第四百九十三話 幸せな時間
リーシの件も片付けないとね。
何も不具合の無い日常…大切だよなぁ…
翌日、朝から椿と楓はラナーの水晶神殿に行く。紅葉は双葉とママ友談義だし、莉緒も何やら奥で報告やらお仕事やららしいし、オレはオレで、二ヶ月分の報告を受けなきゃならない…
その報告の中に見落としそぉな程の小さな反面が…[稲田村の水が干上がった。]とある…水が干上がった!?日付けを見るに、五日程前の事か?
「なぁ、勘兵衛。」
「はっ。」
「この稲田村って、何処だ?」
「稲田村…ですか?ガシとの国境付近に有る村ですが…何か御座いましたか?」
「水が干上がったと有るぞ。何か対策はしてるのか?」
「は?いえ…特には…」
「早く水利事業の計画を立てさせろ!!村人に一人でも死者が出たらそこの領主の首を刎ねるぞ!!」
「はっ!!すぐに取り掛かります!!」
と、勘兵衛は慌てて現地に人を派遣したりの動きを見せた。
そぉ云えば、雨も極端に少ないし、湧水頼りの農業だし、川が無いとホントにキツいだろぉな…近所に山でも有れば良いんだけど…
調べた結果、稲田村に山は無く、資源も何も無く、産業は農業しか無いらしい…
そんな中で水が干上がったりしたら死活問題でしか無いよな…クソッ!!オレに地下水汲み上げとかの知識が…あれ?確か海水から真水が…いや、ソレをすると生態系に不具合とか無いだろぉな?最悪村を放棄させるか?
なんとかなれば良いんだけどなぁ…オレも行ってみるか…
ソレからも報告書に目を通して行くけど、特にコレは!?って事も無く、概ね平和かな?犯罪件数も減ってるし、あとは景気だけど…かなり良いな…何が有ったんだ?あとで平八に聞くか…ま、みんな商売がしやすくなって…とかかな?
「殿、お呼びですか?」
と、平八が会議室に来てくれた。
「あぁ、その…良い事なんだが、景気が良いみたいでな…その要因は何だ?」
「あぁ、その件ですか。まず第一に、コトへの賠償金の支払いが終わりました。」
「んが!?まぢかよ…こんなに早く終わるモンなのか?」
「殿が国主になられてから商売がし易くなりましたし、カワマヤクリラーノやルーシャからの賠償金をそのままコトへ流してましたので。」
「おっ?ソレは良いなかなりの額が流れたって事か…」
「はい。御慧眼の通りです。」
「世辞は要らん、ホントに慧眼なら、民の一人一人が皆幸せになってるだろぉな…」
「八割以上の民が幸せそぉですよ…」
「残りの二割が気になるな…」
「犯罪者や犯罪組織の連中と、破落戸やその被害者ですね…」
「そぉか…犯罪者や犯罪組織やチンピラは除外して…被害者救済に何か出来ないか?」
「はい、捕まえた犯罪者の財は全て被害者救済に充ててますが、金銭的には何とかなっても心までは…」
「…だよなぁ…何とか出来るならしたいよな…」
「はい。」
と、一つの案件は終わったけど、平八との話の本題はココからだ。
「取り敢えず…稲田村の救済にかかる資金調達は頼むぞ。」
「稲田村ですか?何か有りましたので?」
「あぁ、水が干上がったらしい、今勘兵衛に動いて貰っている。」
「そぉでしたか…では直ちに。」
と、会議室を出よぉとするから呼び止める。まだまだ本題があるんだよ!!
「待て待て待て!!まだ話は終わって無いぞ!!」
「えっ?まだ何か?」
「あぁ、その…リーシなんだがな…」
「リーシですか?」
「あぁ、内情、かなり腐った所みたいでな、何人か財政担当を送り付けたい。色仕掛けとか効かないヤツが望ましいんだけど…」
「解りました。何人か送って様子見をしてみます。」
「あぁ、頼む。裏切りは許さないからとも伝えていてくれ。」
「畏まりました。」
と、懸念していた本題は平八に丸投げ出来た。コレでこの件も一安心だな…
「…で、何か他にも重要な事は無いか?」
オレは天井に向かって声をかけてみた。
『はい、特には、数日後に中村左衛門殿、熊様、目壱様がお戻りになられるくらいです。』
「あぁ、みんなには九尾の村に戻る様に伝えてくれ。」
『はっ!!』
と、そっちも何とかなりそぉだな。暴れ鳥ご喰える様になるのか…ヨダレが止まらないぞ!!
そぉだな…そぉなると…胡椒とか欲しくなるな…無いモノねだりは止めとくか…
ソレからオレは紅葉達の所に行く。
「おや?旦那様、斯様な所にどぉしたのかや?」
「殿様、いらっしゃいませ。」
紅葉と双葉に出迎えられた。
「うん、丁度二人に用があってね…」
「用…かや?」
「して、御用向きは?」
オレは意を決して二人に問いかける。
「今更で悪いんだけど、二人共オレの子供を身籠もって、その…ホントにオレで良かったのかと…」
一番の懸念材料を口にした。
「何かや今更…イヤぢゃったら我が婿になどしとらぬよ。」
紅葉は呆れた表情で、オレを見る。
「今の状況は、私の望んだ状況とはかけ離れて居ますが、私の望んだ状況より遥かに幸せな状況ですわ。殿様がお気にされる事はありませんよ。」
と、双葉は頬を染めて、幸せだと強調してくれた。
「本当にオレで良かった?」
再度問う。
「くどいやよ?旦那様らしくも無い…」
「いつもの様にスパッとなさいませ!!」
「あ…イヤ…でもね?」
言い淀むオレを紅葉が引き倒し、膝枕をする。
「えっ?あの…」
状況が掴めないオレに、紅葉は言う…
「聞こえるかや?わっちと旦那様の稚児児の命の音やよ。てて親がそんな意気地無しだと、安心して産まれられないと嘆いているやよ。」
紅葉は優しくオレの頭を撫でながら、オレを諭す。
「そぉですわよ。産まれて来る子供達はきっとお父様が大好きになりますわよ。」
と、双葉にも励まされた。
「…だよな…父親がこんなんぢゃ子供に笑われるよな…早く顔を見せてくれ!!」
オレは膝枕のまま、紅葉の腰に抱き付いた。
「コレでは、どちらが子供か解らぬやよね。」
「まったくです。」
と、紅葉と双葉に笑われてしまった。こんな平和がいつまでも続いて欲しいな…
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




