第五百九十一話 惚気合戦の記憶
道雪さんは何を言ってるのでしょぉか?
恐れられちゃったなぁ…
「あの…オレ、そこまで望んで無いんだけど…?」
道雪の発言にゆっくりだけど、ブレーキをかけてみた。
「何を仰いますか。殿は、ラナーの総大名で有ると同時に、コト連合の総代でも有るのですよ?となれば、コト連合に刃向かったも同然の相手に甘い顔をしていては、コト連合が安く見られます。まぁ、今回、この痴れ者を同国の者の手で討ち取ったのは、最低限の礼でしか有りませんが…殿がお望みで有るならば、ワタシと大岡殿でこの国を落として来ますが、如何されますか?」
うおい!?オレを何だと思ってるんだ?破壊神か何かか!?
「んな!?そんな!!お待ち下さい!!その愚物の首で不服でしたら、私の首も!!」
って、グロー・キマは腰の剣を抜き、自身の首に押し当てた。
だぁ〜!!何考えてんだぁ〜!!
「止めろ!!」
オレは咄嗟に身体が動いた。グロー・キマが右手で、首の左側から首に押し当てた剣を持つ右手を引っ張り、剣を首から引き離し、一度右手を跳ね上げさせ、引っ張りながら下に下げさせ、再び上に上げる…そぉする事で、された相手はその場で宙を舞い、
「きゃっ!!」
ずだん!!
意外と可愛い声を上げて、グロー・キマは背中からこっ酷く地面に叩き付けられる。
日本の古武術では良く見られる技法の一つで、戸次流では[無空落とし]と呼ばれる技だ。コレは道場生にも教えられていた普通の[技]だ。
ま、知らない者からしたら不思議技なんだけど、崩しと投げが一連の流れとして確立している数少ない技だ。空気投げとか云われる技法の一つだな。ま、戸次流ぢゃ頭から落とす様にコントロールするんだけど、今は死なせる目的ぢゃ無いからね。
「お嬢さん、大丈夫ですかな?」
転んでもがいているグロー・キマに優しく手を差し伸べたのは金四郎だった。
妙にキラキラしてんなぁ…
「えっ?あ…はい…」
グローキマも素直に金四郎の手を取り立ち上がる。
「殿?」
道雪はオレの動きに疑問でも有るのかな?
「オレの居る場にこれ以上血を流されても困るからな…」
気付いてくれ!!オレの周りで死体を量産しないでくれよ!?
「ふむ…見てない所で斬り刻めと?」
「何でだよ!?どんな形であれ、一度助けたヤツをそぉポンポン死なせるなって事だよ!!死んだらソレまでだろ!!生かしてりゃ何かと使い道があるだろ!!」
「…奥様方を連れて来て無いから、性欲処理ですかな?」
「何でだよ!!そんな下衆な使い方しねぇよ!!恩を着せてりゃ無理難題を通し易いだろ!!」
「おぉ〜!!そぉですな!!…波津が取りそぉな策ですね…」
「…まぁ、オレも付き合い長いからな…」
「毒されてます?」
「かなり…」
「「はぁ〜…」」
何故か腹黒女官さんの話で、オレと道雪は同時に溜息を吐いていた。
道雪も腹黒女官さんの裏の顔をちゃんと知ってたか…
「見た目はあんな美人なんだけどな…」
「おや?そこはお認めになってらっしゃるんですね。」
「そりゃぁな。事実を事実として受け入れなきゃだろ?」
「では、奥方様方と比べたら?」
「ん?何だそりゃ?」
「いえ、奥様方と比べてどちらが美人かと…」
そぉ云う事か。奥さん比べで勝ちたいって事か。仕方無いな…
「そぉだな…美人って括りで考えると…波津殿に軍配が上がるな。」
オレの言葉に、道雪は一瞬驚いた表情をし、すぐに胸を張った。
「ふっふっふ…そぉでしょぉとも!!波津は世界一の美人ですからね!!」
「あぁ、ソレは認めるよ。ただ、ウチの奥さん達は見た目もさる事ながら、性格も素直で可愛いからなぁ…大事に守ってあげたくなるよ。」
道雪に負けず劣らずオレも奥さん自慢をしてやる。
「おや?奥様方は守られる様なタマですか?主上陛下の法術は殿より強いですよね?」
「…あぁ、そぉだな…」
「教皇猊下も代行様も、殿が気を抜いて相手出来ない程にお強いですよね?」
「…まぁ…鍛え過ぎたかな?」
「お三人共、誰かに守られ無いとダメって感じでは無いですよ?」
「うぐ…で…でも、可愛いんだから仕方無いだろ…」
「はい、しかし、最高の女は波津ですよね?」
「いや!!ソコは断固として譲らん!!ウチの奥さん達が同率一位だ。」
「なんですと?」
「なんだよ?」
オレと道雪の間に火花が飛び始めた時、ゴツン!!と、頭に衝撃が走った。
「殿!!髙橋様!!いい加減に惚気合戦はお控え下さい!!続きは九尾の村でお願いします!!」
オレと道雪は同時に頭を押さえ、蹲る。
「き…金四郎…少しは手加減を…」
「しません!!」
「何でオレまで…」
「お見苦しいですぞ!!」
オレと道雪はその場に正座させられ、金四郎に説教を受けてしまった…アレ?オレ、一国の国主で、道雪はその懐刀だよな?二人共、奉行より上位なんぢゃ…ソレがなんでこんなガミガミ?解せぬ!!
「…お二人共!!解りましたか!!」
「「はぁい…」」
釈然としないが、ココは大人しく返事をしておくか…道雪も同じ意見みたいだな…
金四郎の説教も終わり、元の立ち位置に戻ると、
「あの…えと…その…私の処分は…?」
オレ達の輪に入り難そぉに、おずおずとグロー・キマが口を開いた。
うん、話が逸れて、オレと道雪が惚気合戦を始めて本気でケンカし始めそぉになってたもんな…
「ん?あぁ…外交で使えるかもだから、こちらに便宜を図ってくれりゃソレで良いよ。」
「は…はぁ…」
ま、なんにせよ、グロー・キマは、形はどぉ有れ、自国の貴族を手にかけたんだ。何かしらも罰が下るんだろぉな…こりゃぁシトルガーナを通して、何とかしてやるか…
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




