第五百六十四話 四面楚歌な記憶
あっ!!子供の日だ!!
我が家にはほぼ関係無いんだよなぁ…
なぁ〜んで面倒事を持って来るかなぁ…
「…と、云う訳でして…主上陛下と殿にも参加願いたく…」
「どぉか!!どぉかお願い致します!!」
「私からもなんとかお願い致します。」
瑠衣の生誕の儀の後の宴会も終わり、翌日の朝、謁見殿を訪ねて来たのは、シトルガーナ、カリーゼ王、そして、二人を伴いやって来た勘兵衛だった。
そして、その話の内容は、向こうの大陸で行われる、国際会議に紅葉とオレにも出席して欲しいとの事なんだけど…
「なぁ…それ、オレ達が行く必要性を感じないんだが?勘兵衛、オレが行った方が良い理由を解り易く教えてくれないか?」
オレの言葉に勘兵衛はしっかりと応えてくれた。
「はい。他国…他の大陸の情報が有るのと無いのとでは、ラナーの…ひいては、コト連合の立ち回りが決まって来ると思います。この数年で、情勢が目まぐるしく回っておりまして、殿のお立場も、ラナー一国に留まらず、連合内でも、主上陛下以上の影響力を持ち始めています。主上陛下のお立場を守る為にも、是非…」
「ふぅ〜ん…でもさぁ…子供が産まれたばかりなんだけど?」
「はい。会談中のみ、他の方にお任せすると云うワケには…」
「ムリだな。オレの命より大事な娘を他人に託すとか、オレには不可能だ。」
これは正直な気持ちだ。
紅葉だけが出席するのならオレが面倒を観れるけど…
「アックヤック帝国と云う国が、現在の我々の国が在る大陸の西半分を支配下に収めておりまして…外洋に侵略の手を伸ばすべきと主張しておりまして…大陸の西に在る、とされる、中央大陸に上陸するべきだと我々にも打診が有りました。ソレに反対すれば、先ずは我々から潰されて、兵の派遣を求めて来るのは火を見るよりも明らかです。そこで、殿に縋りたく…」
「おい!!チャント卿!!そんな話を先にしてどぉする!!」
「んな!?そんな話、オレは聞いて無いぞ!!」
カリーゼ王と勘兵衛の反応から、シトルガーナの話は事実っぽいな…
しかし…コレはやっちまったなぁ…シトルガーナを見捨てれば、自分の国のヤツを見捨てたって事にならないか?今のクリラーノはラナーの飛び地扱いだもんな…コレを見捨てたとなれば、勘兵衛達が狙われた時にも見捨てるとか思われないか?
もし、アックヤックとか云う国の侵攻を防いだとかなると、カリーゼ王みたいに恭順したいってヤツ等が増えたりしないだろぉな?
アレ?これって、どっちに転んでもダメぢゃね!?
「あ〜…そのなんだ、明日返事をするから、それまでそっおしといてくれるか?」
オレは、その場で即答出来なかった。
そりゃそぉだよ。オレ一人で決めるには事が大き過ぎる。国としての方針は助けるって方向で良いと思うけど、連合も絡むとなると…ちょっと難しいぞ。
「はっ!!」
「解りました…」
シトルガーナとカリーゼ王は部屋を出たけど、勘兵衛は残っていた。
「勘兵衛…ちゃんと最後まで話を聞いてから連れて来てくれ…」
オレは、どっと疲れ、覇気の無い声を出してしまった。
「はい、申し訳ございません…その…まさかあんな話になるとは思いませんで…」
「あぁ…ソレは仕方無いだろ…さて、事ここに至ったら…波津殿に相談して叱られるしか道は無いのかな…」
オレは完全に四面楚歌な感じだよ…
「まったく…何故貴方はそんなに問題事を持ち込むのですか?そんなに波乱に満ちた人生かお望みなんですか?」
腹黒女官さんに報告したらそんな事を言われたよ…
「オレだって、好き好んではいないんだけど…向こうから勝手に雪崩れ込んで来るのかと…」
「まったく…頭を使う身にもなって下さい。愛する旦那とまた離れ離れですよ?」
あ、戦になる事は受け入れてるんだ…
「帰って来るまで、気が気ぢゃ無いんですよ?解ってますか?」
「はい…それはもぉ重々…」
「ソレから、志村さん。貴方も貴方です。鑑連様は戦い以外、ほとんど使い道の無い人なんですから、あまり考えさせないで下さい。バカな事しかしないんですから…」
「は…はぁ…」
と、勘兵衛は気の無いから返事しか出来ない。
そりゃそぉか…腹黒女官さんの前では、オレは縮こまった怯える仔猫状態なんだから…
前以って、逆らうなとは伝えていたけど、オレがこんな状態になるとは思っても無かったんだろぉな…しかも、散々な言われ様だ。
「ま、幸い、まだ皆さん京においででしょぉから、急遽集まって貰って、話し合いましょぉか…」
ソレから小一時間程で、主要国の国主が集められた。
「まったく…また厄介事かの?」
席に着くなり、じじぃの嫌味が始まった。
「おい、子安殿、総代だぞ?関係無い厄介事でも自分から首を突っ込むだろ?」
って、陣乃介…オレに何か恨みでもあるのか?
「二人共!!わしの子供の父親ぢゃぞ。少々言い過ぎぢゃ。まぁ、確かに厄介事ぢゃろぉけどの…」
ジト目で兼光に睨まれる。
「普通に付き合っていたら、命が幾つ在っても足りないとは思いますね。」
って、正雪…酷くない?
「ソレでも、死者はほぼ出してませんので…」
って、忠相はもっと強く言いなさい!!
「ま、今更と云う事だな。」
「然り。」
って、将軍と帝はいつからそんなに足並み揃ったんだ!?
「はぁ…血の気が多いのも程々にして頂きたいですけどね…」
久盛!?お前まで言うか!!
みんなの反応を見るに、「またなんかやらかしやがったな?」って感じなんだけど…
「皆、集まったかや?」
と、瑠衣を抱っこして、紅葉が一段高い所から声をかけて来た。両脇には椿と楓も居る。
そして、腹黒女官さんの説明が始まった。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




