第五百四十三話 結界の記憶
今度はどんな事が起きるんでしょぉか?
取り乱してたなぁ…
ラナーの新型の車に揺られながら、オレと島田先生とばばぁとそのお付きの女性が二人…合計五人で山の民の住む山に向かっていた。疑問は山程有る…しかし、取り敢えず懐に飛び込む必要が有るんだよなぁ…しかし…ばばぁとお付きを見るに…一気にファンタジー感出て来たなぁ…いや、狐な人間や、鬼とか居るんだから今更か?
「しかし…江戸時代っぽい所で、車とか…どんな設定なんでしょぉね…」
と、運転中の島田先生がボヤいている。
「ソレを言ったら、狐人間に鬼とかも居て、後ろには天使だか悪魔だかワケ解らんのが居るんだ…今更でしょ?」
「ふふふ…確かにその通りですね…」
と、島田先生も緊張しておらず、車は順調に山の中に入って行く。
「うおっ!?急に狭くなったな…」
「ココからは歩きますか?」
「そぉだな…仕方無いか…」
と、車を山道に置き、ソコからは山道を歩く事にした。
「ほら、ばばぁ、ちゃんと案内しろよ?」
「は…はい!!こちらで御座いますです!!」
と、なかなかに卑屈な感じになってるなぁ…
ばばぁとお付きの二人の後をオレと島田先生が着いて行く。なんかストーカーっぽくない?
「えと…コレって…オレ達、不審者っぽいんだけど…」
「いえ…ただ単に案内されて着いて行ってるだけですので…」
「う〜む…なんか女の尻を追いかけてる感じぢゃね?」
「気にしたらダメです。」
「はい…」
と、情けない話をしながら着いて行く事三十分…
「着きました。こちらで御座います。」
ばばぁはそぉ言うと、注連縄が結ばれた二本の木の間の崖に入って…その姿が消えた!?
「結界な何かか!?」
「その様ですね…ホント、ファンタジーな…」
島田先生も似た様な感想を持ったみたいだ…オレ達もばばぁに続き、木の間に入ってみた。すると、そこには九尾の村と同規模くらいの集落があった…
さっきまで何も音が聞こえて無かったのに、中に入ると、そこかしこから、雑多な生活音が響いていた。
「コレはまた…」
「とんでもないですね…」
ゆうに千人は暮らしてそぉな雰囲気が有る。しかし、見える範囲に男であろぉ姿が見えない…
「おい、ばばぁ…男は居ないのか?」
オレは疑問に思った事を聞いてみた。その答えは…
「そんなモノ居りませぬ。何の因果か産まれるのは女ばかりに御座います。」
「あ…そぉなんだ…」
なんかヤな予感がするんだが…ま、そんな事あるワケ無いよな…うん!!無いったら無いんだ!!
「さぁ、こちらにおいで下さいまし、我らが主、寿都華咲様が居られる社にご案内致します。」
と、ばばぁはオレ達を観光案内よろしく、色々説明しながら案内してくれた。お付きの女性達を先行させていた所を見ると、オレ達を社で待たせない為の配慮で、コレは時間稼ぎなんだろぉな…うんうん、良く考えてるなぁ…
ソレから暫くあちこち散策させられたが、オレと島田先生は奇異の目で見られた…男の居ない集落に男が二人…突き刺さる様な視線…男子校に迷い込んだ女の子ってこんな感じなのかも…
そんな事を思ってたら、お付きだった内の一人がコッチに走って来て、ばばぁに何やら耳打ちをしている。
「…解りました。すぐにご案内します。」
と、そこだけは聞こえた。
オレ達を社に連れてく準備が出来たのかな?
