第六百一話 お茶の記憶
初めて空を飛んだ人はお漏らしするのか?
驚かれたなぁ…
城に行く面子が、グロー・キマの采配で決められた。
まぁ、グロー・キマと、オレ、護衛の道雪、そして、現クリラーノ総督のシトルガーナ・チャント、捕虜の中で一番偉そぉにしてたヤツの五人だ。
居残り組は、グロー・キマたっての願いで、金四郎に一任されてしまった…いや、確かに有能だよ?でもさ…自分トコの防衛を他国の奉行に一任すな!!
まぁ、オレがダメ出ししても、強引にでもそぉしたんだろぉな…
そして、オレの乗って来た飛行車に乗り込むんだけど、コレはオレしかマトモに動かせないから、操縦者はオレで良いよ?でもさ…
「さぁ!!マツオカ様!!参りましょぉ!!我々の輝かしい未来へ!!」
と、ワケの解らないテンションで、助手席に座るグロー・キマが目を輝かせていた…
「えと…グロー殿?何故そこに?」
「そ…そんな…キマとお呼びください…」
と、頬を染め、下を向く…話が通じて無いんだけど…
「殿、一応、捕虜が居ますので、女性が隣と云うワケには行きますまい…」
道雪がそんな事を言いながら、何故かほくそ笑んでいた。
なぁ〜んか意味有り気なんだよなぁ…
「…まぁ…そぉだな。ソイツが変な気を起こさないとも限らないワケだしな…」
「ソレに、より詳しく城の位置を知っておられるのは、グロー・キマ殿下ですので…仕方有りますまい。」
と、シトルガーナもこの席順で良いと、ニヤニヤしながら言っていた。
ま、理屈には適ってるし、仕方無いか…
オレは飛行車をグロー・キマの指示する方向に飛ばす幾つもの村や町を飛び越え、一際大きな建物が見えて来た。
「ほら!!マツオカ様!!アレがブーセンのお城ですわ!!」
と、左手で城を指差し、右手が何故か、オレの左手に添えられていた…
右手はずっとグロー・キマに触られていましたが何か?
づか、スキンシップ多くね?
「なぁ、このまま城に行っても良いのか?地表をゆっくり動く事も出来るが…」
「そぉですわね…一応、検問は通って貰いませんと…」
「解った。」
オレは、飛行車を下降させて、検問所を通る様に動かしていく。
「止まれぇ!!」
「何だこの怪しい乗り物は?」
オレの方に検問所の兵士っぽいヤツが歩いて来て、槍を向けて来る。
オレは飛行車を完全に着地させ、対応をする。
「あぁ、すまんな。コレは…我が国での軍事行動用の乗り物でな…取り敢えず、ココから西側の、帝国軍の捕虜を一人連れて来たんだが…」
と説明していたら、オレにのしかかる様に、グロー・キマが顔を出した。
「ブーセン王国軍、第三部隊将軍、グロー・ブーセン・キマだ。この御方の仰る通りだ。国王陛下への非公式の謁見もせねばならない。通るぞ。」
と、グロー・キマが、あきつらくんに触りながら宣言した。
「あっ…グロー将軍!?はっ!!どぉぞお通り下さい!!」
と、将軍パワーですんなり通して貰えた。
門番の返答を聞いて、あきつらくんも解放された。
あきつらくんを触ってた本人は、あきつらくんを触ってた事に気付いて…うん、気付いてたみたいだね…右手を閉じたり開いたり、大きさを確認して頬を染めてるから…
そのままグロー・キマの案内で、城門前に来て、また門番に止められた。今度は助手席側に門番が行き、グロー・キマと話し出した。コッチからぢゃ上手く聞き取れないけど、国王との非公式会談とか、謝礼とか、聞き取れて不安でしか無い。
取り敢えず、ココも顔パスが効いたみたいで、すんなり通して貰えた…なんか、京の謁見殿よりスムーズだなぁ…
「あ、アソコなら邪魔にならないので、アソコに停めて下さい。」
と、指を指された先は、馬の厩舎の隣だった。
「あいよ。」
返事をして、指示された場所に停める。
「はぁ…空を飛ぶって、気持ち良いんですね!!」
「あぁ、事故の心配も少ないし、景色も良いしな。」
「あの、ふわっとするのとか、最初は怖かったけど、病み付きになりそぉですよ!!」
あぁ…解るなぁ…初めてエレベーターに乗った時のあの感動と同じ感じがするんだよなぁ…
ソレから城に案内され、そこそこ広い応接室に通された。因みに、捕虜は城の兵士に連れて行かれた。コレから、拷問とかされるんだろなぁ…ご愁傷様。
「マツオカ様、こちらでしばらくお待ち下さいませ。」
グロー・キマはそぉ言い、一礼して何処かに行ってしまった。
「ココで待てか…ま、いきなり来て丁重な扱いとか期待する方がアホだよな。」
「…ですな。しかし、殿のお立場を知った後に、態度を改めなかった場合は…」
オレの言葉に反応した道雪は、腰の[雷震刀]を握りしめていた。
うん、全力で阻止しますが何か?
こんこんこん。
オレ達が談笑していたら、おぉ〜!!ロングスカートのリアルメイドさんだ!!くそぉ!!弥生…椿が居たら飛び着いてるぞ!!オレの知る弥生は少し…そこそこ?腐ってて、コスプレとかもしてたからなぁ…あぁ云うのも好きだろなぁ…
「失礼致します。お待ち頂いている間に、お茶を楽しんで下さいませ。」
と、優雅に一礼して来た。
「あぁ、お気遣い、ありがとぉ。丁度喉が渇いていたところですよ。」
オレが返事をすると、メイドさんは微笑んで、一礼し、お茶を淹れ始めた。
うん、紅茶の香りが素晴らしい。
出された紅茶を見た道雪が目を見開いた。
「済まぬが、これは?」
道雪の問いに、メイドさんが答えてくれた。
「はい、ブーセン特産のお茶でございますが…」
「お茶!?お茶はこぉ翠色をした…殿?」
うん、言いたい事が解ったから、道雪を止めた。
「オレ達が普段飲んでる茶は緑茶と云って、摘んだ茶葉をそのまま乾燥させた物だが、コレは紅茶と云って、一度発酵させた茶葉を乾燥させた物だ。緑茶より手間がかかつてる分、中々にイケるぞ。好き嫌いは有るだろぉがな。」
と、説明して一口含んでみた。渋味、苦味に隠れた仄かな甘み…コレは…
「うん。美味いな。何年か振りに飲んだよ…」
オレの美味いの発言に、道雪は恐る恐る口に含んだ…
「うが!?な…強烈ですな…」
「ははははは、初めて紅茶を飲むとそんな反応になるよな。この味が理解出来るまではしばらくかかるぞ。」
と、その場には笑いが溢れた。嘲笑等では無く、初めて紅茶を飲んだ子供を見る様な温かな笑いだった。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




