第五百五十九話 命名の記憶
産まれましたね…男の子?女の子?
自分の赤ちゃんって可愛いんだなぁ…
「産まれたか!?で!!可愛いのか!?」
オレは知らせに来てくれた朔夜の肩をがっくんがっくん揺りながら、訊いてみた。
「ちょっ!?待って!!鑑連さまぁ〜!!ご自分でご確認くださぁい!!」
朔夜は悲鳴ににも似た声を上げて答えた。
「ん?そぉか?うん、そぉだな…ごめん!!行ってくる!!」
と、朔夜を離して、治療室に向かう。
がらっ…
治療室に入ろぉとした時、戸が開き、頭を叩かれた。
「うるさいですよ?また蹴られたいですか?」
腹黒女官さんの手にはすりこぎ方みたいなモノが握られていた。痛いワケだよ…
「そ…それより…子供は?」
「今は産湯に浸かってます。長様を先に労って下さい。」
頭を抑えるオレの状態は無視して、腹黒女官さんはそぉ言った。
そぉだよ!!子供も大事だけど、紅葉も超大事だよ!!
「紅葉!!大丈夫か!?」
オレは声を張り上げ、紅葉が横になってる所に走…がすっ!!
「落ち着いて下さい。」
…れなかったよ…後ろから頭を、腹黒女官さんに叩かれたから…
「なんで叩くのさ!?」
「落ち着いて、周りを確認しながらゆっくり入って下さい。」
うん…確かに少し慌ててたかも知れないね…
「…はい…」
改めて、気を落ち着かせて中に入ると、複数の女官さん達が仕事をしていた。何をしているかは解らないけど…
そして、治療室の一番奥、そこのベッドに紅葉が寝ており、その傍らでアイラが脈を取る様な感じで座っている。
「おや?なんや騒がしかったのは旦那様かや?」
「あははは…疲れてるのにごめんね。でも、紅葉が無事で良かったよ。子供も産湯に浸かってるって話だし…って、アイラはなんでココに?」
「医者の真似なら多少は出来る。ナースの資格も取ってる。」
「えっ!?そぉなの?専門は!?」
「専門はマシーン、ソフトウェアも出来る。ナースはハイスクールで取った。」
と、いつの間にか、アイラとの会話になったけど、
「なぁすとは何かや?」
と、紅葉も興味が出たみたい。
「んと…医者の助手って感じかな?ある程度以上の医療知識と技術が有るって認められた人って事だよ。」
と説明してあげる。
「ふむふむ…それで、最悪の場合は腹を切って赤子を取り出すと言っておったのかや?」
「うん、ケースリンセクション(帝王切開)は、立ち会った経験も有る。」
「けぇす?」
紅葉が英語の部分を聞き返したのでおしえてあげる。
「ケースリンセクション…帝王切開って云って、お腹を切って、その下の子宮を切って、お腹の中の赤ちゃんを取り出す手術だな。オレも良くは知らないけど…」
「…切腹するのかや!?」
「まぁ、そぉなんだけど…ソレは必要無かったみたいだね。」
「うん、少しぷリメタルベイビーだったのが良かった。」
「ぷりめ?」
また紅葉が英語に詰まる。
「プリメタルベイビー、通常より小さく産まれる赤ちゃんの事だな…って、大丈夫なのか!?」
オレは紅葉に説明しながら、事態を把握して、アイラに訊ねた。
「ノープロブレム。元気にファーストクライングしてた。」
「良かったぁ…普通より少し小さいけど、元気に産声上げて元気だってさ。」
「そぉかそぉか。それは良かったやよ。」
と、紅葉の晴れやかな笑みに思わずおでこに口付けをしてしまった。
「うん、母子共に健康…それが一番だよ。」
と、話していたら、女官さんの一人が、小さな赤ちゃんを布に包んで持って来た。
「長様。長様のお子様ですよ。抱いてあげて下さい。」
と、良い笑顔で赤ちゃんを紅葉に手渡す。
「えっえっえっ!?だ…大丈夫かや?泣いておらぬぞ?」
「大丈夫ですよ。今はおっぱいが欲しいのではないでしょぉか?」
「おっぱい?」
「母乳だよ。お乳だよ。」
「何かや。旦那様と一緒でお乳が欲しいのかや?」
確かに好きだけど…ココで暴露しなくても良いんでないかい?
紅葉はおもむろに胸を出し、赤ちゃんの口に充てがうと、
「おぉ!?おぉ〜…吸ってる…吸ってるやよ!!うんうん、いっぱい呑んで、大きくなるやよ!!」
と、その表情は、慈愛に満ちてまるで聖母の様だった…
その母子の風景を眺めると、ホントに和むなぁ…しかし…紅葉ってあんな表情するんだな…まるで母親みたいだ…って、母親ぢゃねぇか!!
「この子の名前はどぉするかや?」
「ん?名前?」
「そぉやよ。わっち達の初めての子供やよ?ちゃんと考えて名付けするべきやよ。」
と、紅葉に諭された…
「うん…確かにそぉだよな…まず…男の子なのか女の子なのか…」
「あっ!!そぉやよ!!ちゃんと確かめて無いやよ!!」
紅葉は赤ちゃんを包んでいる布を少し剥ぎ、確認する。
「女の子やよ!!」
「そっかぁ…女の子かぁ…まぁ、ココ…って云うか、コトは女の子のが多いから仕方無いかぁ…」
う〜ん…女の子の名前かぁ…難しいなぁ…あ、そぉた!!こんな時、アホな名前付ける親が多いって聞いたぞ?まずは深呼吸だ!!
すぅ〜はぁ〜…すぅ〜はぁ〜…
よし!!多分落ち着いた!!
コッチでも恥ずかしく無く、一般的では無いにしても、胸を張って名乗れる名前かぁ…いや、オレが名付けたと広まったらどんなアホな名前でも受け入れられそぉだな…
「奇妙丸…」
とかも…オレは信長か!!
「なんかやその変な名前は!?」
ん?まさか…
「アレ?口に出てた?」
「きみようまると言ってたやよ。」
「あっ!!ソレはダメ!!そんな変な名前は流石に可哀想だよ!!」
「良かったやよ…きみょうまるが良いと駄々をこねたら、引っ叩く所だったやよ。」
「やだなぁ…そんな名前にするワケ無いぢゃん…」
あっぶねぇ…変な名前になるトコだったよ…
さて、改めて考えるか…留異沙…るいさかぁ…ん〜…
「…留異沙かぁ…」
ポツリとまた口に出てしまった…
「ふむ…[るいさ]かや?」
「えっ?いや…今のも口から出ただけで、何の意味も無いぞ?」
「そぉかや?わっちは気に入ったやよ?」
「いやいや、さっきの奇妙丸と比べたらダメだよ?」
「なるほど…確かに比べたかも知れぬやよね。」
うん、名付けって大変だなぁ…そぉだよな…呼び易くってのも考えなきゃだよな。
「よし!!瑠衣にしよぉ!!どぉかな?」
「瑠衣かや?ふむ…さっきの[るいさ]より呼び易くて良いやよ!!椿と楓はどぉ思うかや?」
と、紅葉はオレの後ろに居た二人に話を振る。
「まぁ…うん、良いと思うよ。」
「うん!!可愛いよ!!」
と、娘の名前は瑠衣に決まった…因みに、尻尾は五本も生えていた。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