と、居た堪れない視線の中を社に向けて爆進させられる。そして社に着いた時、門番らしき人とばばぁが遣り取りをして、オレ達は社の中に案内された。
「ほぉ…コレは…」
島田先生が簡単の声を上げた。
内装は豪華とは云えないモノの、使われている木材は見た感じツルツルのすべすべで、腕の良い大工さんの仕事だと一目で解る感じになっている。
ばばぁの言が正しいとしたら、女性大工さん達の渾身の作だと思われる。
しかし…この技術はスゴいな…
と、通された部屋は最上級の応接室っぽかった。
「今暫くお待ちください。」
オレ達にソファーっぽい椅子に座る様促し、お茶を出し、ばばぁは一礼して応接室を出て行く。
「さて、相手の出方はどぉなるのかな?」
「えっ?どぉなるとは?」
「ココでオレ達を討ち取って、ラナーを支配しよぉと動く…その可能性も有るし、逆に、取り込まれ様と動く事も考えられるし、ま、どっちにしろ頭を悩ませる事に変わりは無いな…」
「なるほど…」
「ソレに、こんな所に引き篭もってて、何故、ラナーの情勢が変わった事に気付いたのか…ソコが疑問なんだよな…」
「あ…ソコは思い至りませんでした…確かに、引き篭もってて、何故情報が有るのか…」
「ま、一筋縄ぢゃいかないと思わなきゃな…」
と、話してたら扉がノックされ、三人の女性が入って来た。
一人は、ばばぁ、残りの二人は紅葉の様な、薄いベールで顔を隠している。
ソレでも、その内の一人が軽く息を呑んだのが解った。多分オレの顔を見て、悪鬼羅刹だ!!とでも思ったか!?
「お初お目にかかります。寿都華咲と申します。コチラは…」
「妹の涼と申します。」
なるほど、いきなりトップとその妹が顔を出したのか。んで、息を呑んだのは妹と…
「オレは、ラナー総大名の松岡鑑連で、コチラは…」
「本日お供として来ました、島田一之助です。」
と、オレ達も立ち上がって挨拶をした。
すると、寿都華咲は身振り手振りで、座る様に促して来た。
オレ達が座ると、寿都華咲と涼も対面に座る。
「本日はわざわざのご来訪ありがとぉ御座います。」
「イヤ、気にしないでくれ。」
寿都華咲がそぉ言うので、社交辞令で返してやる。
「そぉ言って貰えると助かります。さて、まずは、我々がラナーの世情が動いた事に気付いた事と、我々とラナーの関係ですが…」
ソコから語られた内容は…単純だった。ラナーから男達がココに来ていたと云う事だった。ソレは、前国王の支持者や配下から選ばれていて、戦前や何かの褒美とかで、ココの事を教えていたとからしい…あれ?そんな連中全員死なせちゃってるぞ?
「…ここ数年、男性がいらっしゃらないので、何か世情が変わったのかと思いまして…」
ま、そのせいで、ここ数年、新生児が産まれて無いんだと…そりゃ気付くよな…種付けされてないんだから…
「なるほど…ソレは悪い事をした。前国王やその関係者は全部死なせてるから、ここの事は解らなくなってたわ…」
「そぉでしたか…」
「あぁ…まぁ、ここの子供不足はなんとかする方向で考えておこぉか…」
「はい。よろしくお願いします!!」
と、寿都華咲が頭を下げて来た。
コレで話は終わったと思ったのか、妹の方が口を開いた。
「あの…島田一之助様と云いましたか?」
と、島田先生に話が振られた。
「あ、はい。そぉですが、何か?」
「近藤涼子と云う名前にお心当たりはありませんでしょぉか?」
「近藤…涼子…」
「あと…高木良臣とか…」
妹の言葉に、島田先生の顔色が一気に変わる。そして、妹が顔を隠してる布を取り払うと、
「りょ…涼子!?えっ!?はぁ!?」
と、混乱していた。
「やっぱり!!よしくんだったんだ!!顔がそのままだったから!!」
「えっ!?え〜!?」
なんか二人は顔見知りだったっぽいな…
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




