34 帰宅
帰りの旅も平穏至極。
無双乙女たちも、わがままひとつ言わずに和やか行脚。
途中の町や村での、ギルド任務や人助け、
事の大小に関わらず、丁寧に解決。
これぞ正に、特使勇者ぶらり旅。
颯爽と旅を進めるチームモノカ一同、
その晴れやかな面持ちに、
何故か誇らしげな、俺。
そして、王都に到着。
ツァイシャ女王様への御報告は、一旦我が家に帰って落ち着いてから。
御報告の儀は、きっとマクラさんにお任せ。
カミスさんたちは、まだジオーネに滞在中とのこと。
落ち着いたら会いに行きましょうと、モノカさんそわそわ。
皆、分かっておりますよ。
距離も時間もなんのその、
強く引かれ合う婚約者たちを、
応援する事こそが仲間の務め。
必ずや、進展させてみせましょう。
などと懸想してる間に、
我が家に、到着。
「ご無事で何より」
お出迎えのフナエさんも、かわらずお元気で。
と言いたいところなのですが、
はて、いつもは冷静沈着なフナエさんの表情が、何故か、妙。
「シナギさんは、御自宅へ、お早く」
催促、されちゃいましたけど。
促されるままに、我が平家の一軒家へ。
鍵が、開いてますね。
さては曲者と、勇んで扉を開けると、
「お帰りなさいませ」
出迎えてくれたのは思いもよらぬ、
って、何故あなたがここにっ。
「ようやく、捕まえました」




