第五百五十六話 教科書の記憶
アイラからマッドなサイエンティストの匂いが…
ついに来るべき時が来たか…
その日、島田先生監修で、教科書の原案が出来上がった。
読み書き算数に加え、理科と歴史?
「島田先生、理科はちょっと待った方が良いと思うんだけど…」
「えっ?何故ですか?」
「えと…詳しくは解らないんだけど、科学的な部分が地球と違う可能性が有るんだよね。」
「えっ?そぉなんですか?ぢゃぁ、スイヘーリーベーとかは…」
「うん、全部忘れてくれ。ま、蒸溜や発酵とかは同じ様に出来るみたいだけど…あと、空気とか…その辺はまだまだ研究中なんだよね。」
「研究中?どちらで研究されているので?」
「ん?あぁ、アイラがしてくれてるよ。なんか怪しい笑みを浮かべてたけど…」
「でしたら…」
「うん、その辺はまぁ、しない方が妥当かな?」
「解りました。」
「あと…歴史なんだけど…なんでオレの名前がいっぱい出て来るの?」
「えっ?ソレは当然では?」
「当然ぢゃ無いでしょ!?ラナーの前の歴史が全くと言って良い程出て来てないでしょ!?なんで!?」
五百年に及ぶラナー王国の歴史を終わらせたのがコトの雷神と謂われた松岡鑑連。この時若干十七歳。ラナー国初代総大名。その後、コトと歩みを共に進め、コトを中心とした連合設立に尽力。大陸が纏まり、コト連合になる。初代総代にもなる。
そんな内容だ。
ウショの事も書かれているけど、内容を読む限り、どこの英雄譚だよ!?
「ダメですか?」
「こんなウソッパチ誰が信じるんだよ!?どこの勇者の所業だよ!?書き直しを要求する!!」
「しかし…書き直すとなると…創作物になりますよ?」
「コッチのがよっぽど創作だよ!!」
と、島田先生と騒いでいたら、
「なになに?二人で何を騒いでるの?」
と、椿が来て、オレの持ってる歴史の教科書の原本を読み出した。
「…そぉそぉ!!ラナーからコトに戦を仕掛けて、ほぼほぼ旦那様の活躍で終戦したんだよねぇ…アホみたいな大怪我をして、紅葉お姉様が助けたんだよねぇ!!あ、でも、この時はまだ私の記憶が混乱してたんだっけ?んで、ラナーの反乱分子を全員死なせて、無実の罪で鬼にされた人達を全員人に戻したんだよね?三吉さんとか!!」
と、アホみたいな英雄譚を読みながら、うんうんと頷いている。
「コレ書いたの誰?」
「ん?島田先生。」
「島田…先生?って、高木先生?」
「あ…うん…」
「すっごぉい!!ちゃんと調べて書いてるんだ!!」
と、椿は目を輝かせて、島田先生を見ている。
「まぁ、ウソを書くワケにはいかないからね。」
って、なんか得意気ぢゃね?
「うんうん!!そぉそぉ!!教科書になるんだから、ちゃんと事実を書かなきゃね!!」
「飛鳥もそぉ思うだろ?でもな…殿は、脚色が過ぎると仰せなんだよ…」
「えっ?どの辺が脚色されてるの?」
「殿曰く…ココとかココとか…」
「えぇ〜?部下を庇い、生死の境を彷徨い、なんとか無事生還…コレのドコが脚色されてるの?」
あぁ、ウショで道雪を庇った時の話か…
「そりゃそぉだろ?道雪は部下ぢゃ無く、友達なんだぞ?」
「そぉ思ってるのは旦那様だけだよ?ほら、役職も、ラナー総大名旗下、軍事総長でしよ?それに、道雪さんはずっと、殿って言ってるし…」
「ソレでも…」
「ダメだよ。感情任せで歴史を書き換えちゃ。高木先生を困らせないの。」
「いや…ソレでも…」
「客観的事実を記すのが歴史なんだよ。そこに旦那様の意思とか関係無いの!!ソレにこぉ書いてると、ラナーの総大名様は、ラナーで一番尊敬出来る素晴らしい人って読み取れるよ?ほら、ココの犯罪組織の壊滅とか、一人で乗り込んで壊滅させた。って件!!どんな超人だよ!?って事をホントにしちゃった事ぢゃん!!」
「いや…まぁ先走ってヤっちゃった事だけど…有能な同心二人を死なせちゃったんだぞ!?」
「まぁ…うん…知らなかったんだからしょぉが無いよ…」
と、ソレからも、書かれている内容でオレがダメ出しをした所を、椿が事実だの真実は…だのと島田先生と話し合い、出来上がったモノを読んだ時、確かにそぉなんだけど…フィクション張りの内容になっていた。特にクリラーノの事だ。
一人で乗り込み、あっと言う間に一国を落とし、属国にした。
確かにその通りだけどさ?誰がそんなの信じるんだよ!?
「しかし…こぉやって見てみると、旦那様って…本当に人間?」
「をい…なんか失礼ぢゃね?」
「だって…これ…どこのラノベ主人公だよ!!ってくらいの仕事振りだよ?」
と、椿が言うモンだから、島田先生もソレを読み、
「確かに…しかも奥さん三人にお妾さんも多数…どこのハーレム系チート主人公なんだか…」
とか呟きやがった…
「良いか二人共…そんな主人公は、但し、イケメンに限る!!ってなるんだぞ?この顔はイケメンか?」
なんか情けない事を言っているのは自覚出来るけど…
「確かに…日本に居る時は、浮気の心配して無かったからなぁ…」
「言われてみれば…まぁ、見慣れれば…」
と、二人の言葉の刃はかなり強烈だった…
「ごめんなさい…オレが悪かったです…」
最凶の武器は…言葉の刃なんだなぁ…
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




