第五百二十話 やる気の記憶
ちゃんと第一の禊も終わった…で良いのかなぁ?
誰か居るかなぁ…?
その日の夜、陸牙の様子を見に行くと、
「おい!!何考えてんだよ!!あんなん拷問よりキツいぞ!!」
と、陸牙は大層ご立腹の様だ。
「なんだ…生きてたのか…あのまま、撲殺まで行っても良かったのになぁ…」
「やっぱお前悪魔か何かの生まれ変わりだろ?」
憎まれ口を叩く元気もある様だ。
「やっぱり元気だなぁ…なら、明日の予定も大丈夫だな。昼に屋敷の中庭に来てくれ。ソレまでは特に用事も無いから放置しといてやる。」
「んな!?オレをなんだと思ってやがる!!」
「ただの重罪人だろ?ソレ以外の何者でも無いハズだが?」
オレは陸牙を睨み付け、冷たく言い放つ。陸牙はソレに反論出来ない様で、俯いて黙り込んだ。
「ぢゃぁ、明日の昼過ぎに迎えに来るからな。 」
オレはそぉ言って陸牙の荒屋を後にした。
そして、屋敷に帰り、一つの案を紅葉と腹黒女官さんに話す。
「わっちは良いと思うやよ。」
「私も兵力増強には賛成ですが…快く思わない者も居るのでは無いですか?」
紅葉と腹黒女官さんで違う意見になった。いや、根本的には二人共賛成みたいだけど、腹黒女官さんは、みんなの心の内を心配して居るんだな。
「波津殿の言う事は尤もだな…そこまで考えが回らなかったよ…久盛なんかは特にイヤだろぉなぁ…そぉだ!!だったら、希望者のみにしたらどぉでしょぉ?参加は任意、不参加でも罰則は無いし、参加者から又聞きみたいな感じで、広まると思うし。」
「あら?ご自分の無能を認めて、更に代案を出して来るとは…かなり進歩なさいましたね。最初から考えていたら満点でしたのに。」
相変わらず嫌味が強いけど、そぉぢゃ無いと、不安になりそぉなのはなんでだ!?
「おっ!?褒めてくれるんですか?」
「えぇ、褒めるべき所は…ですが、鑑連様は褒める所が少なくて、重箱の隅をほじくり返さなければならないのが玉に瑕ですけどね。」
「それって褒めてないですよね?」
「あら?今更ですか?」
はぁ…この人は紅葉と道雪と鑑雪以外にはこぉだもんなぁ…美人なのに勿体ない…
「波津ちゃん、そのくらいで止めておいた方が良いやよ?旦那様に嫌われるかもしれないやよ?」
「あら?私の旦那以外の殿方には嫌われても構いませんのに…ま、要らない敵を作るのも馬鹿らしいですから、この辺で。」
要らない敵ねぇ…ま、この人の嫌味はこの人の味だから仕方無いかな。しかし…
「心配には及ばないよ。波津殿の意見はスッゴい参考になるし、見習うべき所が多いから、参考にさせて貰ってるよ。」
オレはにこやかにそぉ言った。
「まぁ、旦那様がそぉ言うなら…でも、あんまり波津ちゃんを見習うとダメやよ?」
「はぁい。」
と、返事をしたら、腹黒女官さんに睨まれたよ…なんでだ!?解せぬ…
そして今夜は椿と寝る事になった。久しぶりの椿と…弥生との一夜だ。とは云っても、えっちな事は控えなきゃね。なんせ子供がお腹に居るんだから。
「うふふ…なんか久しぶりだね。」
「だな…日本に居た時は、いずれは…って思ってたけど、こんなに早く子供まで授かるなんてな…」
「だねぇ…二十五くらいかなぁって思ってたけど、まさかこんなに早くなるとはねぇ〜」
布団の中で手を繋いで、顔を見合わせ笑顔を見せてくれる。そして二人で寝息を立てる。
幸せな夜だった。
朝、オレが起きると同時に、あきつらくんが起きているのに気付いた。ソレは弥生も一緒で、
「ねぇ、元気になってるけど、どぉしよっか?」
と、小悪魔な微笑みを浮かべて聞いて来た。
「えと…椿はどおしたい?」
「あ〜!!質問に質問で返したらダメなんだよ?」
「ぢゃぁ、椿のしたい様にすれば良いよ。」
「ふぅ〜ん…言わないんだ…ぢゃぁ、放ったらかしにしとこっかな?」
「別にソレでも良いぞ?」
「うわぁ〜いぢわるなんだ!!喰べてって言いなさい!!」
「えっ!?…ぢゃぁ…喰べて。」
「はぁい!!」
満面の笑顔で、椿は布団に潜り込む。なんかデジャブってもるなぁ…
結論、オレの奥さんは最高です!!
その後、午前中に久盛の所に行き話をする。
「えっ!?本気ですか!?」
「こんな事、思い付いて、冗談だよぉ〜!!とはなんないだろ?めちゃくちゃ本気だ。ま、希望者のみだし、みんなで情報共有も有りだし、戦力増強は良いと思うぞ。」
「ならば、皆に伝えておきます。」
「あぁ、頼むな。オレも監視役として参加するから、安全だとは思うが…」
「断言して下さいよ…」
久盛は尻を押さえて涙目になっていた。
「そっちには目醒め無かったのか?」
「目醒めません!!」
目醒めてたら面白かったのに…おとぼけ君は目醒めたのかな?目醒めてたら面倒だよなぁ…
そして、道雪と共に訓練に参加し、お昼になり、ご飯を頂き、陸牙を迎えに行く。
何をしているかと思えば、トイレ入ってる様だ。
「おい!!迎えに来たぞ!!」
するとトイレから、
「うぐっ!!はぁ…ふぅ…あぁ、すぐ行く…」
と、返事が返って来た。
トイレから出た陸牙からはなんとも言えないすえた臭いが…コイツ…抜いてたな!!
「えと…抜くのは構わんが、手ぐらい洗ってくれないか?アソコに川があるからさ…」
「ん?まさか臭うか?」
「殺したくなるくらいには…」
「…洗って来る…」
と、素直に臭いを落としに行った。しばらくして戻って来た。
「よし、行くぞ。」
と、屋敷の中庭に行く。一人でも居てくれれば良いんだが…
オレは陸牙を伴い、お屋敷の中庭…鍛錬場に来て、目を疑った。ソコには十人も人が居た!!その中には楓まで…あ!!楓も土の法術士を使えたっけ?コレは予想外だな…久盛も居るし…
「よぉ!!集まってるな!!確か、土の法術が使えるのが九人と記憶してたが…全員参加なのか?」
「はい。皆、少しでも師匠に近付きたいのですよ。」
久盛がそんな事を言った。
ま、何にせよやる気になってるのは良い事だ。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




