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第七話 協力した記憶

鬼さん残り二匹

みんな満身創痍で頑張ってたんだよなぁ…




オレが鬼を一匹倒した後に、三重さん達の方を見遣るといつの間にか、鬼が一匹減った事に、三重さんを含め何人かは気付いた様で…


「後、二匹です!!我等ならやれますよ!!」


三重さんの鼓舞する声が響く。

何故一匹減ったのかは解って無い様子である。

自分達がキツい思いをしているのに他を気に出来る状態では無いから、仕方ない。


この状況ならオレが一匹引き付けてその間に、一匹ヤって貰つて更に残りをみんなでってのが確実だろぉ…

オレは、三重さんに進言しに近付く。


「三重さん!!一匹コッチに寄越して下さい!!」


三重さんはオレの存在に今気付き、


「んなっ!?あきつらさん!?何故こんな所に!?」

「そんな事より、一匹なら何とかなるでしょ?その間だけならオレが引き付けられますから急いで!!」

「そ、ソレは…しかし…」


自分達の問題に、年若い他人を巻き込む事を…命の危険が有る事に…許されるのか?

とか思ってんだろなぁ…

強引に

一匹引き付けるか。オレも限界近いから無理せず、引き付けるだけに専念するなら、二十分くらいなら平気だと思う。

その間にみんなに何とかして貰うしか…

そぉと決めれば後は実行あるのみ!!

オレに近い方の鬼に石を投げ付けてヘイトをオレに向けさせる。


「三重さん!!四半時(約三十分)以内に一匹ヤっ付けて加勢して下さいね!!」


返事も聞かず、勝手に策を始める。そぉしないと、狐人族の誇りが邪魔をして、協力なんて出来無いと踏んだからだ。


そして投げた拳大の石が、狙ったヤツの左目を潰す様に当たった。


「ありゃ?狙ったトコと違ったけど結果オーライ?」


左目を意識外から潰された鬼は、怒りの形相でオレを認識し、喰い殺す勢いで向かって来た。


「我が友が一匹引き付けてくれたぞ!!

この間に一匹だけは確実に狩るぞ!!」

「「「「「「うおおぉ〜!!!!!!」」」」」」


三重さんの檄が飛んで狐人族が大きな鬨の声を上げた。

オレが認識出来たのはそこまでで、オレに向かって来た鬼に集中した。


暫く走りみんなから充分離れ、互いの邪魔にならないであろう所で止まる。

余り離れ過ぎるのも悪いからである。

今のオレの役目は、鬼一匹をオレに引き付けておく事。

倒さなくて良いなら何とかなるハズだが…


既に片目になった鬼は、目玉に唾付けて回復をすかと思ったが、潰れた目は回復しないのか、家庭の医学の出番は無い様だ。

オレは此処まで来る間に、落ちていた刀を拾っていた、鬼との戦闘に散った人の持ち物だったのだろぉ、今は有り難く使わせて貰う。


立ち止まって暫く、睨み合いが続いた。

オレの目的は、コイツの足止め。今のままなら充分達成可能だろぉ…

一方鬼は、多分オレの首を御所望なんだろぉなぁ…グルグルグルゥと射殺さんばかりな殺気を放ち、デカい丸太を棍棒の様にしオレに対して振り回している。

あの丸太とこの刀、質量的にも、間合い的にも、かなり不利だが、目的さえ成れば良いので気は楽だ。

アレから数分間、逃げに徹していたからか、鬼は無駄な体力を使い捲ってたし、オレは随分持ち直せた気になっていた。


気が付けばあっちの、爆発音や何かは消えていた。

となると、あと少しだけ持ち堪えればオレの任務は達成である。


だが事件とは、こんな時に起きるものである。

鬼の近くに子供が出て来たのだ!!爆発音が止み、様子を見に来たのだろぉ。

鬼が子供に気付かない事を祈るも叶わず、子供に向かって丸太を振り回そぉとしていた。

オレは咄嗟に子供を庇いに走る!!

結果は子供に丸太が当たる事は無かった。

だがオレの頭は掠められ死ななかったのは運だとさえ思える。

頭…と云うか身体は昼からの疲労も相まって限界が近い予感がする。

そんな時、三重さんの声が聞こえた。


「あきつらさん!!しっかりして下さい!!傷は決して深く無いですよ!!」


周りにもたくさんの狐人族の声が響いていたので、子供の安否だけ確認して、オレは意識を手放した。

死者も出たけど鬼の襲撃イベントは多分終了です。

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