30 チームロイ
とても穏やかな道中、そして、ロイさん宅に到着。
「「ただいまっ」」
満面笑顔の、アイネさんとマクラさん。
「「お世話になります」」
おすまし顔の、モノカさんとノルシェさん。
「初めまして、シナギです。 よろしくお願いします」
緊張顔の、俺。
人見知りは、すぐには、治らないのです。
「ロイです。 長旅、お疲れ様でした。 アリシエラが大変な迷惑をかけたみたいで、申し訳ない」
うむ、なんと言いますか、お父さん、ですね。
モノカさんが憧れる気持ち、とても良く分かります。
「妻のリノアです。 アイネがご迷惑をお掛けしていなければ良いのだけれど」
うむ、この上も無く、お母さん、ですね。
モノカさんがハグの達人とおっしゃっていた理由、ひと目で分かります。
「セシエリアです。 何なりとお申し付け下さい」
うむ、まごう事なき、メイドさん、ですね。
叶うなら、アヤさんと並び立つ姿、拝見したいです。
…………
おや、あとふたりは、どちらに?
「アリシエラは、例の件で反省中、というかお仕置き中なので、今回はお会いできないかと」
はて、モノカさんから伺った話しによれば、ロイ家伝統のお仕置きはお鼻つまみだとか。
もしや鼻が腫れあがる程につままれて、人前には出られないとか。
「ヴァニシアは、恒例の突発山籠もりに出てしまって、多分お会いできないかと」
うむ、モノカさんから伺っていた通りの、豪放偉丈夫っぷり。
出来れば、カミスさんも陥落しかけたというお姿を拝見したかったです。
シジミさんは、ここに着いてから姿を見せません。
どうやら、アリシエラさんと一緒に、お仕置き中、もとい反省中。
「せっかくの機会ですので、出来ればアリシエラさんにもきちんと御挨拶を」
どうでしょう、ロイさん。
「あの娘の暴走が俺たちだけじゃなくて皆さんにまで及ばないよう、この機会にしっかりと言い聞かせたいのですが、シナギさんのお願いとあれば」
ありがとうございます、御主人。




