第五百二十三話 腹黒女官さんの過去の記憶
訓練の成果や如何に!?
道雪は大丈夫かなぁ…
翌日、腹黒女官さんと道雪が、ラナーに向けて出発した。道雪は例の腕輪を着けているからマトモに動け無い様なんだが…
「なぁ、今回はオレが代ろぉか?」
「いえ、このくらい気合いで乗り越えてみせます!!」
体調とは裏腹に、道雪は気合いに満ちた声で返して来た。
コレなら任せてても大丈夫かな?
「なら…気を付けて行って来てくれよ?」
「はい。」
と、道雪とはなすと、
「あらあら、いつもは面倒臭がりなのに、どぉしたのです?」
と、腹黒女官さんが声をかけて来た。
「まぁ、ちょっと心配になってね…ほら、あの腕輪、狐人族ならいざ知らず、普通の人間の道雪には少々ツラいと思ってさ…」
「あら?お優しいのですね。その優しさの半分でも私に向けてくれると嬉しいですのに…」
「必要と有らば心配もしますけど…波津殿に必要ですか?」
「…一応、か弱い女性のつもりなんですが?」
「か弱いねぇ…」
オレはここぞとばかりにジト目で腹黒女官さんの顔を見た。
「あらあら、困りましたわね。そんな勘違いされてましたか…」
と、睨み返された。
なんだろ?普通に殺し合いになったらオレのが強いハズなのに、この絶対的捕食者な雰囲気は…ションベンチビりそぉなんだけど?
「ま、まぁ、波津殿が付いていれば、道雪も心配無いでしょぉ。ソレでも充分気を付けて下さいね。」
「うふふ…解りました。」
と、二人は、御者さんと一緒に出て行った。
ホントあの人はおっかないなぁ…
「やれやれ、旦那様も波津ちゃんにかかれば肩無しやよね。」
と、背後から紅葉に声をかけられた。
「うん、あの人かなり苦手なんだよね。」
「説教された時の記憶でも思い出すかや?」
「オレ、説教はされて無いと思うけど?」
「あれ?そぉだったかや?」
「相談した時とかにチクチクはされるけどね。」
「前もって相談するのは良い事やよ。」
「本能的に、逆らったらダメって思ってね…」
「正解やよ。波津ちゃんは有能で良い娘なんだけど、叱り方が玉に瑕なんやよね。」
「だね。美人なのに勿体無い。」
「…ちょっと昔話するやよ。」
紅葉から語られたのは昔の腹黒女官さんの話だ。四十五年前…当時、腹黒女官さんは十歳…紅葉から見てもすこぶる美幼女だったらしい。
その美しさは男を惑わし、言い寄られる事も多かったとか…たまたま助けた人族の男に言い寄られ、犯されそぉになった所を紅葉が助けたそぉだ。
ソレから、紅葉の教育に因り、元々有能だった彼女はその頭角を表し出し、帝や将軍(今の三代前)とも面識を持ち、言い寄られ、押し倒される事が何度か有ったらしいけど、その時に、今の性格が目醒めたらしい…曰く、
「私を手篭めにする事がどぉ云う意味を持つか解ってるのですか?一族郎党皆殺しですわよ?私に害を成す事は、長様…主上陛下に敵意有りとし、国賊として死ぬおつもりですわよね?狐人族の庇護は要らないのでしょ?コトも滅びますわね。たった一度の過ちでそぉなる事をお望みならば抵抗はしませんわよ?」
と言ったそぉだ。
そして、二人で共謀していた当時の帝と将軍は紅葉や女官さん達が怒りに任せてその場で撲殺したらしい…
ソレからの彼女は、正に獅子奮迅の仕事の鬼となり、道雪に氷を溶かされる様に柔和な部分も見せる様になったとか…
「あれ?そぉなると、あの人もぉ五十五なのか!?道雪より二十以上歳上!?見た目二十代半ばだぞ!?」
オレは紅葉の話を聞いて驚いた。美魔女ってレベルぢゃねぇだろ!!
「いや…今の話を聞いて一番最初の感想がソレかや?」
「えっ?あぁ…コッチの世界にも美幼女好きなヤツいっぱい居るんだな…」
「はぁ…もぉ、ソレで良いやよ。兎に角、未だに男嫌いな波津ちゃんが、道雪に絆されたのか不思議やよ。」
「そぉか?道雪は実直で誠実な男だから、ソレまで言い寄って来てた下心しか無いヤツ等との落差で一気に落ちたんぢゃね?」
「そんな簡単な事かや?」
「命を賭して貴女の側に居たい!!とか、そんな風に言われたら、案外コロっと行くんぢゃ無いかな?」
「ふむ…波津ちゃんは、男は下で動いて考える生き物!!って言ってたから、その可能性は大きいやよね…今度聞いてみるやよ。」
「オレも、ソレと無く聞いてみよぉかな…」
と、紅葉と話してたら、
「ふぅ〜ん…道雪さんの口説き文句、私も気になるなぁ…」
と、背後から椿の声がする。立ち聞きとはお行儀の悪い…
「なんかや?立ち聞きかや?」
「立ち聞きも何も、こんな所で、そんな出歯亀ホイホイな話してたら聞きたくなるのが乙女ってもんですよ!!」
えっへん!!と、胸を張り言い切る椿…なにを威張ってんだか…
「でばがめほいほい?何かやそれは?」
あ…出歯亀もゴキゴキホイホイもこっちにゃ無いモノだよな…
「えと…日本で、昔、覗き魔として捕まった男が、亀田?亀山?とか云う出っ歯の男で、覗きや立ち聞きをするヤツを出歯亀って表現をして、ホイホイってのはゴキゴキホイホイって商品があって、マロムシを捕まえるって商品で、ホイホイって言葉が、寄せ付けるとか、そんな感じで使われ出したって話で、その二つを組み合わせた造語的な?」
紅葉は、オレの説明に、なんとか納得してくれた様で、「そぉ云う事かや。」と、言ってくれた。
しかし…あの二人のラブストーリーかぁ…見たい人居るのか?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




