第五百二十四話 土の法術の記憶
素直な良い娘が腹黒になる…とんでも無いトラウマだったんですね。
考え方を変えないとなぁ…
道雪がラナーに発ってから十日、中庭で訓練するみんなとオレの腕輪は壊れていた。
「ん〜!!久々に手枷足枷無いって感じだなぁ…」
「実際、手枷着いてたやよ。ソレにしても…アレから二倍にまで法力量が増えるとか…旦那様はアホかや?」
時間が出来て、みんなの鍛錬を見ていた紅葉に、真顔で言われたよ…
「みんなに鍛練をさせるんだから、オレも付き合いで…と思ってさ?」
「それで、実験したらこぉなったのかや?」
「うん。」
「なんで、わっちはこんなアホを旦那に選んだのやら…」
「あの…紅葉さん?流石にそれは酷くない?」
と、講義の声を上げたら。
「ふつうの反応だと思うよ?私も中学の時、「あんな鍛練バカのどこが良いのよ?普通にブサメンだし…」って言われてたんだよねぇ…」
と、後ろから椿…イヤ、今は弥生か?にそんな事を言われたよ。
「それはそれで、めっちゃイヤなんだけど?」
「そぉ?私は嬉しかったなぁ…旦那様の良い所をみんな知らないんだもん。独り占め出来てたのになぁ…なんでこんなにモテてるのよ?バカなの?」
「いや。オレの意志ぢゃ無い所で責められても…」
と、コッチにも抗議したら、
「私は初恋だったなぁ…強くて優しくて、良いと思うけどなぁ…」
と、楓まで話に入って来て、混沌として来た。
オレはとばっちりを避け、みんなの鍛練に付き合う。
剣、棒、槍、弓と得意な事でみんな頑張っている。
槍だけはあんまり使った事が無いんだよなぁ…いつも道雪に丸投げしてたし…
「こっちも見て下さいよぉ!!」
と、槍使い組から催促をされる。
「そぉしたい所なんだが、槍は使った事無いからさぁ…」
オレは、棒術の方を教えながら応える。
ま、棒と槍は似てるっちゃ似てるんだけど、穂先が有る分、重心が違うし、槍と言っても、種類が多く、一つ一つ、特有の使い方が有り、技も全く違って来る。だからこそか、戸次流に槍の技は無い。棒術を変化させるのもアリかな?うん、今後の課題だな。
槍使いのみんなはぶぅぶぅ言っている。いつもの遣り取りだな。
そして、合同練習が終わり、土の法術の訓練が始まった。
ココからは楓も参加する。
「えと…楓…さま?はこの前少ししたので、今日は他のみんなにもして貰おぉかな。」
陸牙はオレの顔色を見て、楓の呼び方を模索している様だ。うんうん、良い傾向だな。
取り敢えず土壁をみんなが作る。コレで弓矢は防げる。簡易城壁にもなるな。
オレはソレを振動刀で斬り付けていく。雷振刀にしなければ、完全に防げるな。コレなら実戦でも充分に使えるぞ。
「みんなスゴいな…一回で上手くやれるとか…自信無くすぞ…」
と、陸牙は少し落ち込んでいる。何回も試行錯誤したんだろぉな…
「くそ!!次のは少し難しいですよ!!」
陸牙は気合を入れ直して、自分で手本を示す様に、全身に土を纏い、鎧にしていく。
おぉ〜!!アレはスゴいな!!
「なぁ、コレはどのくらい硬いんだ?」
「ん?普通に剣ぢゃ斬れない程度だな。」
「ぢゃぁ、オレみたいなヤツなら斬れると?」
「あぁ、そんなに多くは居ないだろ?
「そぉだな。オレが知ってるだけでだと、八人しか居ないな。」
「そんなに居るのかよ!?そんなトコにケンカ売るとか、あの王はバカなのか!?」
「バカだから死んだんだよなぁ…」
「えっ!?」
陸牙はコイツは何を言ってるんだ?見たいな表情をする。
「えと…オレの聞き違いか?オンセー王が死んだのか!?」
「あぁ、オレ達が報復に乗り出して斬ったぞ。」
「なに!?他のヤツ等はどぉした!?凍牙は!?風牙は!?炎牙は!?」
「全員死んだぞ。」
オレの言葉に陸牙は絶句している。
「因みに兵士達も、戦場に出て来たヤツ等はみんな死んでる。」
陸牙は更に絶望の表情を浮かべた。
「ま、リシの一方的な敗北ってヤツだ。」
陸牙はこの世の終わりな感じの表情になる。
「…そぉなると、オレの立場は…捕虜とかぢゃ無く…?」
「ただの虜囚だな。死んだ事になってるんだ。どんな非人道的な事をしても咎めるヤツは居ないし、文句も言えんよな。」
「……………」
「しっかり身の振り方を考えるんだな。」
オレは冷たく言い放つ。
「…オレを使って貰えないか…ある程度以上の役に立つと思う…」
完全に折れたな。コイツは確かに戦力になる。武器も自前で用意出来るだろぉし、礫の飛び道具も、銃並みには有るだろぉ。しかも、男にしか興味が無いのも使える。ゴリマッチョ系イケメンだ。顔が変わるまで殴ってやろぉかな…
ま、コイツは道雪に丸投げするか。
ソレから土の法術を使えるみんなで無心に鍛練した結果、その日の内に自分用の鎧を作る事に成功してしまった。
「…なぁ…なんでみんなこんなに優秀なんだ?」
呆れた表情で陸牙が問いかけて来た。
「そりゃ、みんな命懸けだからな。たまに出現する鬼に対抗する為にずっと鍛えてた人達だ。このくらい当たり前だよ。」
「そぉか…なら、明日は武器の生成とかしても良いのかもな…」
なるほど…土で剣や槍、棒なんかをかなりの硬度で作れれば、かなり使える様になるな…なんか応用力高くね?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




