聞くために、お一人で、はるばる、こちらまで」
モノカさん、俺に向けるまなざしが、真剣にして辛辣。
「乙女の一人旅、どれほどの困難があったことでしょうっ」
ノルシェさん、実はミナモは俺よりも強いのです。
「こんな素敵な方を故郷に置きざりだなんて、見損ないましたよっ、シナギさん!」
アイネさん、さっき俺が自白させられた事情、ちゃんと聞いてはくれなかったのですか。
「正座を上回る威力を持つ謝罪の方法に土下座という姿勢がある事を、シジミは賢いから提案させていただきますの」
シジミさん、俺がそれを何度も披露した旅先での姿、お忘れですか。
……
マクラさんは、フナエさんに連れられて厨房へと避難済み。
一番頼りになる女神さまがお隠れになられた事により、俺、絶対絶命。
「一言だけ、聞かせてください」
ミナモの、本気顔。
こうなったミナモは、誰にも止められぬ。
「私のことが、嫌い、なのですか」
俺の、答えは、




