第五百十四話 首輪の記憶
出口の無い牢屋…脱獄不可能?
恨まれるだろなぁ…
その日の夜、オレは一つの式を作り上げた。
「こんなの公表出来ねぇよなぁ…たまたま見付かった、古代の式具って事にして、複製も不可って事にするかぁ?」
と、いつの間にか思ってた事が口を突いて出ていた。
「ん?何をブツブツ言ってるかや?」
あっ、一番知られたく無い人が気付いたよ…
「ん?何作ったの?」
と、楓が、オレの背中に抱き着いて、覗き込んで来た。背中に当たる、小さくも柔らかいモノ…ありがとぉ!!
「旦那様?」
「はい!!ごめんなさい!!」
椿に反射的に謝ってしまった。背中の柔らかいモノに意識を持ってかれたのを咎められ…
「なに謝ってんの?それより、コレ…もしかして…」
…無かった!!セーフ!!って、作ったばっかの式具に興味津々?
「えっ?これ?あの…陸牙に使おぉかと…」
「…そぉ?ホントにそれだけ?ソレ以外には使わない?」
「んと…犯罪者には使うかも…」
「他には!?女の子に使ったりしない?」
「しないってば。」
「なら、他の人には教えない?」
「絶対しない!!」
楓の言葉に即答してやる。すると、
「ん?何の話かや?何やら不穏な感じがするやよ?」
と、紅葉に不審がられたよ…
楓は紅葉に耳打ちして、内容を教えている…のか?まぁ、流石に楓には聞かせられない内容だからね…
「ふむふむ…ほぉほぉ…んな!?旦那様?」
「は、はい!!」
「なんて危険なモノを作るかや…」
「あ…いや…その…ね?特例として…って事で…」
「ホントに陸牙以外には使わないのかや?」
「はい!!あと、犯罪者にも使うかも知れないけど…」
「絶対かや?他の女の子に使わないかや?」
「女の子に?なんで?」
「旦那様の性欲処理とか…」
「しないよ!!」
ココだけはしっかり否定しとかなきゃ!!オレの沽券に関わる!!股間の事だけに!!
「なら…今回だけ許可してあげるやよ。」
「ははぁ〜!!有り難き幸せぇ〜!!」
と、紅葉に座礼をする。
「コレはどぉ云う事?」
「えと…楓ちゃんは知らない方が良い事だよ。」
「知らない方が良いのかぁ…」
「そぉだよ。」
と、椿が楓には内容を教えない様にした。やっぱり、真ん中の文字が[隷]だから椿は気付いたんだよね。
「さて、オレはコレをアイツに取付けに行くけど、良いかな?」
「良いやよ。ホントに今回だけやよ?」
「解ってるよ。」
流石、主上陛下なんて立場に居る紅葉だな。この式具の危険性を良く一瞬で理解したもんだ。
コレは誰しもを隷属させる事が出来る危険物だ。ま、命令権を持つ者は取り付けた本人だけなんだけどね。
あっ!!命令権の上限、決めて無かった!!あれ?別に良くないか?うん、今回に限り…ね!!
と、御社の前の牢屋に来た。陸牙は…うん、大人しくしてるみたいだな。
「よぉ、夕飯は喰ったか?」
「ん?あぁ、マトモな食事なんて何ヶ月振りかだったぜ?めっちゃ美味かった…」
「そぉか…ソレなら良かったよ。さて、オレがココに来たのは、お前がちゃんと大人しくしてたかを見に来たんだが…どぉだった?」
オレは見張りをしてた痴れ者君に話を振る。
「はい、大人しくしてましたし、身の上話を聞きましたよ。」
その身の上話を少し聞いたけど、元々孤児で、ちゃんとした教育を受けて無かったらしい。ソレで頭が少しアレなのか…
「なぁ、お前にある程度の自由を与えてやるが、どぉだ?」
「ある程度の自由?」
「あぁ、そこから出してやるし、風呂にも入れてやる。但し、お前の性欲は満たされないぞ?」
「んが!?自分で処理する分くらいは認めてくれるのか?」
「ん〜…まぁ、ソレなら…」
「よし!!あとは何かあるのか?」
「約束事か?あるぞ。オレがしてはイケない事と言った事はしちゃダメだし、何かする時は、コッチの指示に従って貰う。ま、コレは今のところの最低限だな。」
「解った。その条件も飲む。」
「よし、なら、この首輪を着けるが、構わんな?」
「なんだそれ?」
「コレは…その昔、オレ達の神、九尾の狐様から坂上田村麻呂様が授かった、首輪でな、コレを着けられたヤツは着けたヤツに逆らえなくなるって代物だ。」
「…って事は、オレはお前に逆らえないって事か?」
「あぁ、そぉなるな。」
「あんまり無体な事を言わないよな?」
「無体な事?」
「美男子を殺せとか、子供を殺せとか…」
「犯罪者以外は殺すなよ?」
「まぁ…ソレなら…」
「なら着けるぞ?」
「好きにしろ。」
かちりと、オレは首輪を取り付けた。
多分コレで式が作動して、隷属化が完成した…と思う…
試してみるか?
「なぁ陸牙、自分で自分の左手の小指折ってみな?」
「はぁ?そんなの言う事聞くワケ…」
そこまで言うと、首輪が締まりだしたのが解る。コレは放っとくと、死ぬな…
「今の命令を撤回する。」
オレが言うと、首輪の締め付けが緩んだのが解った。
「かはっ!!はぁはぁはぁ…」
と、陸牙は荒い息をしている。
「解ったか?コレが命令に逆らった時の罰だ。あまり逆らうなよ?」
「お…お前…悪魔か!?」
あ、悪魔なんて表現、こっちでもするんだな…
「悪魔とは随分な言い様だな…」
「…だってよ…」
陸牙はそれ以上何も言わなくなった。あのまま窒息死させられなかっただけマシだとでも思ったかな?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




