第九十三話 日常の記憶
二人ともべったりして来ない…
進展無しかぁ…
翌朝、オレは後悔していた…
「ふにゅぅ〜!!」
朝から紅葉がフヌケになっていたのだ、間違いなくあの不用意な一言が原因だろぉ…
弱音を吐くどころか、ただの甘えん坊になってしまったのだ!!しかも幼児化して!!
「はぁい、紅葉ちゃんお着替えしましょぉねぇ。」
「あい、だんなたま。」
何でオレが着替えさせてるんだろ?無邪気だからこそエロさが無いのが救いかも…しかし、均整の取れた見事な体型は芸術的でもあるが…
「だんなたま、はやく、きたてて!!」
オレはどんなスイッチを押したんだ!?
頭を悩ませながら巫女装束を着させると、
「さ、旦那様も早く着替えて朝食にするやよ?それともわっちに着替えさせて欲しいかや?」
あ…服を着たら元に戻った!?
「なんでか、この服を脱いだら弱さが出るやよ…」
間違いない、お風呂での一言が原因だよ…
「勿論、旦那様と二人きりの時だけやよ?」
って…幼児化しないなら良いんだけどなぁ…うん、甘えん坊が進化したんだろぉな…
よし!!自分で撒いた種だ、どぉにかしよう!!
って事で着替えさせて貰って、朝食だな…
紅葉は腕に絡まらず、上着の袖をちょんって持っている。いつもと全く違うので少し戸惑う。
目が合うと頬を染めてそっぽを向く…この可愛いヤツって、なんて生物?
朝食は、なんかオレがポツンで紅葉と椿がイチャイチャしてるんだが…なんなんだ?
ま、いっか…
そして食後、朝から元気な千代ちゃんが来る。
椿と並んで、それぞれ法力の訓練だ。
「今日から少しずつ、外に放出してみるやよ。」
ふむ、オレもそれはかなり経ってからだったが…
「オレの時より早くない?」
「旦那様はあそこまで鍛錬しまくると思わなかったし、忙しかったからほったらかしだったやよ。」
「ほったらかして…」
オレのボヤキは無視されて、二人の特訓は続く、放出の暴走は無い様だ…オレは首に下げてる鈴鹿の牙の勾玉を外してみる…
千代ちゃんからは色んな色が溢れ出ているし、椿からは紫のモヤが…オレをめっちゃ少女漫画風イケメンにした感じのモノが…
オレはあんな風に捉えられてるのか?
椿の美的感覚って…
勾玉を首から下げるとただ、紫の煙がわだかまっている様にしか見えないから不思議だ。
そんな感じで、午前の特訓は終わった。
午後はいつも通り、兵士の訓練だけど、椿と千代ちゃんも参加して来た。
千代ちゃんは棒術で良いとして、椿は体術だけど武器術を学ばせたい。
持ち運びも楽で、怪しまれず…となると、無難な所で剣術かな…
三年もすれば、旅に出るんだから、基礎からみっちりやりましょぉかね。
とは云え、付きっきりにはなれないので、周りもしっかり見て歩く。
阿久良もしっかり汗を流している。鬼化して何か変わった事とか無いか聞いてみるのも良いかな?
稽古も無事終わり、みんながそれぞれの仕事に戻っている時に、
「阿久良!!ちょっと残ってくれ!!」
オレは呼び止めた。
「相引きとか無いなら付き合って欲しいんだが…」
「特に何も…山狩りするくらいですね。」
「そか、ま、茶でも飲んで話そぉ。」
「今日は話してですか?」
「色々聞きたい事があってな…オレの個人の部屋に来てくれ。」
オレは途中ですれ違った女官さんにお茶やお菓子、酒等を頼み、自室へ来た。
ココは瞑想したり、一人になりたい時に使ってる。
紅葉すら立ち入らない聖域だ。
「わざわざ呼び止めて悪かったな、明日の山狩りは付き合ってやるから。」
「はぁ…で、お話とは?」
「ん…少々聞き難い事なんだけど…鬼になる前となってからでどんな違いが有るか…だな、身体の大きさや考え方とか、力や速さ、モノの見え方…些細なことでも良いから教えて貰いたい。」
「なるほど、して、ソレを知り如何されるおつもりで?」
「それは、聞いてからかな?」
「ですか…まぁ、背丈はかなり伸びましたし、身体の重みがかなり増えましたね、身体の線が太くなったのが原因でしょうね。」
「見た目とかは、そんなもんか…モノの見え方はどぉだ?」
「色が判別し難いですね、一瞬では判別出来ませんよ。」
「そんなんで良く山狩りとか出来るな!?」
「動くモノはすごく良く見えますね、そぉそぉ、夜も良く見える様になりましたよ。」
「なるほど…モノを持ったりとかの感覚は?」
「さほど変わりは無いですね。」
「したら…性欲は?」
「なんか強くなってる気が…」
「そりゃ大変だな…誰か良い娘がいれば良いんだが…」
「ソコは、こんなんですからね、なかなか難しいでしょうね。」
「そぉでも無いだろ?お前も知ってるだろ?もう一人の鬼の三吉。」
「はい。何でも死罪を望んでた女と一緒に居るとか?」
「あぁ、百合姫だな。」
「はぁ!?姫!?まさかあのクソヤローの娘の!?」
「そぉそぉ、その百合姫、罰を受けたいって事だったから、三吉の世話をしろって言ったんだ…んで、三吉には彼女が自殺しない様に見張れって言ってあるけど…」
「けど?」
「なんか初々しいんだよな、まだ手も握れない若夫婦ってな感じに見えるよ。」
「なんだその羨ましい状況は!?って…言い含めてる内容が多少違う様なんだが?」
「その方が上手く行くと思ったんだけど…三吉がなかなか朴訥で、姫の方が手を出して欲しいみたいなんだが…なかなかね。」
「オレだったらすぐに手を出してるぞ!?」
「そんなだからそんななんだよ。」
「そぉなのか!?」
「コッチは女のが多いから、お前が受け入れられたら何人か寄って来るだろな。」
「なんとかやってみるよ。」
「その為には午後の稽古に参加し続けるのが良いな。」
鬼対策の一つの目処が立ったかな?目かぁ…
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お時間ありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」もお読みください。




