第五百六十一話 稽古の時間の記憶
鑑連はパパと呼ばれたかったみたいですね。
男同士で汗はキツいよなぁ…
瑠衣が産まれて十日、オレと紅葉と瑠衣、椿、楓、腹黒女官さん、道雪、鑑雪の八人は謁見殿に来ていた。なんでもコッチでする仕事かあるからだとか…謁見ぢゃ無いんだな…
「ほぉら、瑠衣ぃ〜コッチが親連やよぉ〜。将来のお婿さんやよ。」
と、紅葉は瑠衣と親連を引き合わせている。
「うぅ…今から胃が痛くなって来たよ…こんな可愛い娘が親連の毒牙にかかる予定とか…」
「何を言ってるのかや?わっち達を毒牙にかけまくってるこの男は…」
「えっ!?」
「そぉだよ?長様の言う通りだよ?」
「だよねぇ…私だけならいざ知らず、楓ちゃんみたいに可愛い娘から、アイラさんみたいな金髪美女まで、何人囲ってるんだか…」
何故か、みんなに責められ出したぞ!?旗色最悪ぢゃね?
「ソレに、このコトの女の子で、早くに婚姻相手が決まるのは、とても良い事なのですよ。生涯未婚の女性も少なく無いのですから。」
と、腹黒女官さんが、オレの背後から、現れた。
「えと…はい…」
うん、神様が、この女には逆らうなッお告げを下さってるから、大人しくしてよ。
「ま、奥さんが三人も居て、更に複数の妾なんて持ってるとか、とんだ好色も居たものですわね。」
オレが望んでお妾さんにしたワケぢゃ無いんだけど!?
「まぁ、ソレは良いとして、明日は忙しくなりますわよ。」
と、腹黒女官さんがそんな事を言う。
「あの…何をするんですか?」
オレは恐る恐る訊ねた。
腹黒女官さんは、オレを睨み付け、
「何もしなくてもよろしいです。何もしないで下さい。こちらのか指示に従うのが明日の仕事です。」
なんて、ワケの解らない事を言われて黙ってられるか!!そんな横暴にオレは一言言ってやる!!
「…解りました…」
イヤ!!ムリムリ!!あの目で睨まれたら、オレなんか、ヘビに睨まれた蛙だよ!!なにこの人!?道端のゴミでも見る様な目で…
道雪は良くこの人と夫婦してるなぁ…
「解れば良いのです。まぁ、今日はゆっくりとしていて下さいね。」
って今度は天使の笑顔か!?この人が一番理解に苦しむよ…
ま、今日は言われた通り、ゆっくり…
「殿、一手御教授願えませぬか?」
…出来なくなったよ…腹黒女官さんと入れ替わりに入って来た道雪と稽古かぁ…
「ん〜…まぁ、解った。少し動くか。瑠衣ぃ〜、パパ頑張るから応援してくれよぉ〜」
オレが話しかけると、笑顔で「あばあば」と返事をしてくれて、やる気が出て来た。
庭に出て、道雪に訊いてみた。
「…で、何を教わりたいんだ?剣に関してはオレより強いだろ?」
「…そこも今一自信が持てませぬが…今は、剣以外ですな。」
「剣以外?」
「はい。平たく云えば、体術です。最初の時、あの女頭領の屋敷で戦った時、殿は素手でした…素手の者と、本気で立ち合い負けたのは初めてでして…」
「なるほど…ソレで一手御教授って言い回しだったのか…」
「はい。」
「ソレで…どんなのを習いたいんだ?」
「そぉですね…見切り…でしょぉか?」
「見切り?」
「はい。あの時も、私の剣を完全に見切って間でしたので…」
「見切れて無いぞ?」
「えっ!?」
「あの時、お前に勝てたのは…予測出来ていたからだ。例えば…」
オレは居合…[紫電]の構えを取った。
「…ココから、どんな業をどんな風に出すか解るか?」
「…恐らくは、抜き討ちでしょぉか?胴を薙ぐか、首を斬るか、足に来るか…」
「あぁ、そぉだ。その三択はどこで見極める?」
オレの質問に暫し考えての道雪の答えは、
「抜く瞬間の腕の軌道とかでしょぉか?」
「そぉだな。ソレも一つの解答だけど、気を付けるべきはそこぢゃ無い。」
「ソコでは無い?と、申されますと?」
「一番に見るのは、抜く瞬間を感じ取る事だ。抜いてから判断して躱す、反撃するのは、まさに神業だ。そんなんで見切れるとなると、子安殿くらいにならなきゃ不可能だよ。」
「子安…殿?子安遥仁様の事ですか?」
「あぁ、ま、子安殿曰く、読みの領域なんだとさ。そんなの普通には無理だろ?ならどこを見極めるか?」
「そぉですね…間合いの外に出るくらいしか思い付きませぬ。」
「ソレも一つの手だけど、ソレぢゃコッチの攻撃も届かないし、二の太刀、三の太刀までは躱せ無い。オレはどぉ動いていた?」
オレの言葉に道雪は思い出す様に考える。
「あの時…私が動く寸前に、次の動きが解っていたかの様に動かれてましたね?」
「そぉ、相手の呼吸を見て、どぉ動くか、動く瞬間を先に見極める。ソレが出来たからこそ、あの時、お前に勝てたんだ。」
「呼吸…ですか…」
「あぁ、極限状態になれば、不思議と呼吸は規則正しく働くもんだよ。」
「なるほど…」
「お前の場合、なまじ強いから、ソコの修練が疎かになってたのかもな。」
「確かに、そんな事考えてませんでしたな。」
「よし!!今日はソコを意識して、動いてみたらどぉだ?」
「はい!!」
と、それから夕飯まで、男二人でみっちり汗を流した。
くそっ!!同じ汗なら布団でかきたかったよ…奥さん達を相手に…
因みに、楓もかなりの好きモノに育ってしまい、かなり激しい攻防になるんだよね…
その日の夜、楓が満足して寝たのは、五回戦した後だった…
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




