第五十三話 ラナーの状況の記憶
関所は上手く通過出来たでしょうか?
村かぁ…なんであんな状態だったんだっけ?
暫く進むと集落が見えて来た。
田畑が広がり農業が主産業かな?
でもなんかおかしい…人の気配が希薄なんだ!!なんでだ?
集落に入って見回すと…ヒドく痩せこけた後が居た。
話をして聞いてみる。
「この村はヒドく生気が無いようですが何かあったのですか?」
「ん?サムライか?もぉココには喰い物はオレ達くらいしか無いぞ、オレ達も兵糧にするか?」
「んな!?何だそりゃ!?」
家々をみて回ったが餓死者が多数見られた。
さっきの男の反応から見て、食料は全部サムライが持って行ったと見るべきか?
兵糧と言っていた…昨日今日ではなく、数ヶ月は殆ど喰えて無いのは明白…この集落は、おしまいな感じがする。
何を考えてる?農民を虐げ…つか、全滅させるのが目的か?
さっきの男も生ける屍状態…餓鬼になって無いのがせめてもの救いか…
「道雪、何か食べ物は持って無い?」
「残念ながら…」
「車で来てたらヤツ等の兵糧、持って来れたのに…」
「餓死者が多数…近隣の山菜も採り尽くしてしまっていると思われます。」
「何とかならないもんかな…」
「現状では何とも…」
「だよな…何とか支援したくても、不可能は可能にはならんか…」
どおした物かと思案していると数人の人影が見えた。取り敢えず身を隠す。
「おぉおぉ、ココもしまいだなぁ…」
「有りったけ根こそぎ持ってったからなぁ…」
「どっち道、コトと戦になれば踏み潰されるんだから滅ぶのが後か先かの問題だろ?」
「違げぇねぇ!!あはははっ!!」
そんなに前から戦準備をしてたのか!?
つか…ココもだと?って事はココ以外もこんな状況なのか?
アイツ等解ってるのか!?農民が減れば、それだけ飢える人が多くなるって事を…
「この状態なら女も期待出来ねぇな…」
「全部の家見て回れば一人くらい…」
「無理だろ?兵糧と一緒に召し上げられてるって!!」
「だな。」
最低な会話だな…
「道雪、アレ斬れ!!」
「御意。」
返事する前からヤる気に満ちて居たからか、行動が素早い…ほぼ一瞬で五人が屍に変わる。
ヤツ等の死体を漁ると少量だが米などの食料が出て来た。ソレを煮炊きすると、匂いに釣られたか、生き残りが其処彼処から出て来た。
動ける人にだけでも喰わせたいが…
そんな事を思ってると、重湯が出来て、集まった人達に振る舞った。
出来るのはコレくらいだ…
オレ達は早馬に跨り、集落を後にする。
イヤな気分だ…アソコまで農民を虐げて…後々の食料はどぉするつもりなのやら…
オレ達が手を下さなくてもこの国は遠からず滅ぶ運命だったか…でも、民衆には罪は無い!!指導者が全部悪いんだ!!
この国は上を変えなきゃダメだな…
暫く行くと今度は町か?
ココもあの集落と同様かも…
町では兵が大声で演説していた。
暫く聞いてみる…
民は国に尽くしてナンボ、兵は国の盾になってナンボ、王侯貴族は国を導いてナンボ、と言っている様だが…ソコからが酷い。
兵は命懸けで国の盾になっている。王侯貴族も命懸けで国を導いている。ならば民もまた、命懸けで国に尽くすべきだ!!
ん?何やら雲行きが怪しい方向に向いているぞ?
子供は国の宝、国家機関での教育が不可欠!!
働けなくなった老人も国家機関で面倒を見るべき!!
男女共にそれぞれに見合った仕事で国に尽くすべき!!
言ってる事は一見正しいがなんだろ?違和感がある。
「裏を返せば、子供は刷り込みで国家の道具に教育し、老人の生き死にを管理、男女共に奴隷になるべき、みたいにも聞こえますな。」
「まぁソレは極論だろぉが…さっき感じた違和感はソレか…」
隣の人に聞いてみた。
「あの演説は今日が初めてなの?」
「イヤ…ここん所毎日だぞ?お前さんは初めて聞いたのか?」
「あぁ、初めて聞いたよ。」
「この演説の後に軍の行軍があるんだよ、毎日百人程度な、昨日なんか、関所が通らなくなってたらしく、この町で足止めされてるし…何がしたいんだかな…この近くの関所はコトとの間だから、戦を仕掛けるのかもねぇ…」
「もしコトの軍が攻めて来たら?」
「今より良くなるなら大歓迎だよ!!今は稼いだお金の大半が税金として吸い上げられててみんな喰うや喰わずだからな。」
隣に居た男はげんなりしている。
経済もクソも無い状態ぢゃね?
さっき道雪と話した極論に向かってるなぁ…
放っといても潰れるだろうが、コトが巻き添えなんてダメだろ…この国は何がしたいんだ!?
そんな国だから百合姫は亡命してコトに助力を求めたかったのかも…
道中こんな状況も見て来たろうに…ちゃんとこの事も話せよな…
支配階級だから見えて無かったのかもな。
今からまた軍が通るらしいが…民衆を味方に付けて革命の狼煙を上げるか?
後で道雪と相談かな?
この後行軍があるらしいから…後を着けて見るか…
「道雪、行軍を隠れてやり過ごすぞ、ココで戦いになって人々に迷惑をかけたく無い。」
「ですな。」
二人で民家の影に隠れて様子見をする。
暫く待つと行軍が始まる。
民衆は異様な盛り上がりを見せるが、その表情は暗いものになってる様に見える。
道雪にさっきの事を相談してみる。
「もし、この町の有力者に、国に反旗を翻す様に話したとしてどぉなると思う?」
「有力者なら国に反旗は翻す事はないでしょうな。」
「旨い汁を吸ってるって事か?」
「はい。」
「したら、地下での行動も無理かもな…」
「直ぐに潰されるでしょう…」
「だったら、その有力者をヤってしまうのは?」
「ソレなら多少は…まさか!?」
オレはニヤリと笑い、
「そのまさかをしてみようかなぁってね。」
「何と無茶を考える…」
「してみたくね?」
「面白そうですな、ですが上手く行っても民衆では軍には敵いますまい。」
「やっぱムリか…幕軍が来れば何とかなるんだろうが、やっぱ二人だけだと…」
「はい、あの軍を何とかするのが関の山でしょうな…」
「ならあの軍が町から離れたらやるか。」
「御意。」
またキツい事をする事になるか。
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お時間ありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」もお読みください。




