第五百七十五話 移動の記憶
いよいよ飛行車の実用実験ですね。
出発したなぁ…
勘兵衛と話してから四時間程…
オレの下がかなり騒がしい…ソレもそのハズ。オレ達は、飛行車でラナーの城の上空に居た。三十台もの空を飛ぶ乗り物…コレで驚くなと云う方が無理からぬ事…
そして、電話の呼び出し音が鳴った。
「はいはぁい。どぉした?」
オレの呑気な声に、怒鳴り付ける様な声が返って来る。
『どぉした?ではありません!!ラナーの一大事です!!』
声の主は勘兵衛だ。何が一大事なんだ?
「どぉした?解り易く言ってくれ。」
『し、城の上に!!』
「城の上?」
オレは城の上に目をやるが、そこには何も無い…
「えと…何も見えないんだが?」
『何を仰ってるんですか!?城の上にいくつも、何かが飛んで来てるんです!!』
城の上に飛んで来てる?あっ…
「すまんすまん、ソレはオレだ。オレと道雪と来てる久清とか…九尾の村の協力者達だ。気にするな。今から降りるから。」
『えっ?殿…達?ですか?』
「あぁ、下は危ないから、みんなを退がらせろ。」
『は…はぁ…』
なんとか勘兵衛も落ち着いて、オレ達は、オレが駐車場に使っている、少し開けた所に降りる。
飛行車三十台が、降り立ってもそこそこの余裕がある。
「いやぁ、すまんすまん。教えておくのを忘れてたわ。」
はっはっは…と笑い、飛行車から降りると、勘兵衛が走って来た。
「笑い事ではありませぬぞ!!何ですかコレは!?」
「ん?あぁ、今回の件に関しての秘密兵器の一つだ。」
オレは胸を張って、飛行車を軽く叩いた。
「えと…はい…あ、それより、今回共をする者達を集めております!!」
勘兵衛は思い出したかの様にそぉ言うけど、
「ソレって、ここに居るみんなか?」
オレの言葉に反応して、勘兵衛は周りを見渡し、
「はい…恐らく、全員揃っております。」
と、報告してくれた。
「そっか、なら全員飛行車に乗り込んで貰ってくれ。早速向こうに向かうからさ。」
「はぁ…」
と、気の抜けた返事をし、
「皆、静まれ!!アレは殿がお作りになった新兵器だ!!恐るな!!クリラーノの存亡は皆の働きにかかっておる!!気合いを入れて行け!!」
「「「「「おぉ〜!!」」」」」
と、野太い返事が返って来て、バズーカや弾、銃やマガジンを積んだ飛行車以外の飛行車に、全員を分乗させた。
オレの隣には大岡金四郎…奉行の一人だ。なんでコイツが!?後部座席には儀作と前にも一緒の所を見た二人が…
取り敢えず飛行車を浮かせ、カオサオを目指す。夕方には着くだろぉ。
「…で、今回はなんで大岡が同行するんだ?」
少し疑問に思って聞いてみた。
「はい…私のしている仕事は手柄と云う物とは縁が少なく、近頃は犯罪に手を染める者も居らず、ほとんど閑職みたいなモノでして…今回、宮口様からお誘いを受け、参加させて頂きました。」
宮口?誰だろ?
オレは気になって聞いてみた。
「宮口って誰だ?」
「えっ!?宮口様ですよ!?」
「うん…知らん…」
「えっ!?家老の宮口久蔵様ですよ!?」
「えっ?久蔵?あれ?宮口って正だったのか!?」
「…なんで知らないんですか…」
「あぁ…その…あまり接点が無かったから…ソレに、みんな、名前で呼んでたし…姓では殆ど呼んだ事ないから…」
「そ…そぉですか…まぁ、その宮口様からのご推挙で、今回お供を任された次第です。」
何もしてないのに、何故か疲れた感じで大岡金四郎は説明してくれた。
「なるほどな…金四郎とは、前に少し犯罪者捕まえるので協力して貰って以来だよな。アレから、仕事は順調なのか?」
「はぁ…順調と云えば順調ですし、代わり映えが無いと云えば代わり映えが無いですね…」
そぉかそぉか…これはアレだな…配置転換とかして、気を引き締めるのもアリか?
と、社内で色々話してたら、いつの間にか日も暮れかけて来ていた。ソロソロ寝床の確保に動いた方が良いな。野営をするか、宿を取るか…オレは陣乃介と話をしておきたいけど…
「なぁ、オレはカオサオの総大名と話が有るから、他のみんなは適当な旅籠に泊まってくれるか?」
オレの提案はすんなり了承され、ついでに、糧食の買い出しや、必要物資の調達も頼んだ。
「はい。お任せください。」
「お金は…今持ってる全額を渡しておくから。」
と、街から外れた場所に降りて、一ヶ月分のお小遣いを金四郎に渡した。
「はっ!!お預かり致します。」
あっ…しまったなぁ…もっと用意しとけば良かったよ…
オレは道雪を連れ、みんなと分かれ、カオサオの城を訪れた。
「よぉ、総代、やっぱり戦になるのか?」
通された部屋で、陣乃介と向かいあって、話をする。
「あぁ、今回は、クリラーノの支援だけどな。」
「そりゃまた…負け戦にならなけりゃ良いが…」
そぉ、いくら火力が強くても、絶対数が少な過ぎる。
向こうが、何人居るのか、どんな兵器を使うのか、戦の規模は?解らない事が山積みなんだよなぁ…
「ま、負けそぉだったら、援軍を要請するさ。嬉しい事に、各国が援軍を用意してくれるらしいからな…」
「まぁ、対岸の火事ってワケにも行かないかも知れないからな…それは仕方無いさ。」
と、陣乃介もやる気の様だ。
「しかし、カオサオにはあまり迷惑をかけたくはありませぬな…」
と、道雪が話に入って来た。
ん?どぉ云う事だ?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




