第八十六話 死の狭間の記憶
走馬灯内で死の淵…なんて器用な…
そりゃぁ…来るよねぇ…
翌朝…
やっぱり死にかけのオレが居た。
道雪の事言えねぇ…
そこまで絞ることないだろ?
いつもやり過ぎなんだよ二人共…競う様に絞るんだもん…一人だったら違ってたのかなぁ?
いや!!道雪なんか一人でも干からびでるぞ!?
って事は…二人共満足してるのか!?
聞くのが怖いんだが…
なんて悶々と考えてたら二人共起きた。
さて今日も頑張りますか!!
朝食後は千代ちゃんがやって来る。うん、尻尾が五本に増えてるね。
この娘も紅葉みたいになるのかな?
「尻尾に栄養が取られるから中々成長出来ないやよ。」
身長を尻尾の所為にしてたっけ?なら椿はどぉする?同じ様な背丈だぞ?
そんな事を考えながら特訓をする二人を見守る。
「鬼だぁ!!鬼が出たぞぉ!!」
三吉か?阿久良か?道雪か?
今この村には三匹の鬼が居る…だが、彼等では無いだろぉ…
「ちょっと行って来る!!」
オレは走って行った。
三匹の鬼が居た…三吉は凛さんを守る様に震えながらも俄然と立っている。凛さんも三吉の邪魔にならない様に三吉の影に居る。
阿久良も野太刀を持っているが、その体格だと普通の太刀だ。
道雪と兵士達が、駆け付けた。
兵士達は午前中は普通に畑仕事とかしている。
三匹の内、一匹は角四本、一匹は三本、もう一匹は一本?
一番多い二本が居ない!?どゆこと?
「四本は任せろ!!」
言って走りながら雷を纏い金棒を持つ鬼に斬りかかる!!雷を纏った千鳥の斬れ味はやはりマトモぢゃ無い…金棒がなますぎりだ。
ただ一つ、身体を思い通りに動かせない…その一点に限る少し力を入れただけで自分が吹っ飛ぶ。コレだけはなぁ…
だから千鳥にだけにしている。
金棒を失った鬼は型も何もない左右の拳だけでの攻撃になるそぉなれば全身に雷を纏い鬼に触れる。
それだけで感電死だ。
四本角の首を落とし、家庭の医学回復が出来ない様にする。
いやぁ、最初のヤツを思い出す。斬っても斬っても唾付けて回復だもんなぁ…
他のヤツ等は?
三本角は道雪を中心に上手く連携して、このまま行けるな…
一本のヤツは…あれ?居ないだと!?
どこだ!?
「ウケケケケ。」
背後から何か声が…
腹から剣が生えた…何か熱い…
「さしもの雷神も見えて無きゃ防げないよなぁ?」
「ぐはっ…」
ヤベっ血ぃ吐いてる!?
コイツ何なんだ!?首を回し、姿を確認する。普通の人間と変わらない大きさに角一本…探してたヤツだ…
刀が腹から消えた。引き抜かれてのだろぉ…
「ぐはっ!?」
地面に手を着いて四つん這いになる。力が入らねぇ…オレはその場に倒れた。
何とかコイツだけは…
「あああああぁ〜!!」
叫び声が聞こえる。
「わっちの旦那様に何してくれてんだぁ!?」
声が聞こえた瞬間、白と赤の塊が、飛んで来た!!そぉ見えた瞬間、一本角は左腕一本で紅葉に持ち上げられ、そのまま首を折られ、泡を吐く。
そのまま地面に叩き付け頭を踏み潰す。
アレぢゃ家庭の医学は無意味だな…
「旦那様しっかり!!お姉様!!旦那様が!!」
「しっかりするやよ!!わっち達を置いて逝くのだけは許さんやよ!!」
「お兄さん…」
可愛い奥さん達と妹に囲まれたまま、オレは意識を手放した。
なんかふわふわしてる…
それが最初に感じた事だ。
「いよぉ!!元気か!?刺されて抉られて元気なワケねぇか…」
誰だよ!?
「おいおい、何とか言えよ、小僧!!」
無茶言うなよ…
「おい、起きろ小僧!!ソレでもオレの子孫かよ?その程度でくたばる程ヤワなのか!?」
はぁ?御先祖様?
