第五百八十二話 挨拶の記憶
受け入れて貰えるんでしょぉか?
アレでも王様…なんだよなぁ…
アレから小一時間程経っただろぉか…
「ラナー国総大名、マツオカ・アキツラ様ですね?」
武装もしていない、いかにもな優男がオレに接触して来た。
「そぉだけど、アンタは?」
オレは暗に自己紹介を求めた。
「あ、コレは申し訳有りません。私はキセ・ジーアと申します。立場としては外交担当の元締めと思って頂いて結構です。」
成る程…外務大臣って感じか…しかし…
「そんなお偉いさんが、警護も無しに、ともすれば敵になりかねない相手に会いに来るとは…危機管理能力を疑うな。」
「はははは…無用に大勢を引き連れるのがイヤでしてね。ソレに、敵対するつもりが無いのは、現状を、見れば一目瞭然ですよ。」
現状…門の外で、天幕を張り、キャンプ場と化している。
「あははは…ココに駐屯して貴国に圧力を…って事も有り得るが?」
「有り得るならざ、ソレを口にするワケ無いでしょぉ?ソレに、マツオカ様のお名前は、シトルガーナ殿からも伺っておりますし、犯罪者がその名を騙る意味も無いし、知ってるハズも無い。ならば、国賓としてお迎えするのは当然の成り行きですよ。さ、この天幕や陣幕は、こちらの衛兵にお任せし、皆様は是非歓待を受けて頂きたい。」
と、キセ・ジーアはオレ達を街に招き入れた。
「出来れば皆様を宮殿にお連れしたい所では有りますが…マツオカ様と数名だけにして頂けますでしょぉか?その…コレだけの武装集団をとなりますと…」
「あぁ、解ってる。危険視するのは当然だ。」
「はい、こちらでお宿は取って有りますので、皆さんはそちらでお寛ぎ下されば…」
「解った。久盛、お前に託す。みんなが迷惑かけない様にしてくれ。」
オレは、後ろに居る久盛に言った。
「はい。お任せ下さい。」
と、了承もしてくれた。
そして、オレと道雪と金四郎の三人は宮殿に案内された。
「ココが宮殿になります。」
案内された宮殿はかなり豪華な建物だ。六階建て?
「かなりデカいな…」
オレが呟くとキセ・ジーアが教えてくれた。
「はい。一階は二つの大会議場が有り、一般議会と貴族議会に分かれて議論します。それ以外にも大小様々な会議場が有り、細々した代表者会議が常時行われています。」
なるほど…中々に考えられたシステムみたいだな。
「二階には、国家運営の省庁が入っております。三階はこの城で働く者達の居住区で、四階が議会員や貴族達の住まい。五階は王族との謁見の間や、賓客用の場になり、六階が王族の住まいとなってます。」
「…と云う事は…オレ達が立ち入れるのは、五階のみとなるワケか…」
「はい。申し訳有りませんが、それ以外にはなるべく…」
「国家間摩擦を生みたいワケぢゃ無いから、今回は立ち入らないよ。」
「今回は…ですか?」
「あぁ、この先進的な取り組みは非常に興味深い。コッチのやり方の方が、国民にも受け入れられ易そぉだ。ラナーはほぼ独裁だから、物事の決定は早いが、反発も大きいだろぉからな…」
「確かに、独裁は、賢王ならば悪いとは申しませんが、愚王だと国が潰れますからね…」
「あぁ、まさしくな。それで前のラナーは潰れたんだしな。」
「そぉなのですか?」
オレの言葉に疑問を感じたのか、キセ・ジーアは聞き返して来た。ソレには、金四郎が応えてくれた。
「はい。コトと云う国に戦を仕掛けたのですが、殿…松岡鑑連様率いる軍にトコトンまで叩きのめされましたよ。」
「…ソレで、マツオカ様がそのまま国を支配した…そぉ云う事ですか?」
「まぁ、そんな感じですね。但し、殿は貴方の云う賢王ですよ。ほんの数年で、ラナーはガラッと様変わりしました。ほとんどの国民が殿を慕い、殿の打ち出す政策を受け入れ、努力しています。その為か、近頃ではもぉ少し税を取っても良いのでは?と国民から意見が上がっている程ですよ。」
「なんと!?それは素晴らしい事ですね。我が国も見習いたい所ですよ。」
はっはっは…と金四郎とキセ・ジーアは笑い合っている。どぉでも良いけど、持ち上げ過ぎなんだよなぁ…
そぉこぉしていると、一際大きな扉の前に着いた。
「コチラが謁見の間になります。王も早くマツオカ様にお会いしたいとの事でしたので、コチラにお連れ致しました。」
「なるほど…オレを安く見積もったか高く見積もったか、ココでハッキリするって事か…?」
「安くは見積もって無いと思いますが…」
と、キセ・ジーアを先頭に、オレ達は謁見の間に入る。
荘厳な雰囲気と装飾と音楽が流れ、歓迎している雰囲気を出す。そして、玉座には誰も座っていない…コレは何を意味しているのか…
玉座は階段の上に有り、周りを見下ろせる様な位置に有るんだけど…普段なら国王が座ってるか、入って来た者が膝を着いたら出て来る…そんな感じかな?
…って事は…仮にも一国の国主に対して、そんなバカな事はしないと思いたいんだが…
「マツオカ・アキツラ様、お待ちしておりました。ぼくがタイオー連合共和王国でお飾りの国王をしてます、ゼゴタ・タイオー・ターナニアと申します。是非とも私に子種をお恵み下さいます様お願い申し上げます。」
何つう挨拶をしやがる!?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




