第六話 命を奪った記憶
やっと古武術らしい描写が出て来るかな?
人型の生き物と初めて命の遣り取りをしたんだよなぁ…
地上に戻ったオレは、喧騒の激しい方へ全力で走った。
鬼と呼ばれる化け物にドコまでヤレるか解らないが、力になりたいと思った相手が居るのだ。
知り合った人が…死なせたく無い人が居る、鬼は女性を性欲処理に使うらしい、若かろぉが、歳寄りだろぉが…
そりゃぁ千代ちゃんを隠すわな…本人は意味を知らずに言ってたが…
今回は、理屈ぢゃ無く感情で動いて良いだろ?試したいんだ…オレの人には使うなと止められていた戸次流の業が人外に何処まで通じるか…
現場に着いたが…
うん、コレは…ちと場違いかな?
だって…小規模ながら爆発は起きてるし、火の矢とか、氷の礫とか飛び交ってるし…
…と、考えてたら鬼の一人?一匹?がオレに気付き向かって来た!!
オレの方にあの爆発やら火や氷が来ませんよぉに…と神に祈りつつ鬼を屠りに前に出た。
「ガァ〜!!」
鬼は吠え獲物であるオレを屠ろぉと力任せな単純な腕の振り下ろしをして来た。
舐められたモンである。その程度当たるわけが無い。しかし敢えて受け止めてみよぉと思った…
腕を頭上で交差し上からの攻撃に備えた。十字受けである。
ガヅン!!
大凡生物同士のぶつかった音では無いし、オレの身体にも変化は無い。
鬼はオレが潰れてないのが不思議なのか、
キョトンとしていた。
そんなアホみたいな隙を放ってはおけない!!
ゴヅゥ!!
コレまた生物同士のぶつかったとは思え無い音がする。
真正面から伸び切っている左膝に全体重を乗せた踏み付ける様な蹴りをやってみた。[支柱砕き]だ。
予想に反せず硬くて、人が相手なら曲がらない方向に曲がるのだが…
かなり表面は頑丈だが…コレはどぉだ?
蹴った右足を降ろしながら相手の左側に周ろぉとするも、左腕を振り回し、オレの動きを牽制してくる。
本能だろぉが、中々の反応だ。だからこそ
ソレを利用させて貰う。
今度は真正面から[抜き足]で近付くと、気付いたら懐に入られている状態だ。
本能で動いてるなら…
鬼はまた右腕を振り下ろして来た。今度は先程の様な舐めた振り下ろしでは無い。渾身の振り下ろしだ!!
先程の受け止めが、ブラフとなりこの渾身の振り下ろしを誘えたのだ。
それを右腕でいなしながら相手の右に周りつつ右手首を掴み右膝を地面着いて、左足で相手の右足を引っ掛け平衡を崩し、オレが立ち上がると、鬼はその場で前のめりに回転し、背中から落とす。コレの業名は[水車落とし]と云うが、そぉはさせない。回転を操作し、頭から地面に叩き付けてやる。
すると首だけで全体重を支えられず首が曲がってはならない方向に曲がった!!
ふむ、これは予想外だ。
思わぬ反撃に備えてたんだが、その必要は無さそ…イヤイヤイヤ!!首の骨折れて、何で起き上がるの?しかも両手で挟んで、ゴキゴキ云わせて、はい元通りって…どんな家庭の医学だよ!?
ったく…そっちがその気なら徹底的に壊しちゃる!!
また[抜き足]で近付き、鬼が反応しない内に、今度はコッチが仕掛ける!!
ヘソに左手で、抜き手を入れてやる。[指突]と云う業の一つだ。デカいだけあって、普通は一本抜き手だがコイツには二本突き入れてやった。
しつかり手応えが有り、血も流れ出て来ている。
やはり内臓はそれなりなんだろぉ…さっきの首折れからの復活がおかしいんだ!!生物として。
ほらアイツ既に膝のガクガク?…何でもぉ膝のガクガク止まってんの?指に唾付けてヘソにぬりぬり、唾付けときゃ治るって…ホント誰がやる家庭の医学なんだか…
アレか?即死ぢゃなきゃ家庭の医学で完全回復ってか!?
等と一人でツッコミをしてたら、あんにゃろ石投げて来やがるし…近付くと危ないって学習しやがったな!?
でも残念。近付く方法はまだまだ引き出しが有るんだよ。
飛んで来る石を[抜き足]で全て避けて、[抜き足]を重ねて…ほらもぉオレの動きが認識出来て無いやんか、[暗歩]って歩法だ。
はい、背中がガラ空きですよ。
心臓が有るであろぉ位置に左手を添えて…
「破ぁっ!!」
全身の関節を使って回転力を鬼の体内に捩じ込む。
鬼の穴と云う穴全てから血が流れ出す。
心臓が破裂し、血液が体内に保持出来なくなった証拠だ。
今度こそ家庭の医学は通用しねぇだろな!?
……………暫く待つが動く気配は無い様だ。
流石に奥義を使ったんだ、動かれたら悪夢だったわ…動かねぇよな?
この業、[破臓掌]は使った後少しだけ脱力したり、固まったりで、動けなくなるから使いたく無かったが…
まぁ、三重さん達の助けになったかな?
戸次流奥義の一つが早々と出て来ました。




