第五百九十五話 捕虜の記憶
八つ当たりがメインになりそぉなんですけど…
棒術も得意なんだよなぁ…
オレは、斬り落とした檻の棒を持った。意外だったのは、厚さはそこそこあるけど、鉄パイプっぽくて、思ったより軽かった事だ。
「コッチでも鉄パイって有るんだな…技術的にも難しいと思うんだが…」
「てつぱい…ですか?何ですソレは?」
「ん?あぁ、こんな感じに、中身の無い鉄の筒だ。」
「ほぉ…コレは…銃の銃身みたいですな…」
「…だな。但し、コッチの方が重いし、銃身の方が頑丈だ。」
「…で、アレを迎え撃つのに、ソレをお使いに?」
「あぁ、斬りまくるのが目的ぢゃ無いからな。情報源は多いに越した事は無いからな。あ、お前は遠慮無く斬りまくって良いぞ。但し、爆発物には気を付けろよ?」
「心得ております。」
と、八つ当たりの件は伏せて話した。だって…カッコ悪いぢゃん?女の子におぢさんとか言われたってのは…
「はぁ…はぁ…なんだったんだアレは!?」
「知るか!!あんな音が鳴ったら人が倒れるとか!!」
「何かが飛んで来たかと思ったら爆発したぞ!!アレも火薬を使った武器なのか!?」
「知らねぇよ!!あんなモン初めて見たぞ!!」
等と、敗残兵達の声が聞こえて来た。
おぉ…中々の混乱具合だな。
「なぁ…オレ達…このまま帰ったら死罪になるのかなぁ?」
「多分な…行けば死に、戻っても死ぬ…どっちにしたって死ぬしか無いんだよ!!」
「だったら、あの偉そぉに踏ん反り返ってる貴族共も道連れだ!!」
アレ?可笑しな方向に話が向いて無いか?
「よし!!行くぞ!!」
と、敵兵の一部が中央の天幕に入った。
あっ!!死体はそのままぢゃん!!ま、いっか…
数人が中央の天幕に入って行った…
「どわぁ〜!!」
天幕の中から悲鳴が上がり、他の者達も、何事かと天幕に向かっている。
あれ?完全に油断しまくってね?
「なぁ、今ならヤれると思わね?」
「確実に奇襲は成功でしょぉが…やはり人数差は…」
「ま、何とかするさ。いざとなったら逃げるからな。」
「はっ、畏まりました。」
と、道雪と話が付いて、左右に分かれ、呼吸を併せて、最後尾付近から、一気に奇襲を仕掛けた。
奇襲をする時の鉄則…声を出さない、出来るだけ静かに、気取られるな。
道雪にも、しっかり守ってくれている。
しかし…漫画や小説とかだと大声上げて、不意討ちとか云ってるのはなんでだ?解せぬ。
ごすっ!!バキっ!!どすっ!!
手近に居たヤツから叩き伏せて行く。
道雪も、派手に血飛沫を上げさせて、その職務を全うしている。
敵さん達もオレ達の空気を読んで、「うわぁ〜やられたぁ〜!!」とか言わないでくれて助かるよ。
とは云え、五人も倒せば敵さんも気付く。混乱の中でもしっかりコチラを認識し出すが、疲弊している所に奇襲を受けるんだ…溜まったモンぢゃ無い。反応が一々遅れる。
「うわぁ〜!!敵襲だぁ〜!!」
誰かが叫び、その余波は敵陣内に余す所無く響く。
道雪の方にも敵兵が殺到し、少しずつだけど、屠る速さが遅くなる。
二人で百人は叩いたかな?ま、この人数の中で百人は焼石に水かも知れないけど…
「うわぁ〜!!」
錯乱した一人がオレに向かって来る。相手は槍だけど、見たまんま素人だ。
カッ!!
槍の穂先より相手側…柄の部分を鉄パイで受け、そのまま滑る様に相手の懐に入り、鉄パイの下側を跳ね上げ、金的を入れてやる。
「ぐあっ!?」
男は股間を押さえ、悶絶する。
しかし…流石に疲れたな…
「さて、お前達には三つの選択肢を用意した!!」
オレは大声で叫ぶ。疲れはしているけど、まだ息は上がって無い。
オレの言葉に、道雪はオレの側に駆け寄って来た。
周りはざわざわし出す。
オレの言葉を待っているみたいだ。
「一つ!!このままオレ達に殺される!!」
オレの声に、「ふざけんな!!」「てめぇが死ねぇ!!」等の声援がとんでくる。
「一つ!!逃げ帰って国に殺される!!」
この呼び掛けには誰も応えない…まぁ、そぉなるのが目に見えているからな…
「最後に、捕虜となり、情報を全て渡す代わりに生き延びる!!」
ま、コレが一番現実的だよな?この人数を処分するのもキツいし、収容所とか作らせて、農作業をして貰う様にすれば良いかな?
「…なってやる!!捕虜にになってやる!!」
「…お…オレもだ!!」
「お…オレも…」
一人が折れた瞬間、ソレは全員に伝播していった。
「生き残りは全員捕虜になるんだな?」
オレは、生き残りの代表者に問い質した。
「はい。しかし…〈ほりょ〉とはなんなのですか?」
えっ!?そこからですか!?
オレは知ってる内容を説明し、
「ま、タダ飯喰わせる様な余裕は無いから、お前らにも農作業をして貰って、自活以上の事をして貰うけどな。」
ま、当然だよな。シベリア抑留とかより遥かに良心的だと思うぞ。
「んな!?我々に百姓如きの真似事をしろと言うのか!?」
ん?百姓如き?何を言ってるんだコイツは?
「百姓なんぞ、生かすも殺すも気分次第ぢゃないか!!オレ達に肥料になれと言うのか!?」
なんだそりゃ?お百姓さんに対する意識の違いなのか?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