「おら!!起きやがれ!!」
髪の毛を引っ張られ無理に起こされる。
アレ?痛くも何ともない…
オレは身体をまさぐり目の前の男を見た。
「アンタ誰?」
「あのなぁ…お前の何代も前の御先祖様だよ。」
「んなアホな、そんなんが生きてるワケねぇぢゃん?」
「あぁ、もう千年以上前に死んだぞ?」
「だったらなんでここに居るんだよ?」
「奥さんに言われて来たんだよ。」
「奥さん?」
「日本での奥さんぢゃ無く、コッチでの奥さんな。鈴鹿御前って知ってっか?」
「知らん!!」
「なんで知らねぇんだよ!?」
「なんでって…ぢゃぁおめぇの名前は!?」
「オレか?聞いて土下座しやがれ!!征夷大将軍、坂上田村麻呂とはワシの事ぢゃぁ!!」
「何か聞いた事ある様な…」
「んな!?その程度か!?ワシの名声ってその程度か!?」
「多分、オレが武術ばっかの生活だったからぢゃね?」
「こんなのがワシの子孫とか…」
男…おっさんは何かがっくり四つん這いになってしまった。
「ん?あっ!!社殿の御神体で見たぞ!!鈴鹿と坂上田村麻呂!!」
オレの声に反応してガバって音がしそうな勢いで立ち上がるおっさん。
「ほらほら!!知ってるんぢゃないか!!ビックリさせやがって!!」
馴れ馴れしく肩を叩かれた。
「でもよぉ、オレは日本で生まれ育ったんだが?なんでアンタの子孫になるんだ?」
「ワシと鈴鹿の娘はワシの親に預けてからこっちに来たんだ、お前はその娘の子孫だな。」
「そんな眉唾を信じろと?」
「別に信じなくても良いが…取り敢えず、コレを渡しておく。」
そぉ言って渡されたのは…勾玉?
「鈴鹿の牙から作られた勾玉だ、身に着けてれば幻術を破るぞ。今回の様な事は無くなるだろ。」
「またそんな眉唾な…」
「オレもお前と同じく幻術に惑わされた事があってな…ソレに見兼ねた鈴鹿に貰った。」
「まぢかよ!?」
「大まぢだ!!お前を刺した様な鬼はたまに日本にも来てたみたいだからなぁ…大嶽丸もその一匹だったんだと、ソレを追って鈴鹿が日本に現れてオレと共に倒した。
ソレから余り日本に影響が出ない様にする為暫く鈴鹿は日本にいて、ワシとの間に娘が出来、その娘は親に預け、ワシ達はこっちに来た。
そして、こっちと日本の穴を封じ、日本には鬼が出なくなった…と思う…まだどっかに穴があるかも知れんがな。
で、この地が最後に封じた土地だ。
鈴鹿の力も弱ってたから不完全だったかも知れん…ソレを鬼が狙って来てるのかもな…世界的に当時は知られていたが、千年以上経てば忘れられてても当然だな。」
「何か壮大な話になったなぁ…」
「いずれ、お前達に再封印して欲しいからな…」
「本気か?」
「かなり本気だ。ま、鬼は昔から人為的に造られてはいたが、何とかなるだろ。お前の奥さんと手を繋いで、社殿に入れば鈴鹿が教えてくれるだろ。」
「んなウソ臭ぇな…」
「ま、一編試してくれ。さて、ワシは船頭を待たせてるから行くぞ。」
「船頭?」
「三途の川の船頭だ。」
「三途の川…あるのかよ…」
「ソレを見たら本格的に死ぬからな?着いて来るなよ?」
「解ったよ、オレもまだ死にたくねぇし…」
「なら後六十年は来るなよ!!」
その頃にはオレの身体が薄くなって来ていた。
「ほら、奥さんに呼ばれてるぞ…」
「そぉなのか?」
「ここで身体が透けるのは、生きてて、意識が戻る前兆だ。またな小僧…」
「あぁ…」
そこでオレの意識は無くなった。
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お時間ありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」もお読みください。




